徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2026年(令和8年)09月28日 月曜日 徳洲新聞 NO.1562 4面

私の推し本

齋藤 崇 札幌もいわ徳洲会病院 医事課職員

『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』 米原万里・著(KADOKAWA刊、836円) 

20年以上前、母と一緒にテレビのトーク番組を見ていた時、出演していた著者の米原万里さんが語る本書のエピソードがとても面白く、母が知人から借りて私にも読ませてくれた一冊です。

東西冷戦下の1960年代、チェコスロバキア(当時)のプラハにある学校で少女時代を過ごした著者が、各国から集まった同級生のなかでも、とくに親しかった友人3人との日々を振り返るとともに、約30年後、散り散りになった同級生らを訪ね歩くノンフィクションです。世界情勢に翻弄された当時の暮らしや、学生時代にはわからなかった事柄を深堀りし真実を解き明かしていく展開に興奮や感動を覚えました。

人は必ずどこかの「国」に属し、何らかの「母語」をもつ――。当たり前なのに忘れかけてしまう事実に、あらためて気付かされます。「多様性」がうたわれる今、どう付き合い、どう面白さを見つけるかを考えるきっかけになる本です。

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