
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
2022年(令和4年)02月14日 月曜日 徳洲新聞 NO.1325 4面
緊急リポート第3弾
新型コロナウイルス第6波が依然として続き、2月5日には全国の新規陽性者数が初めて10万人を突破、まん延防止等重点措置の適用は計36都道府県となった。家庭内感染や保育所の臨時休業などで職員が自宅待機を余儀なくされたり、PCR検査の試薬が不足したりと、感染力の強い「オミクロン株」が与える影響は甚大だ。「まん防」適用地域にある徳洲会病院を中心に、コロナ対応を緊急リポートする。
全国でも感染者数が多い首都圏に立地する徳洲会病院は、発熱などコロナを疑う症状があると救急搬送先の調整に時間がかかる「救急搬送困難事例」が頻発するなか、“断らない救急” を掲げ受け入れに尽力している。また、PCR検査や抗原検査の試薬に関しては、一部を除き多くの徳洲会病院で足りている状況だが、徐々に入手が難しくなってきている。
羽生総合病院(埼玉県)は、周辺の分娩施設からコロナ陽性で出産間近の妊婦さんの入院受け入れ要請が短期間に複数あり、対応に追われた。いずれも自然分娩予定の妊婦さんだったが、感染リスクを減らすため帝王切開に変更し、無事に出産を終えた。「救急では、10回以上断られた遠方の患者さんを受け入れるケースも少なくありません。とくに夜間の搬送が増え、手薄な時間帯のため職員の負担が増しています」と青木三栄子・看護部長は吐露する。
湘南鎌倉病院が運営する県の臨時医療施設で懸命にコロナ患者さんのケアを行う
千葉西総合病院はプレハブのコロナ病棟(50床)がほぼ満床。小林裕子・看護部長は「地域の高齢者施設などでクラスター(感染者集団)が発生し、入院を受け入れることが多いのですが、その施設でクラスターが終息しないと帰せません。そのため疑似症用の本館内31床もつねに満床です」と病床逼迫が深刻化。
東京西徳洲会病院は発熱外来の受診者が目立って増加。鳩山悦子・看護部長は「多いと1日に300人近くにも上ります。入院も増え70代以上の高齢の方が多いです。酸素投与を要するケースが多く、悪化すれば気管挿管し人工呼吸器での管理が必要となる患者さんもいます」と予断を許さない状況だ。
患者さんの増加でプレハブを増設しPCR検査の検体採取場所を追加(野崎病院)
神奈川県の湘南鎌倉総合病院は、県の臨時医療施設で軽症・中等症のコロナ患者さんに対応。治療後または重症化した際の受け入れ先に苦慮する状況が続いているが、本院や県内のグループ病院とも協力し、ベッドコントロールに努めている。八木沼正子・看護部副院長は「1月末から“みなし陽性”の臨床診断も始まりました。コロナ患者さんは急激に増えています」と警鐘を鳴らす。
湘南藤沢徳洲会病院でも逼迫した状況が続き、確保した42床はつねに満床に近い状態。8日から外来で中和抗体療法を実施するためのプレハブ棟の運営も開始した(4床を午前と午後で稼働し8人分)。さらに鈴木理絵・看護師長は「県で重点観察対象者以外への架電対応がなくなるため、当院としての対応を検討しています」と明かす。
榛原総合病院(静岡県)もコロナ病床がほぼ満床(10床)。点滴による抗体療法も開始した。
岐阜県の大垣徳洲会病院は、中和抗体療法に対応するため2床を確保。県からの依頼で1月末より患者さんの受け入れを始めた。西村なおみ看護部長は「TRC法を用いた検査の試薬の在庫はまだ大丈夫ですが、抗原検査も含め、患者さんと職員の接触の程度で検査内容を選ぶよう会議で話しています」と慎重な構えを見せる。
吹田病院は2月1日から別棟のコロナ専用病棟(東病棟)での受け入れを開始
西日本も厳しい状況が続いている。とくに大阪府は直近1週間の都道府県別人口10万人当たり感染者数(NHKまとめ、2月8日時点)が東京都を上回り全国トップ。3位は兵庫県、4位は京都府、5位は福岡県と続く。
大阪府の野崎徳洲会病院は、院内のコロナ専用病棟に35人前後が入院。敷地内の重症コロナセンターも稼働率85%で推移。木下美智子・看護部長は「ご家族の感染や、相次ぐ学校・保育所閉鎖で出勤できない看護師も増えており、マンパワー不足」と窮状を訴える。
八尾徳洲会総合病院も重症・中等症の病床が満床状態。連携先の病院や施設がクラスターなどにより、転院・入居受け入れを制限し、「退院調整が進まず、空床確保ができない」(小原真栄美・看護部長)。外来も患者さんが右肩上がりで増加、陽性率が50%を超える日も少なくないという。
吹田徳洲会病院は2月1日、本館内(20床)での入院受け入れから、敷地内に開設した別棟のコロナ病棟(24床、東病棟)での受け入れに切り替えた。「(8日時点で)20人が入院し、うち10人に酸素投与しています。患者さんの多くは80~90代と高齢ですので、状態の変化にはつねに目を光らせています」と高鷲智美・看護師長(感染管理認定看護師)。東病棟看護師たち(ローテーション制)の懸命のケアが続く。
重症対応専門の岸和田徳洲会病院もコロナ病床はほぼ満床。二次医療圏以外の救急対応が続いており、「最近は救急外来で転院待ちの患者さんが複数いる状況」(深野明美・看護部長)だ。
宇治徳洲会病院(京都府)も救急が逼迫。47件受け入れ5件が心肺機能停止の日もあった。齊藤文代・看護部長は「救急を止めている医療機関が地域に多く、ほぼ当院で受け入れています。なかには陽性の方もおり、ゾーニング(区分け)して何とか受け入れています。“断らない”という徳洲会魂で対応しています」。
神戸徳洲会病院は外来を受診する濃厚接触者が急増。院内3カ所で対応しているが厳しい状況だ。入院では陰性確認後に陽性になるケースが多くなってきたため、検査体制を強化。中村美津・看護部長は「一気に陽性者が増えたこともあり、市の方針で救急の陽性患者さんでも内服薬や点滴で在宅に帰し、必要に応じて訪問看護が介入するケースが出てきています」。
福岡徳洲会病院は1月中旬以降、発熱外来の患者さんが増加の一途。瀬上希代子・看護部長は「高齢者の重症化、小児の感染が増えています。病床が逼迫し、一般の入院調整が困難な状況です」と説明する。出雲徳洲会病院(島根県)はPCR検査の試薬不足で検査の実施を一部制限。「試薬は納品されるものの発注した分の4%しか届いておらず、滞っています」(布野文代・看護部長)。
鹿児島徳洲会病院は高齢の陽性患者さんの入院が増えている。「地域の高齢者施設などでクラスターが増えています」と倉掛真理子・副院長兼看護部長。PCR検査の試薬は足りているが、「院内で陽性者が出た場合、現在は行動確認し感染の可能性がある人に検査を絞っていますが、行政が定義する濃厚接触者よりは範囲を広げて検査を行っています」と工夫する。
奄美大島にある名瀬徳洲会病院ではコロナ患者さんは減ってはいるものの、確保した14床のうち、つねに5床ほど埋まる状況が続く。上谷由美子・看護部長は「保健所からの依頼による入院は少ないので、恐らく軽症で自宅療養している方が多いと思います」と見とおす。
沖縄県本島の南部徳洲会病院は1月28日からコロナ病床を11床から30床に拡大。大城光子・看護部長は「第5波に比べ症状が軽いとは言え、高齢の感染者が増え、重症化する患者さんもいます」と指摘。中部徳洲会病院では近隣の急性期病院の診療制限で急増する救急患者さんの対応に尽力している。地域の高齢者施設でクラスターが多発し、照屋いずみ看護部長は「中等症の患者さんのみ入院し、軽症者は訪問診療で対応するなど、施設とも協力して乗りきっています」と打ち明ける。
離島では、宮古島市が無料PCR検査を開始、宮古地区医師会も協力して診療するなど、役割分担し地域全体で対応。石垣島でも新規陽性者が減ってきた。宮古島徳洲会病院の国吉恵美・看護部長、石垣島徳洲会病院の友寄幸子・看護部長はともに「地域の介護施設などで、いまだ感染がありますので、それが広がらないように留意しています」と口をそろえる。