2025年(令和7年)03月03日 月曜日 徳洲新聞 NO.1481 2面
日本栄養治療学会
土屋・武蔵野病院副室長
2年連続グランプリ獲得
第40回日本栄養治療学会学術集会が2月14日から2日間、神奈川県で開催された。「患者さんのための見た目にも美味しい病院食コンテスト」で、武蔵野徳洲会病院(東京都)の土屋輝幸・栄養管理室副室長が2年連続でグランプリを獲得し、講演を行った。
2部門で表彰された土屋副室長(左)
臨床試験の重要性を指摘する辻仲・特別顧問
土屋副室長はクックサーブ部門で「食欲そそる彩り鮮やかな本格中華」を提案し、グランプリを獲得した。グランプリ講演では、「われわれからすれば何百食のうちの一食。患者さんからすれば唯一の食事。そこには妥協があってはならない」と訴え、食味のうえでは見た目、香り、食感、温度のうち、どれかがゼロになったら完成度が下がると強調。そのうえで、提案したレシピを紹介し、「美味しい食事の提供は、管理栄養士の揺らぐことのない専門性の高い業務です」と語気を強めた。
土屋副室長はクックチル・ニュークックチル部門でも「simple is BEST. 至福の朝食」を提案し、準グランプリを獲得。「最近、物価高騰などマイナスな情報が多いなか、徳洲会栄養部にとって明るい話題になったと思います。今後ともグループ全体の食事の質向上に貢献していきたいです」と意欲を示した。
また、土屋副室長は口演でも「三位一体の多職種連携がこども食堂にもたらした公衆衛生的栄養教育」をテーマに発表。医療機関で開催するこども食堂の強みとして、多職種の専門性の発揮を挙げ、管理栄養士に加え、歯科医師などによる三位一体の栄養教育を紹介。保護者からのアンケート結果を報告したうえで、「子どもの健康面での安心感が得られたという回答が80%に上りました。多職種による包括的な支援は、こども食堂によって、公衆衛生的な栄養教育となる可能性が高いです」とまとめた。
教育講演では、和泉市立総合医療センター(大阪府)の辻仲利政・名誉顧問が「栄養療法と臨床試験:周術期栄養管理をめぐって」をテーマに講演した。実際に日本で行われてきた周術期栄養管理に関する臨床試験を紹介し、成果と問題点を指摘。また、臨床的貢献度の高いものとしてERAS(術後早期回復プログラム)と周術期口腔ケアを挙げ、これらが確立してきた経緯などを説明した。
最後に「慣習から脱却するためには、臨床試験によって新たなエビデンスを創出する必要があります」と力を込めた。
要望演題では3演題の発表があり、伊藤慎吾・湘南鎌倉総合病院(神奈川県)外科部長が「NDBオープンデータ解析による本邦のセレン測定と亜セレン酸ナトリウムの投与状況の現状」、村山敦・岸和田徳洲会病院(大阪府)歯科口腔外科副部長が「岸和田徳洲会病院におけるNST回診ピックアップ基準の妥当性について~GLIM基準を用いた検証~」、髙橋敬子・湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)栄養管理室主任(管理栄養士)が「ICUにおける外科術後患者の栄養開始時間の短縮は重症合併症低減となるか~システム変更による影響の検討~」と題し発表。
徳洲会からは口演5演題、ポスター11演題の発表もあった。