
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
2025年(令和7年)06月30日 月曜日 徳洲新聞 NO.1498 3面
湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)は臨床倫理コンサルテーションチームを組織し、倫理的問題が発生した際に職員のサポートをしている。宗像博美・名誉院長が顧問、中下珠緒リウマチ・膠原病・アレルギー科部長がリーダーを務め、メンバーは多職種にわたる。
宗像・名誉院長(前列中央)や中下部長(その左)を中心とした臨床倫理コンサルチーム
月1回の定例会議に加え、相談があった際には迅速に対応
医療現場では、自己判断ができない状態、輸血の拒否、終末期の治療方針など深刻な倫理的問題が頻発。これらの問題は、一般的な倫理委員会ではスピードや柔軟性に限界があり、とくに緊急性が高いケースでは対応が間に合わないことが多い。こうした背景から、「当チームは数日以内に結論を導き出し、治療方針の意思決定を支援する迅速な介入役として必要とされています」と中下部長は強調する。
同チームは医師、看護師、MSW(医療ソーシャルワーカー)ら多職種が連携し、多面的な視点から検討を行うことで、現場での合意形成を促進。同時に、院内スタッフの教育や倫理的判断力の育成も担い、病院全体の倫理的対応力の底上げにも寄与する。
たとえば、「コードもやもや」をキーワードに、耳目を集める院内ポスターを作成・掲示するとともに、勉強会資料や参考文献を整備し、電子カルテ内の同チームのフォルダに掲載。さらに、過去の具体的な事例や仮想事例を集めた「共有事例集」も作成。倫理的問題の標準的な検討方法を学ぶために重要となるもので、「感情論になりがちな」現場でも、医学的・倫理的観点から冷静な判断を行ううえでの指針となる。
将来的には、共有事例集のさらなる拡充と、グループ内への水平展開により、現場全体の倫理的対応力の底上げを目指す。宗像・名誉院長は「自分たちだけの少ない体験のみで患者さんの治療方針・運命を決めることを避け、多角的視点から倫理的思考を支える体制を構築することが、医療の質向上につながると考えます。問題は毎日発生していますが、それを倫理的問題であると気付くことが大切です」と力を込める。