徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2026年(令和8年)09月28日 月曜日 徳洲新聞 NO.1562 4面

看護のチカラ
現場の“心”に寄り添った感染管理
多職種連携で守る患者さんと職員
Vol.7

葉山ハートセンター(神奈川県)の前田久美子・看護主任(感染管理認定看護師)は、感染対策向上加算1の算定を機に、6月から専従として院内の感染対策に尽力している。現場看護師としての経験を生かしながら、多職種と連携を図り、職員と患者さんの双方を守る体制づくりに邁進する日々だ。

前田久美子 葉山ハートセンター(神奈川県) 看護主任(感染管理認定看護師) ICTラウンドでは良い取り組みを評価するよう心がける 感染対策をテーマに医療講演で講師を務める前田・看護主任

2018年、前田・看護主任は当時の看護部長の勧めや子どもの進学といったタイミングが重なり、感染管理認定看護師教育課程に通い始めた。もとより熱傷センター勤務の経験から創傷や感染への関心が高く、学びを深める絶好の機会と捉えた。18年冬に同校を卒業後、20年5月の認定試験に見事合格した。

試験直前の20年2月、同院はダイヤモンド・プリンセス号での新型コロナウイルス対応にあたることになる。感染防止対策委員会の副委員長を担っていた前田・看護主任は、ICT(感染制御チーム)の看護師として現場に立ち、グループ内外の支援を受けながら対応に奔走。試練の時期を乗り越え、病棟勤務との兼務での活動を経て、今年6月には感染対策向上加算1の専従看護師となった。

専従化にともない、抗菌薬適正使用支援チーム(AST)の活動など多職種との調整業務が増加。薬剤科、検査科、医師を巻き込む調整は大変だが、小規模病院だからこそ顔の見える関係性を強みに、風通しの良い環境を生かした多職種連携を模索し続けている。前田・看護主任は「ICTラウンドで『チェックマンが来た』と言われることもありますが、良い取り組みを評価し、データで伝えるよう意識しています」と強調する。

兼務時代に現場の多忙さ、病棟看護師の不足といった課題を、身をもって知っているからこそ、一方的な指導ではなく職員の意見に耳を傾ける姿勢を大切にしている。また、コロナ禍を経て面会制限の解除を進める際にも、職員の感染予防意識を配慮しながら丁寧に説明を重ねた。

病棟巡回時には、患者さんや家族とも会話を交わし、感染対策や防護具着用についての不安を和らげるコミュニケーションにも心を配っているが、患者さんと職員の安全を守る環境づくりの推進が、現在のやりがいだ。

今後は自身の活動を通じて認定看護師の存在感を高め、次代を担う後進の育成にも意欲を見せる。すでに感染管理を目指す看護師のサポートにも着手しており、前田・看護主任は「職員の声を拾い上げながら、一緒にできる対策を考えていきたいです」と意欲的だ。

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