
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
2026年(令和8年)01月19日 月曜日 徳洲新聞 NO.1526 4面
NPO法人TMAT(徳洲会医療救援隊)は12月21日、第4回フィールドホスピタル(FH)展開訓練を実施した。WHO(世界保健機関)のEMT(緊急医療支援チーム)認証を取得するプロセスの一環で、TMATが申請しているカテゴリー「Type1 Mobile」(1日50人程度の患者さんを診療できる移動型の診療チーム)を想定して実施。11月末にWHO関係者を招いて行った模擬審査にあたるPre-Verification Visitでの指摘事項をふまえ、隊員が円滑にFHを運用できるかを確認し、改善を図ることが目的だ。
産科緊急対応エリアでは出産直前の受診者を想定し手順を確認
急変による心肺停止を想定した蘇生措置のシミュレーション
受付や診察、レントゲンなど各エリアからなるフィールドホスピタル
EMT認証は、国際的な災害医療支援活動を行うチームをWHOが統括し、質を担保するために設けた制度。EMT認証を取得するには、業務標準手順書(SOP)の整備や定期的な訓練の実施、技術基準・最低基準などの要件を満たし、審査に合格しなければならない。
当初は四街道徳洲会病院(千葉県)の敷地を会場とする予定だったが、天候不良のため近隣の植草学園大学の体育館で実施。主に徳洲会グループの多職種からなる37人の隊員が参加した。
訓練開始にあたって、TMAT事務局長の野口幸洋・一般社団法人徳洲会医療経営戦略室課長は「FH各エリアでの活動の手順書を、誰が見ても理解でき運用可能な内容に、ディスカッションしながらブラッシュアップすることが今回の訓練の大きな目的です」と呼びかけた。
訓練のもうひとつの重点項目は、Pre-Verification Visitで指摘を受けた設備面の確認を行うこと。Type1 Mobileでも急な分娩に対応する必要があるとの指摘をふまえ、FH内に産科対応用のスペースを設け、レイアウトや動線、患者対応の確認などを行った。
開始後、まずTMATが所有する資機材でFHを設営した。隊員たちが協力しながら、エアーテントやドラッシュテント(フレーム一体型の大型シェルターテント)、タープテントを、上から見た時に十字架状になるように配置して連結(写真)。受付・待合、診察・薬局、療養・処置、レントゲン(ポータブルX線撮影装置)、産科緊急対応、多目的・倉庫、感染の各エリアに分かれている。
続いて、医療者役、患者役、評価者に分かれてシミュレーションを実施。感染症疑い、創傷、出産直前の妊婦、急変、骨折疑いなどを想定した患者対応を通じ、受付、診療、処置、処方、カルテ記載まで一通りの動きを確認した。
訓練の各場面で「感染疑いの患者さんが来た場合には、直接、感染エリアへ誘導する」など運用面の確認を行ったほか、妊婦さんへの対応時には「現有の設備・装置で対応できるか、他に必要であれば何が足りないかなどを考えながら取り組み、振り返りの際に積極的にフィードバックしてください」と、より良いFH構築に向けた声かけもあり、活発にディスカッションを行いながら訓練を進めた。
全体総括として東京西徳洲会病院の髙力俊策・外科主任部長兼院長補佐(TMAT理事)は「訓練を通じて気付いたことを必ずアウトプットしてください。そうすることで、より良い訓練につながり、実際の災害現場で有効な仕組みをつくることにつながります」と呼びかけた。
参加した八尾徳洲会総合病院(大阪府)の當麻俊彦・整形外科部長は「本審査に向け、シミュレーションで明らかになった改善点にしっかりと取り組んでいきたい」、札幌東徳洲会病院の合田祥悟・集中治療センター副センター長は「少しずつ良くなっている手応えがあります。より効率化し被災地に入ったらすぐに診療を開始できるように改善していきたい」と意欲的だ。