徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP 45th

病気の治療

Treatment of Disease

呼吸器外科の病気:肺動静脈瘻

毛細血管がなく動脈と静脈が直接つながっている状態

肺動静脈瘻とは、肺動脈と肺静脈が異常吻合をきたす肺の血管性病変のことです。
人体の血管の走行は、心臓から出た太い動脈が枝分かれして小動脈となり毛細血管を介して小静脈から大静脈へとつながりそして心臓へと帰っていきます。組織はこの毛細血管を介して血液から必要とする栄養分を摂取していますが、この毛細血管が欠落し直接動脈と静脈がつながっている異常な状態がこの疾患の病態です。

多くの場合は先天奇形であり、胎生期における正常な血管の発生が損なわれたことが原因と考えられています。
一般に無症状のことが多く、成長加齢とともに大きくなっていき20~40歳代に見つかることが多いです。胸部レントゲン写真にて異常陰影として偶然発見されるか、または動静脈瘻の短絡血流の増加に伴う低酸素症や労作時の呼吸困難といった症状を訴え病院を受診することで発見に至る場合もあります。

無治療のままだと6年後に1割が死亡

診断は、胸部CT検査や血管造影検査にて可能ですが、見つかった場合は放置することで脳塞栓や脳膿瘍の原因となることもあるため、症状がなくても治療することが勧められます。

治療は、血管内カテーテルによる流入動脈のコイル塞栓治療が中心ですが、流入動脈が太い場合は手術による切除も行われています。
予後は一般に良好です。しかし無治療の場合は診断から6年で死亡率11%との報告もあり注意を要します。

また、本疾患と遺伝性の出血性毛細血管拡張症との関連が指摘されています。その場合は繰り返す鼻血や皮膚粘膜の毛細血管の拡張、他の部位にも動静脈瘻が多発することや同様の症状が家族内でもみられることが特徴とされています。遺伝性出血性毛細血管拡張症は欧米においては70~90%と高率ですが、わが国では12~18%とそれほど多くはありません。最近は原因とされる遺伝子がいくつか解明され、その異常遺伝子と病状との間にそれぞれ特徴があることが知られるようになっています。

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