徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2024年(令和6年)09月09日 月曜日 徳洲新聞 NO.1457 3面

日本乳癌学会学術総会
徳洲会から28演題
徳洲会乳がん部会が運営会議も

第32回日本乳癌学会学術総会が7月11日から3日間、仙台市内で開催された。徳洲会グループはメディカルスタッフセッション1演題、厳選口演3演題、ポスター発表24演題の計28演題を発表した。口頭発表を中心に紹介する。また、会期中には徳洲会乳がん部会が別の会場で運営会議を開き、部会活動の方向性について議論した。

「薬剤師が薬剤選択にかかわることが大切」と前田係長

メディカルスタッフセッションでは札幌徳洲会病院の前田健太・薬剤部係長(薬剤師)が「患者の生活や思いに寄り添う薬剤管理指導―薬剤師がかかわるshared de-cision making―」と題し発表。患者さんが薬剤選択をする際に何を理由にするかを調査。

医療従事者による直接注射(シリンジ製剤)を選ぶ場合は「確実な投与」、自動で薬を投与するデバイス(BP製剤)を選ぶ場合は「通院頻度の軽減」が主な理由になることを示した。

前田係長は「患者さんの生活環境や考え方によって薬剤の選び方が異なるため、医療者の予想だけで薬剤を選ばないことが大切」と指摘し、「患者さんに寄り添った薬剤管理指導を行うことが、満足度の高い治療につながります」とまとめた。

厳選口演では、名古屋徳洲会総合病院の吉本信保・乳腺外科部長(札幌東徳洲会病院医学研究所客員研究員)が「デジタルPCRを用いた乳癌患者の血漿遊離核酸モニタリングの有用性」と題し発表。デジタルPCR(遺伝子増幅法の一種)を用い、血漿中の遊離核酸におけるがん増殖や発がんに関係する遺伝子であるHER2とMYCのコピー数を測定することで、乳がんの病状を正確に評価できる可能性を示した。

千葉徳洲会病院の山下浩二・乳腺外科部長は「経腋窩乳腺内視鏡手術における乳腺切離範囲と整容性の工夫」をテーマに口演。乳腺内視鏡手術では、乳腺切除範囲の位置と広さに応じ再建方法を適切に選択することで、良好な整容性を得られると結論づけた。

東京西徳洲会病院の佐藤一彦・名誉院長(当時・院長)は「マルチカテーテル小線源治療を用いた超短期間乳房部分照射の早期臨床成績」をテーマに、照射期間2日間の超短期間乳房部分照射と4日間の通常の部分照射を比較した結果を説明。「ふたつの照射法の再発率に大きな差はなく、副作用も軽度であり、超短期間乳房部分照射が有効である可能性が示されました」と報告した。

ポスター発表では湘南鎌倉総合病院(神奈川県)が6演題、和泉市立総合医療センター(大阪府)が3演題、千葉西総合病院、野崎徳洲会病院(同)、岸和田徳洲会病院(同)、宇治徳洲会病院(京都府)が各2演題、札幌病院、札幌東徳洲会病院、東京西病院、湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)、大垣徳洲会病院(岐阜県)、出雲徳洲会病院(島根県)、福岡徳洲会病院が各1演題を発表。

部会活動の活発化を協議

同学会に参加した大垣病院の間瀬隆弘院長、東京西病院の佐藤・名誉院長、岩井大薬局長(いずれも同学会評議員)らは11日、仙台市内で徳洲会乳がん部会の運営会議を開いた。部会長の間瀬院長は「学会の開催などを契機に、部会参加者を増やしていくことが急務」と指摘し、乳がん治療に関心をもつ研修医や医師はもちろん、看護師、コメディカルにも積極的に声をかけ、部会への参加を促すよう求めた。

さらに、がん診療の臨床データを解析する“徳洲会リアルワールドデータ(TREAD)プロジェクト”にも触れ、部会でTRE-ADを活用していく方針を示した。アプリケーションソフト「Chatis」を活用し、部会内のコミュニケーションを一層図りやすくすることや、来年3月に開催予定の第6回乳がん研究会の概要についても確認した。

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