
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
2022年(令和4年)08月29日 月曜日 徳洲新聞 NO.1353 4面
心疾患は日本人の三大死因のひとつです。その多くが、動脈硬化による冠動脈の狭窄や閉塞で心筋(心臓の筋肉)に血液が行き渡らなくなる「虚血性心疾患」で、主に心筋梗塞や狭心症が挙げられます。突然死にもつながりかねず、予防が重要になります。生活習慣が大きく関係し、とくに食事に注意しなければなりません。どのような点に注意すれば良いのか、帯広徳洲会病院(北海道)の加納まどか栄養管理室主任が解説します。
加納まどか帯広徳洲会病院(北海道) 栄養管理室主任(管理栄養士)
虚血性心疾患は、心臓に血液を送る血管が動脈硬化によって詰まり、心臓に酸素や栄養が十分に行き渡らなくなるために起こります。予防するには、とくに動脈硬化を起こさないことが大事です。「血管が詰まる」と聞くと、「コレステロール値が高い」とイメージされがちですが、動脈硬化を引き起こす危険因子には、高血圧、肥満、糖尿病、喫煙、脂質異常症なども挙げられ、高コレステロール血症だけではありません。いずれにしても生活習慣に関係しているものが多く、ひとつでも危険因子を減らせるように、とくに生活に欠かせない食事に注意すると良いでしょう。
食事で心がけるべきポイントは大きく5つあります。まずは「減塩」です。塩分量が多いと血液中のナトリウム濃度が高くなり、正常に戻すために血液中に水分が取り込まれ、その結果、血液量が増加、血圧の上昇などが起こります。一般的に1日の塩分摂取量は7g前後、高血圧の方は6g以下が目安と言われています。できるだけ薄味に慣れるようにしましょう。練り製品や加工品、酒の肴は塩分が多いので要注意です。
次に「低脂肪・低コレステロール」です。コレステロールは細胞膜や胆汁酸などの材料になる大切なものですが、摂りすぎは困りもの。一般的には動物性脂肪1に対して植物性油や魚類の油2の割合で摂取することが望ましいとされています。
3つめは「肥満解消」です。肥満は動脈硬化を促進する大きな要因になるだけでなく、心臓にも負担をかけます。1日の適切な摂取エネルギー量を算出する方法を示します(表)。たとえば、身長が160㎝でデスクワークの多い人の場合、標準体重は1・6×1・6×22=56・3㎏となり、これに25と30をそれぞれかけます。その結果、1日1400~1700kcalが適切というわけです。
4つめは、「適量アルコール摂取」です。過度のアルコールも心臓に負担をかけます。適量(1日ビール500㎖、日本酒1合、ウイスキーダブル1杯まで)を守りましょう。最後は「食物繊維の摂取」です。食物繊維にはコレステロールを減らし、脂質の吸収を抑える効果があります。摂取量の割に低カロリーで、よくかむことにより食べすぎを防ぎ、肥満予防にもつながります。食物繊維が豊富な野菜、海藻類、きのこ類、こんにゃくなどを積極的に食べるようにしましょう。
自分だけで食生活を見直すことが難しい場合は、健康診断や特定保健指導などを活用し、医師や保健師、管理栄養士など専門家のアドバイスを受けると良いでしょう。