徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2023年(令和5年)02月20日 月曜日 徳洲新聞 NO.1377 4面

日比野・湘南藤沢病院部長
海外医学ジャーナルに論文

mRNAワクチンでirAE増加せず

「ワクチンの安全性を支持するエビデンスのひとつを示せたと思います」と日比野部長

湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)呼吸器内科の日比野真部長は、呼吸器領域の世界的な医学ジャーナルである『Journal of Thoracic Oncology』に論文(英語)を執筆、掲載された。

免疫チェックポイント阻害薬(ICI)使用中の肺がん患者さんに対する新型コロナウイルスワクチン(mRNAワクチン)の安全性などに関して、同院を含む徳洲会グループ内外9施設による多施設共同観察研究の成果を発表した。

ICIは劇的な抗腫瘍効果が得られることがある一方、免疫関連有害事象(irAE)が問題となるケースがある。「mRNAワクチンは接種後、発熱など免疫反応が生じることがあります。がん患者さんは新型コロナの重症化リスクが高いためワクチン接種を推奨していますが、ICI治療中の肺がん患者さんが接種した場合の、irAEの発症・増悪リスクなど安全性に関するデータはこれまでほとんどありませんでした」(日比野部長)。

ワクチン接種を受けたICI治療中の肺がん患者さん計126人のirAE発症率を調査。過去の論文などをもとに、ワクチン非接種者のirAE発症率を35%と推定し比較したところ、統計学的に有意差はなかった。日比野部長は「ワクチン接種でirAEの新規発症は増えず、既存のirAEが増悪した症例もありませんでした。ICI治療中のmRNAワクチンの安全性が示されました」とまとめた。

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