徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2026年(令和8年)01月19日 月曜日 徳洲新聞 NO.1526 1面

宇治徳洲会病院
手術支援ロボ「ヒューゴ」200例到達
大腸がん手術に威力&医師の教育にも大きく寄与

宇治徳洲会病院(京都府)が導入した手術支援ロボット「Hugo RAS System」の症例が200例に到達した。2023年8月の初症例から、今年1月16日までに泌尿器科19例、下部消化管181例を実施。下部消化管のうち、とくに大腸がんに対する鏡視下手術は、すべてヒューゴで行うなど症例を重ねている。消化器外科の長山聡部長は「ヒューゴの特徴を生かすことで、多種類の術式に柔軟に対応できるとともに、当科の専攻医全員が同機器を用いた手術を行えるなど、教育面の充実にも寄与しています」とアピールする。

「特徴生かしヒューゴを活用」と長山部長 術者は専用の3Dグラスを装着し、立体映像を見ながら操作 後輩医師は術者と同じ映像や、術者の手元の操作を見ながら学べる ヒューゴは(左から)システムタワー、アームカート、サージョンコンソールの3つで構成(画像提供:コヴィディエンジャパン)

ヒューゴは内視鏡カメラと、メスや鉗子を装着するロボットアームを備えた「アームカート」、アームを操作する「サージョンコンソール」、手術中の映像を映し出す「システムタワー」からなる医療機器。術者は離れた場所でモニターの映像を見ながらアームを操作して手術する。1本ずつ独立したアームや、オープンタイプのサージョンコンソールが大きな特徴だ。

宇治病院は23年3月に徳洲会グループで初めてヒューゴを導入。同年8月に1例目となる前立腺がん手術を行った。すでに導入していた手術支援ロボット「ダヴィンチ」と使い分けながら、その後、とくに消化器外科で症例を蓄積、現在は大腸手術にのみ使用している。基本的に大腸がんを対象とし、23年12月の初症例以後、着実に実績を伸ばしている。その要因について、長山部長はこう説明する。「大腸は盲腸、結腸、直腸からなり、成人で全長1.5~2mと長い臓器。結腸の手術だけでも複数の術式があるなど手術のバリエーションが多いため、すべてに対応するとなると、アームの配置の自由度が高く、かつアームの可動域が広いヒューゴは適していると思います。また、たとえば直腸と、少し離れた結腸に病変がある場合、ひとりの患者さんに2種類の手術を1回で行うイメージですが、ヒューゴのアームは自由に配置でき、頭からお尻の方向に反転するくらい可動域が広いため、一定の配置を基本に微調整を加えるだけで2種類の手術をスムーズに進めることができ、煩雑さも軽減できます」と強調する。

症例を重ねるなかで、モデルなどを用いてヒューゴのセッティングを検証。微調整を繰り返し、各術式のプロトコルも確立しつつある。「やり方が定型化された現在は手術時間も少しずつ短くなり、共通認識の下で安全に手術を行えています。多くのスタッフに感謝しています」(長山部長)。

診療だけでなく、医師の教育にも同機器を活用。消化器外科には現在、専攻医を含む20~30代の若手・中堅医師が9人在籍し、いずれもヒューゴを用いた手術を手がけている。

長山部長は「ひとつの大きなスクリーンで、オペレーターと同じ画像を学ぶ側も見ることができ、画質も良い。また、オープンサージョンコンソールのため、操作するオペレーターの手の動きを見ることもでき、イメージトレーニングがしやすいのもヒューゴの長所です」とアピール。「若手の先生方は手術支援ロボットに対する関心が高く親和性も良いので、積極的に経験していただきたいと思っています」と加える。

同科では、進行直腸がんに対しては以前から積極的に術前治療を取り入れ、さらに手術支援ロボットを活用することで、できるだけ肛門の温存に努めている。長山部長は「今後、ヒューゴは新しい機能の追加などで、さらに使い勝手が良くなり、一層難しい症例への対応、手術時間の短縮などが可能になっていくでしょう」と展望。「患者さんと医師の双方に、より良い環境を整えていきたいです」と、さらなる進化に意欲的だ。

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