
直言
Chokugen

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直言 ~
東上 震一(ひがしうえしんいち)
医療法人徳洲会 理事長 一般社団法人徳洲会 理事長
2026年(令和8年)09月28日 月曜日 徳洲新聞 NO.1562
徳洲会が次なる成長ステージへ成長するためには、創設以来の旗印である“生命だけは平等だ”、「生命を安心して預けられる病院」の理念を、持続可能なシステムとして構造化する必要があります。具体的には、ベッド回転率と在院日数の最適化による病床のフル活用、介護施設を対象とした自院救急の充実による新入院獲得、健診センターの活性化による地域住民の方々の取り込み、治験・臨床研究を通じた新しい治療・創薬への貢献、そして学校法人徳洲会の規模拡大による人材育成という5つの柱を掲げ、徳洲会の未来像を提示します。
①ベッド回転率と在院日数の最適化:病院経営の基盤は、限られた経営資源である「病床」の最大活用にあります。急性期病院におけるベッド回転率の向上と平均在院日数の最適化は、急性期医療のニーズに迅速に応えるための必須条件です。ベッド回転率2.5、在院日数11~12をクリアすべき指標として徳洲会は設定しています。医師、看護師、薬剤師、医療ソーシャルワーカーなどが早期から連携し、入院初期から退院支援を見据えたプロセスを構築、標準化された治療スケジュールを再度見直し、無駄な滞留を防ぐことで、患者さんの早期回復とスムーズな在宅・施設への移行を促します。グループ病院との地域連携も強化、後方支援病院や訪問看護ステーションとの情報共有を密にし、ボトルネックの解消に努めることも欠かせません。病床を「使い切る」とは、最適な医療を適切な期間で提供し、常に本当に医療を必要とする急患を受け入れられる体制を維持することを意味しているのです。
②介護施設を対象とした自院救急の充実:高齢化社会の進展にともない、老健や有料老人ホーム、グループホームといった介護施設からの救急搬送ニーズは年々高まっています。これらを自院の救急ネットワークに組み込むことは、地域包括ケアシステムを有効に機能させることにつながり、介護施設特有の現場の不安を軽減することにもなります。グループ内の介護施設はもとより、周辺の施設との間にもホットラインを整備します。これは救急初期対応の迅速化を意味し、病態の重篤化を防ぐことになります。
③健診センターの活性化:「治療する医療」から「予防する医療」へのシフトが叫ばれる中、健診センターの役割はますます重要性を増しています。予防医療の充実は、健康寿命の延伸に寄与するだけではありません。未病への取り組みこそ、地域の方々と病院をつなぐ強い導線になります。最新鋭の検査機器と独自の徳洲会デジタルシステムにより、受診環境を刷新します。「見つけて終わり」にしない健診。異常が見つかった際、スムーズに院内の専門外来へつなぐシステムを構築し、早期発見・早期治療の網の目を密にします。地域の企業や自治体とタイアップした生活習慣病予防プログラムを、ぜひ各病院で展開してください。働く世代の健康を守るパートナーとして、徳洲会ブランドを確立できるはずです。健診センターを地域の健康ステーションとして機能させましょう。
④治験・臨床研究への注力:徳洲会グループが有する1,700万人に及ぶ臨床ビッグデータは、治験や臨床研究において世界トップクラスのポテンシャルを秘めています。これを活用し新しい治療や創薬に挑戦します。これには治験実施体制を強化し、製薬企業からの受託治験をスムーズに遂行できる環境を整えなければなりません。臨床研究を奨励し、新しい治療法の確立やアンメット・メディカル・ニーズへの挑戦をバックアップする方針です。
⑤学校法人徳洲会の規模拡大:学校法人の規模拡大と教育力の強化は、“生命だけは平等だ”の精神を次世代に継承する重要な手段です。徳洲会独自の奨学金制度を活用し、未来を担う人材を養成していきます。
「ベッド回転率と在院日数の最適化」、「介護施設を対象とした自院救急の充実」、「健診センターの活性化」、「治験・臨床研究への注力」、「学校法人徳洲会の規模拡大」は、それぞれが独立した施策ではありません。全プロセスが有機的に連携し、そこで生まれるKnow-howが再び現場に還元されるこの循環こそが、徳洲会を新たなステージへと押し上げる鍵です。現状に甘んじることなく、常に変化・進化を求め挑戦を続けることで、徳洲会の未来は輝かしいものになると確信しています。皆で頑張りましょう。