徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2026年(令和8年)01月13日 火曜日 徳洲新聞 NO.1525 1面

静岡徳洲会病院&湘南厚木病院
アルツハイマー型認知症診療に貢献
アミロイドPET検査や抗アミロイドβ抗体薬を駆使

静岡徳洲会病院は地域の認知症診療体制の充実のため、アミロイドPET(陽電子放射断層撮影装)検査に取り組んでいる。同検査は、アルツハイマー型認知症の原因物質「アミロイドβ(Aβ)」の蓄積を画像化し、正確な診断と適切な治療につなげるものだ。一方、2007年以降、臨床研究や治験を通じて同検査の実用化や保険適用に、長年、貢献してきた湘南厚木病院(神奈川県)は、最新の認知症治療薬である抗Aβ抗体薬による治療も手がけ、新たな治療選択肢の提供に努めている。

「地域全体の診療水準向上に貢献したい」と相澤総長 「画像による客観的な診断が重要です」と畑下・特別顧問

アミロイドPET検査を行う徳洲会グループ施設は全国に12病院(表)。静岡病院が同検査を始めたのは25年春のこと。

同院の相澤信行総長は「当院は05年のPET-CT導入以来、核医学を柱のひとつとしてきた強みを生かし、アミロイドPET検査での陽性確認を前提とする抗Aβ抗体薬の治療ニーズに、検査施設として応えていくために導入しました」と説明する。

23年12月、24年11月にそれぞれ保険適用となった「レカネマブ(製品名:レケンビ)」、「ドナネマブ(同:ケサンラ)」という抗Aβ抗体薬の適応は、アルツハイマー病による軽度認知障害(MCI)と軽度認知症だ。投与の判定にはアミロイドPET、または脳脊髄液検査が必須となるが、より低侵襲なのが前者。アミロイドPETは現在、抗体薬による治療適否の判定を目的とした場合のみ保険適用となる。

抗体薬の投与には厳格な施設要件があるが、その要件を満たす施設でも検査装置を持たない場合がある。そのため相澤総長は「地域連携を通じ、他施設からの検査依頼を積極的に受け入れ、地域全体の診療水準向上と医療資源の有効活用に貢献したい」と抱負を語る。

診断・治療法確立に尽力 国際共同治験へ多数参加

アミロイドPET検査を行うPET-CT装置(写真は静岡病院)

湘南厚木病院では、脳神経外科の畑下鎮男・特別顧問を中心に、早くから客観的診断と治療法の確立に尽力してきた。

07年に臨床研究としてアミロイドPET検査を開始し、12年には診断薬(アミロイドマーカー)の院内製造と治験に着手。23年の保険適用に先駆け、15年からは自由診療として実施し、診断機会を提供してきた。

また、新薬開発にも積極的で、これまで8種類の抗アミロイド剤の国際共同治験に参加。畑下・特別顧問は「抗Aβ抗体薬治験により、脳内のAβを減少させ、認知機能や日常生活能力の低下を抑制する効果が認められました」と説明する。

同院は24年1月から25年10月にかけ、60人にレケンビによる治療を実施。18カ月の治療を終えた15人のうち、9割で認知機能の維持を確認。7割はAβが除去されていた。自覚症状でも「意欲の向上」や「会話の増加」などの改善が見られ、重篤な副作用も確認されていない。畑下・特別顧問が長年、この分野に注力するのは「画像による客観的な診断で原因を特定し、患者さん一人ひとりの意向に沿った最適な治療を提供したい」という信念からだ。同院は診断を目的とした自由診療での検査も受け入れるなど、幅広い診療体制を整えている。

PAGE TOP

PAGE TOP