
直言
Chokugen

Chokugen
直言 ~
満元 洋二郎(みつもとようじろう)
医療法人徳洲会 常務理事 名瀬徳洲会病院(鹿児島県) 院長
2026年(令和8年)01月19日 月曜日 徳洲新聞 NO.1526
当院は“後進が夢を持てる奄美群島の基幹病院”を目指し、500床(現在319床)規模の病院へ新築移転を計画しています。徳洲会グループは“生命だけは平等だ”の理念の下、「いつでも、どこでも、誰でもが最善の医療を受けられる社会」の実現のため、日々努力しており、離島で高機能病院を建築することは理念に合致します。
移転後は心臓外科の設置、手術支援ロボット導入による遠隔手術、がん治療、腎移植など先端的な医療を目指します。奄美大島本島は羽田・成田・伊丹・関西・福岡空港への直行便があり、交通至便です。さらに夏は33℃以上の気温に、めったに上がらず、冬は温かく、通年で離島の自然を満喫できます。こうした魅力をアピールし、医療・介護・事務職を採用していきます。人材が多ければ、各離島の支援に多くの職種を派遣でき、島を離れずに治療を受けられる機会を、さらに増やせます。そして、患者さんの笑顔が私たち医療人の人生をより豊かなものにしてくれます。鹿児島徳洲会病院の保坂征司院長も同じ思いで離島医療と向き合っており、連携を強め提供できる医療を増やしていきたいと思います。
「縁尋機妙 多逢聖因」という言葉があります。良い縁が良い縁を尋ね、さらに展開していく様子は不思議なものであり、良い人と交わっていると良い結果に恵まれるという意味です。透析医不在の当院では、これまで松浦甲彰総長が透析患者さんを診てきましたが、そのような中、総合診療医の平島修副院長から「若手医師で透析を診ることができないか」と提案がありました。そこで湘南鎌倉総合病院の小林修三院長に相談したところ、平島副院長と面談していただけ、平島副院長は小林院長から多くのご教示を受け、大きな感銘を受けた様子でした。
さらに、同院腎移植・ロボット手術センターの田邉一成センター長からお電話をいただき、当院で腎移植相談外来を行いたいとの申し出もありました。透析医療を行ううえで腎移植は避けて通れない分野です。その後、同院腎臓病総合医療センターの日髙寿美センター長が来島され、病院間の電子カルテの連携を行い、月2回、同センターから医師を派遣できるシステムを構築していただきました。
腎移植相談外来もすでに開始され、腎移植を希望される患者さんは湘南鎌倉病院で手術を受けていただけます。将来的には、奄美でも腎移植が行える体制を整えていきたいとのことです。“生命だけは平等だ”の理念の下、培われた縁によって、多くの方々の協力を得ながら離島医療が成り立っていることを、あらためて実感しました。心から感謝しています。
私は「夢があるから現実を頑張れる。現実を頑張らなければ夢は語れない」。また「現実に基づいた夢を理想、そうでない夢を妄想」と考えています。妄想を抱いている病院の何と多いことか、嘆かわしい限りです。これといった花形医療のない当院では、東上震一理事長が掲げる「病床を使い切る病院」を目標としてきました。2023年5月のコロナ禍明けから全職員の協力の下、月平均での満床を32カ月間継続しています。「断らない医療」を、ただ淡々と実践してきました。当院の新築移転までの目標は「大規模病院への転換」、そして「管理型の臨床研修指定病院の取得」です。看護部は病院機能評価の認定取得が目標です。当院の単月医業収入は約4億5,000万円ですが、大規模病院へ転換するためには、さらに5,000万円の増収が必要です。また、同研修指定病院を取得するためには、年間3,000人の新入院が必要となります。現在は年間2,665人であり、短期目標としては十分に現実的な数字です。
私は地域医療連携室に机を置き、私を含め19人のスタッフがそれぞれの業務にあたっています。地域各機関との連携、受診・受療援助、福祉相談に加え、病床管理の調整・支援、退院調整・支援などです。6人のケアマネジャーは退院時の介護サービス調整にとどまらず、入院が必要な患者さんの掘り起こしも担い、新入院の確保に大きく貢献しています。皆が同じ方向を向き、それぞれの役割を果たしていく姿は、大変喜ばしいことです。奄美で一緒に楽しい夢を見ませんか。
皆で頑張りましょう。