徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2023年(令和5年)10月02日 月曜日 徳洲新聞 NO.1409 1面

野崎病院・山形病院・庄内余目病院
無痛MRI乳がん検診スタート
実施施設は徳洲会9病院へ拡大

野崎徳洲会病院(大阪府)、山形徳洲会病院、庄内余目病院(山形県)の3病院は新たに“無痛MRI乳がん検診(ドゥイブス・サーチ)”を開始した。これは、MRI(磁気共鳴画像診断)装置を用いた乳がんのスクリーニング(ふるい分け)検査で、マンモグラフィ(乳房X線検査)のように乳房を圧迫する必要がないため痛みをともなわず、検査着やTシャツを着たまま検査できるなど負担の少ない検査だ。8月時点で全国58施設が実施。徳洲会グループでは年々実施施設が増え、9病院にまで拡大した。

日本人に多いデンスブレストにも有効

「着衣のままうつぶせになるだけで検査可能です」と石堂副主任(右)

ドゥイブス・サーチは、高精度に病変を描出する拡散強調画像(DWI)というMRIの撮像法を改良したDWIBSと呼ばれる撮影法で行う。

被検者は、2つの穴が開いた乳房専用のコイル(画像描出に必要な信号の受信器)を置いたMRIのベッドにうつぶせになって検査を受ける。検査が始まると、足のほうからMRIのドーナツ型のガントリ内に進んでいく。検査時間は15~20分ほど。

この検査は、欧米に比べて日本人に多いとされるデンスブレスト(高濃度乳腺)の影響を受けにくいことも特徴だ。乳房は乳腺組織と脂肪組織で構成されており、乳腺組織が多いタイプをデンスブレストと呼ぶ。このタイプだと、マンモグラフィ検査では乳房全体が白っぽく写り、病変を探すのが難しいケースがある。そのような場合にはエコー(超音波)検査を併用するが、ドゥイブス・サーチではデンスブレストの影響をほとんど受けず、病変の描出が可能だ。

「乳がん検診を敬遠していた方にもおすすめできます」と古家技師長

ドゥイブス・サーチは、2004年にDWIBS法を考案した東海大学工学部医用生体工学科の高原太郎教授が代表を務めるドゥイブス・サーチ社による精密なMRIの調整(チューニング)や徹底した精度管理の下で実施。同検査を実施する医療機関は、撮影データを同社に送付。高原教授をはじめとする複数の医師が読影を行い、医療機関にフィードバックされるという流れだ。

ドゥイブス・サーチを含めマンモグラフィや乳腺エコーといった乳がんのスクリーニング検査によって、乳がんを疑う病変が見つかった場合、より詳しく調べるための細胞診や組織診(針生検)という検査を行う。これらは細胞や組織を採取し顕微鏡で確認する検査で、細胞診には、病変に細い針を刺し注射器で吸引した細胞を顕微鏡で観察する穿刺吸引細胞診などの方法がある。

一方、針生検は細胞診よりも太い針を病変に刺して組織を採取し顕微鏡で観察する。局所麻酔下で行う。

「口コミによる広がりを感じています」と市川技師長

5月にドゥイブス・サーチを開始した野崎病院。同院放射線科の古家賢治・技師長(診療放射線技師)は「乳がんは30代、40代と若い方にも発症するがんで、早期発見が何より大切です。痛みや放射線の被ばくもなく、シャツを着たままで羞恥心を感じることもなく検査を受けることができるのが、ドゥイブス・サーチのメリットです。これまで乳がん検診を敬遠していた方にも気軽に受けていただける検査として、おすすめできます」とアピールする。

同院では乳がんの検査に関しては従来から女性技師がマンモグラフィを担当するなど被検者さんに配慮してきた。ドゥイブス・サーチも女性技師が対応している。また、検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師が5人在籍するなどスタッフのスキルアップにも余念がない。火曜・木曜の午後に各1時間の検査枠を設け、1日2人までの検査を受け付けている。

「どの医療機関で受けても、高原先生のチームが読影し、専門家でなくてもひと目でわかりやすい画像付きのレポート(結果報告書)を作成していただけます。リピーターの増加を期待しています」(古家技師長)

スムーズな検査体制の確立のため、まず7月に職員向けにドゥイブス・サーチを開始した山形病院。山形県内では初の導入施設となった。8月からは一般の受診者さん向けにもスタート。同院も女性技師が検査業務を担当している。

放射線科の市川真也・技師長(同)は「実際に検査を受けていただいた方からは、『想像以上に楽に検査を受けることができた』といった感想が寄せられており、口コミによる広がりも感じます。職員からも好評です」と手応えを示す。

続けて「進行してから乳がんを発見し、悲しい思いをしてほしくはありません。30~40代の働き盛りの方々に、乳がんの早期発見に役立てていただけたらと考えています。ぜひ興味本位でもよいので、受けていただきたいです」と強調。水曜、木曜、金曜に各2枠の検査枠を設けて実施している。同院では健康友の会の会員や、これまでに同院の健診・人間ドックを受けたことのある女性向けにDM(ダイレクトメッセージ)を郵送して周知に努めている。

庄内余目病院も、まず職員向けに8月1日からスタートし、同15日から一般の受診者さんの受け付けを開始。山形病院に次ぎ県内2施設目の実施施設となった。同院も女性技師が対応。

同院放射線科の石堂久美子副主任(同)は「これまで『ドゥイブス・サーチは行っていますか』という電話の問い合わせが何件かありました。痛みがなく、肌を見られることもないため、今まで乳がん検査に抵抗があった方々からのニーズがあると考えています」と見とおす。

同検査の導入前から地域医療連携室が中心となり、女性が多く働く事業所などを訪問し、ピーアールに努めてきた。同院は月曜から金曜の午後に検査枠を設けている。受け付け開始後、すぐに申し込みがあり好評だ。

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