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Tokushukai medical group newspaper digest
Tokushukai medical group newspaper digest
2020年(令和2年)1月27日 月曜日 徳洲新聞 NO.1220 一面
第77回奄美ブロック研修医勉強会が徳之島のホテルを会場に開催された。これは、奄美群島内の徳洲会病院で離島研修に励む初期研修医が一堂に会し、経験症例や成果を発表、研鑽(けんさん)を積むための勉強会。2カ月に一度の頻度で、ふだんは奄美大島にある名瀬徳洲会病院で開催されているが、今回初めて徳之島が会場となった。初期研修医6人が発表。奄美群島内から22人の初期研修医が集まり、さらに同群島内外から院長や指導医など18人の医師が参加。それぞれの発表に対して活発な討論を行うなど勉強会は盛況裏に終了した。
奄美群島内外から初期研修医を含む多数の医師が参加
同勉強会は2006年11月にスタートして以来、77回目を迎え、参加人数は累計1978人に上る。今回は昨年11月16日に開催した。会の冒頭、名瀬病院の松浦甲彰院長が挨拶に立ち、「この会は、半分は勉強、もう半分は交流の場という意味があります。実際に離島医療はどうであったかということを確認する場にしてもらえたらと考えています。肩の力を抜いて積極的な意見交換を行ってください」と挨拶。「積極的に意見交換を」と松浦院長
続いて、徳之島徳洲会病院の藤田安彦院長が「離島でのさまざまな経験を今後の成長の肥やしにしてください」と呼びかけた。症例発表の座長を務めたのは同院の水田博之副院長。「この勉強会を成長の肥やしに」と藤田院長
喜界徳洲会病院の田中万理・初期研修医(所属:宇治徳洲会病院)は「自衛隊ヘリ搬送となった大腸閉塞の一例」と題し、初診時の対応や搬送のタイミングなどについて、診療経過を振り返りながら検証を行った。「皆さんと離島医療を守りたい」と友野総長
与論徳洲会病院の大江恵華・初期研修医(所属:湘南鎌倉総合病院)は「救命し得たパラコート中毒の一例」をテーマに発表した。パラコートとジクワットの合剤であるパラコートという農薬を自殺目的に飲用し、腐食性食道炎、急性腎障害、肺線維症を併発した症例を紹介。パラコート中毒や治療経過を説明したうえで、「嘔吐している患者さんの治療にあたる時は、まず医療者の標準予防策が大切で、農薬の服用患者の場合は空気汚染にも注意が必要です。致死率は高いですが、救命できる可能性もあります」とまとめた。発表後には活発な質疑応答も
この後、特別講演として、福岡徳洲会病院の仲道孝次副院長が、上部消化管内視鏡の食道入口部挿入に関する教育法をテーマに講演。また、第二協立病院の福田能啓院長が「Helicobacter meetsIBD」と題し特別講演。福田院長は胃がんの原因となるピロリ菌の培養に日本で最初に成功したピロリ菌の診断・治療の第一人者。これまでの研究成果などを発表した。