
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
2026年(令和8年)09月28日 月曜日 徳洲新聞 NO.1562 4面
“ときどき入院、ほぼ在宅”というスローガンの下、国が推進しているのが、高齢者の方々が要介護となっても住み慣れた地域で自分らしい生活を最期まで続けられるよう支援する「地域包括ケアシステム」です。その一角を担う居宅介護支援事業所には、在宅生活を支える各種サービスを調整し、ケアプランを作成する重要な役割があります。山形徳洲会病院に併設する同事業所、山形徳洲会介護センターの小松慶多センター長(主任介護支援専門員、介護福祉士)が解説します。
小松慶多・山形徳洲会介護センター長(主任介護支援専門員)
病院併設の居宅介護支援事業所では、主に外来通院する高齢者さんや、退院を迎えた高齢者さんのうち、介護が必要となった方々に対して、在宅生活を続けられるようサポートします。
たとえば外来通院のケースでは、加齢による体力低下や歩行の不安定、お薬の適切な服用が困難な場合などに、できる限りその時点の生活スタイルを継続していけるよう、通所リハビリテーションや訪問看護などの提供事業者を紹介します。退院時のケースでは、ご自宅の環境に応じ介護用ベッドや手すりの設置など提案します。自宅での入浴が困難な場合は訪問介護や通所リハビリを検討します。それぞれのケースで要介護認定の申請(新規・更新)代行も行います。
ケアプランの作成に向けて患者さんの主治医(松田憲一朗・山形徳洲会病院脳神経外科部長[右])から意見を聞く小松センター長(中央)
これらの介護保険サービスや、場合により介護保険以外のサービスも提供するために、居宅介護支援事業所に在籍する介護支援専門員(ケアマネジャー)が作成するのがケアプラン(居宅サービス計画書)です。
ケアプラン作成のため、ケアマネジャーは、ご本人やご家族との面談を通じて、解決すべき課題を分析するアセスメント(評価)を行います。アセスメントの結果やご本人・ご家族の意向を考慮し、必要なサービスを組み合わせたケアプランを作成します。ケアマネジャーがサービス事業者を集め、サービス担当者会議を開催後、サービスの提供を開始します。ケアマネジャーは定期的(1カ月に1回)に居宅を訪問してモニタリングを行い、ケアプランの実施状況を把握、必要に応じてケアプランを変更します。
山形徳洲会介護センターは利用者さんとご家族の希望を重視するとともに、アセスメントを的確に行い、安心して在宅生活を送れるよう、適切なサービスが多様な事業者から提供されるよう配慮しています。
時にはご本人・ご家族の間で意向が異なる場合もあります。たとえば、退院時に歩行に不安があり認知機能の低下も見られたケースでは、ご本人は自宅に戻ることを希望し、ご家族は在宅生活に不安を感じていました。そこで訪問介護、通所介護を利用しつつレスパイト(介護者の休息)でショートステイを時々利用するプランを作成。ご家族の不安を軽減しながら、ご本人の希望どおり在宅生活を送ることができました。
在宅生活の継続には、介護保険サービスだけでなく医療との連携など総合的な支援が必要で、きめ細かい対応が求められます。そのため当事業所はICT(情報通信技術)化を推進し業務効率化に取り組んでいます。
支援経過記録の音声入力や会議記録のAI(人工知能)要約、各種書類のクラウド管理、職員間の連絡ツール、職員相互のスケジュール・業務進捗の共有化などです。ご家族の都合に合わせサービス担当者会議のオンライン開催にも対応しています。
病院内に併設する訪問リハビリや通所リハビリへの紹介、在宅で生活している方が体調を崩された場合の受診や入院を含めての相談など、多職種連携も図っており、居宅介護支援事業所の果たす役割は非常に大きく、院内の収益にも貢献を果たしています。今後もケアマネジャー業務の質向上に努め、“選ばれる事業所”を目指します。