徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2023年(令和5年)02月20日 月曜日 徳洲新聞 NO.1377 4面

徳洲会グループ
「医師の働き方改革」推進
特定行為オーダリングシステム試験導入

徳洲会グループは「医師の働き方改革」でのタスクシフト/シェア推進の一環として、「特定行為オーダリングシステム」を開発した。これは特定看護師が特定行為を実施するにあたり、医師による指示出しや特定看護師による指示受け、実施した特定行為の記録と指示をした医師による評価などを電子カルテ上で行うシステム。2月から札幌徳洲会病院、湘南鎌倉総合病院(神奈川県)、八尾徳洲会総合病院(大阪府)、南部徳洲会病院(沖縄県)で試験運用し、4月から全国の徳洲会病院で本格運用する計画だ。

「病院によってタスクシフト/シェアに認識の差がある」と落合顧問

2024年4月から始まる「医師の働き方改革」に対し、徳洲会グループは21年7月に「医師の働き方改革WT(ワーキングチーム)」を設置。医師の時間外労働に関する実態調査を行い、その結果をもとに「医療機関の医師の労働時間短縮の取組の評価に関するガイドライン」に沿った作業計画を病院ごとに実行している。

さらに、グループとしての取り組みを強化するため、22年10月に湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)の亀井徹正総長をリーダーとする「医師の労働時間規制分科会」、落合亮一・医療法人徳洲会顧問をリーダーとする「タスクシフト/シェア分科会」を設置、プロジェクトが新たな体制の下、動き出した。

4病院での試験導入に向けオンライン説明会を開催

このうちタスクシフト/シェアでは、13業種72業務が法改正を経て拡大されたため(表)、各病院では院内事情に対応した各職種の業務拡大に取り組んでいる。これらの業務は、基本的に医師の具体的指示が必要だが、特定看護師による特定行為は例外的に包括的指示が可能だ。

特定行為の包括的指示に関しては、指示出しや指示受け、評価などを電子カルテ上に記録することが必要。このための「特定行為オーダリングシステム」を、タスクシフト/シェア分科会と徳洲会インフォメーションシステム(TIS)が中心になり開発した。まずは最も資格取得者の多い特定行為から上位3行為(侵襲的陽圧換気の設定の変更、直接動脈穿刺法による採血、脱水症状に対する輸液による補正)を抽出のうえ、特定看護師の多い上位4病院で2月から試験運用を行う。

同システムに関する説明会を1月23日にオンラインで実施。会の冒頭、落合顧問は「特定看護師による特定行為は医師の包括的指示に従って行うものですが、これまで電子カルテ上で指示が出せず、記録もできないことが問題でした。試験運用後に全国展開すると同時に、同様のシステムを、職種を拡大して運用していきたいと思います」と展望。さらに「ゆくゆくはグループ全体のタスクシフト/シェアの取り組みを集約し、データを分析していきたいと考えています」と意図を示した。

次に、開発メーカーが操作方法を紹介。実際の電子カルテ画面を見ながら、「担当医師による包括的指示と手順書の提示」、「特定看護師による指示内容の確認と特定行為の実施」、「特定行為の記録・評価」など一連の流れに沿って説明(図1)。続いて「各特定行為の手順書」の内容を例示。最後に質疑応答を行い閉会した。

導入後、2月下旬に落合顧問が4病院を訪れ状況を確認、3月中に試験運用の結果を集約し、同システムを改善していく。

医師による“包括的指示”で 医行為ができる特定看護師

落合顧問は「病院によって、タスクシフト/シェアに関して認識の差がある」と指摘したうえで、「まずは特定看護師について理解することが、医行為の理解につながります」と強調。

医行為には絶対的医行為、一般的医行為がある。絶対的医行為は医学的判断が必要とされ、医師のみが行えるもの、一般的医行為は医学的判断が不要で、医師の具体的指示の下で行えるもの、そして特定行為は、絶対的医行為のなかで、医師による包括的指示の下、手順書に基づいて行える医行為を言う(図2)。

包括的指示とは、ある特定の状況・病態で、事前に取り決めたプロトコール(手順書)を用いて、資格のある看護師(特定看護師)に出す指示を言い、具体的指示とは、医学的判断を必要とせず、医師の言われたとおりに行う医行為のための指示で、すべての職種に適用される。

たとえば、包括的指示は「脱水の兆候があれば輸液で補正してください」、「人工呼吸器の離脱を進めてください」など、具体的指示は「生理食塩水200mlを15分で点滴してください」、「6時間ごとに血圧と体温を測定してください」などを言う。

落合顧問は「特定看護師に対し、具体的指示しか出していない病院もあり、特定看護師の能力を有効活用しきれていない状況にあります。タスクシフト/シェアをより推進するためには、特定看護師を含めた各職種の業務拡大の範囲を、病院側が認識する必要があります」と強調したうえで、「新規の教育体制、資格の院内認定については、早急に整備しなくてはなりません」と課題を示す。

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