徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2022年(令和4年)08月22日 月曜日 徳洲新聞 NO.1352 4面

徳洲会グループ
新型コロナ第7波に対応懸命
お盆明けで過去最多の新規陽性者

緊急リポート第2弾
全国の新型コロナ新規陽性者が19日、過去最多の26万1029人と爆発的な増加となった。各地で病床使用率が上昇し、医療現場への負荷が増大している。徳洲会病院でも、家庭内感染や保育所の臨時休業などで職員が自宅待機を余儀なくされたり、近隣の医療施設が救急受け入れを制限したりと、厳しい状況が続く。徳洲会病院のコロナ対応を緊急リポートする。

救急の受け入れ件数も激増(南部徳洲会病院)

沖縄県は依然として新規感染者数が高止まりしている。とくに本島は深刻な状況だ。南部徳洲会病院は、7月中旬にコロナ病床を19床から27床に増床したが、感染拡大の勢いが収まらず、現在、48床にまで増床。救急受け入れも7月は823件と過去最多を更新、一般病床も逼迫している状況だ。「救急、一般診療も制限していませんが、家庭内感染などで出勤できない看護師が30人前後いて、ぎりぎりの状態です」と大城光子・看護部長。

県内では、コロナ病床使用率の上昇にともない、介護施設の高齢者が感染しても入院できないケースが散見。訪問診療や訪問看護などを組み合わせ「酸素療法までは施設療養することも珍しくない」(大城・看護部長)。同院の関連施設として隣接する有料老人ホーム徳洲苑かふうでも施設で陽性者を診ている状況だ。

中部徳洲会病院もコロナ病床を25床から39床に増床。他院と同様、看護師の欠勤も相次いでおり、「スタッフの使命感で、どうにか乗りきっています」と照屋いずみ看護部長は吐露する。

九州でも同様の傾向がうかがえる。鹿児島徳洲会病院は8月9日にコロナ病床を12床から16床に増床。満床状態が続いており、認知症の陽性患者さんや夜間帯の入院も多く受け入れている。救急対応も通常の1.5倍に増加している。「当院も出勤できないスタッフが複数いますが、新病院では感染病棟を設置しているので容易に隔離できること、また4月に診療看護師が1人入職し、医師をカバーすることで何とか対応できています」(片田淑子・看護部長)。

鹿児島県の屋久島では7月末から感染者が増加。屋久島徳洲会病院は島唯一の病院で断ることができないため、それまで最大11床だったコロナ病床を46床にまで拡大した。8月上旬には看護師の約3割が欠勤する緊急事態も起こったが、救急を止めず対応した。泊春代・看護部長は「夜勤の体制を維持するのに帰宅できない職員や帰宅しても呼び出される職員もいます。先が見えないため、思わず涙を流すスタッフもいました」と明かし、「サポートを受けた福岡徳洲会病院、鹿児島徳洲会病院、山川病院に感謝しています」。

徳之島でも8月に入り感染が拡大。徳之島徳洲会病院はコロナ病床20床だが、他の病棟まで拡大し最大56人を受け入れた。大倉さとみ看護部長は「高止まりの状態が続いていますが、島唯一の病院のため断るわけにはいきません」と力を込める。

福岡徳洲会病院も24床のコロナ病床が満床状態。有熱外来や救急では他県からの患者さんにも対応している。「お盆やコロナで他院が休診しているため、当院が対応せざるを得ない状況です。皆で頑張るしかありません」(瀬上希代子・看護部長)。

関西の岸和田徳洲会病院(大阪府)はコロナ重症患者さんの受け入れ体制を整備しているが、コロナでECMO(体外式膜型人工肺)導入が必要なほど重症化する例はなく、救急搬送された重篤な基礎疾患をもつ患者さんが、コロナ陽性と判明し入院する例が多い。発熱外来は8月以降も患者数が多く、陽性率も高い状況が続く。

深野明美・看護部長は「お盆で近隣の医療機関が発熱外来を休止している時期に当院への受診が集中しました。発熱外来はつねに混雑している状況が続いています。お盆期間に帰省した方が発熱外来を受診する例もありますが、そのまま移動している可能性もあると思います」と警鐘を鳴らす。

コロナ病棟の満床以上に 患者さんの入院受け入れ

患者さんに全力で対応(屋久島病院)

名古屋徳洲会総合病院はコロナ病棟(5床)の満床が続いていたため、8月に入り8床に増やした。2つの病棟で同時にクラスター(感染者集団)が発生したが、患者さんをコロナ病床に移す余裕がなかったため、病棟内でゾーニング(区分け)し対応、クラスターが広がることなく終息した。発熱外来は2日以上高熱が続く場合など制限を設け対応しているが、依然として通常の3倍以上の患者さんが訪れている状況だ。

乕田美幸・看護部長と感染対策に従事する横関昇一郎・看護師長は「コロナ病棟の勤務は各病棟からもち回りで対応しています。そこで学んだことを病棟にもち帰り、スタッフと共有することで、感染拡大防止に努めています」と口をそろえる。

湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)は全419床のうち、ほぼ1割に当たる42床を新型コロナ病棟として運用、15日時点で48人が入院している。コロナ病棟に入りきらない患者さんは、一般病棟の個室に入院。感染対策しながらケアを行っている。県全体のコロナ病床利用率が約80%と逼迫した状況のなか、同院は“患者さんを断らない”という徳洲会の理念の実践を懸命に貫く。

医療安全管理室の鈴木理絵・感染管理看護師長(感染管理認定看護師)は「入院に加えて発熱外来の受診も大変多いため、発熱外来棟(プレハブ)の待ち合いの密を避けるため、従来の受け付け方法を変更するなど工夫しています。同棟を人数制限し、熱中症の心配もあるため屋外の屋根付きのスペースに受け付けと待機場所を増設しました」と説明する。職員に感染や濃厚接触が生じた場合、診療に大きな影響が出ないよう部署間で応援を出すなど助け合いながら乗りきっている。

千葉西総合病院は依然としてプレハブのコロナ専用病棟(30床)だけでは間に合わず、院内の疑似症用の病床(31床)の一部をゾーニングして使い、陽性者の入院を受け入れている。陽性者が増え続けたら、疑似症用の病床を別途用意し、現在の31床をすべて陽性者用に転換することも視野に入れていたが、これまでのところ一般病棟には影響がないように調整している。

小林裕子・看護部長は「第7波のコロナウイルスは感染力が強く、予防していても感染する例が多発しています。病棟内でも1人患者さんが陽性になったら、近くの患者さんも感染している可能性が高いので、同室の患者さんの観察を行い、適宜検査するようにしています。気が抜けません」と備えを怠らない。

発熱外来に患者さん急増 試薬が足りず一時休止も

新型コロナ専用42床を超える患者さんが入院(湘南藤沢病院)

羽生総合病院(埼玉県)は、7月19日時点でプレハブのコロナ専用病棟(80床)の入院患者さんは14人だったが、8月16日時点では44人まで増加。この間、コロナ陽性患者さんへの整形外科手術や帝王切開による出産も実施した。関連施設である2つのクリニックからは、コロナ感染した透析患者さんを受け入れている。

また、PCR検査試薬の確保が困難となる状況が続き、8月1日にホームページ上に「発熱外来の休止」を通知した。青木三栄子・看護部長は「PCR検査は院内の感染管理にも必要ですので、苦渋の決断でした。職員の感染や濃厚接触の報告も毎日のようにあり、対応に追われています」と気を引き締める。

札幌徳洲会病院は職員の感染もありマンパワー不足が深刻化するなか、短期間の入院制限を行いながらも救急や外来などは通常診療を維持。桜井政純・看護師長(救急看護認定看護師)は「地域の医療機関の病床も逼迫しており、満床を超えてもコロナ患者さんの転院は困難です。そのため院内で発生した陽性例は、自院で対応せざるを得ない状況です」と苦境を訴える。

16日時点で23人の陽性患者さんが入院。以前から運用しているコロナ病棟(8床)以外に2カ所の病棟で、ゾーニングを行い感染対策に取り組みながら患者さんのケアに尽力している。このほか疑似症用の病室を複数確保。

「陰性が確認でき自宅療養可能な患者さんには、その時点で退院していただくなどしながら、この状況を何とか乗りきりたい」(桜井・看護師長)

仙台徳洲会病院でもコロナ病棟の病床数(24床)を超える28人の陽性者が入院(16日時点)。山内好美・副看護部長は「発熱や息苦しさ、咽頭痛を主訴とする患者さんや、低酸素状態となった高齢者施設の入所者さんなど、新型コロナ疑いの夜間救急・入院が顕著に増えています。ひと晩に6~7人入院することもあり、陽性判定となる方々が多いです。若年の軽症患者さんには数日でホテル療養に移行していただくなど退院調整を行い、次の患者さんを受けられるようベッドコントロールに腐心しています」と吐露する。

第7波当初からの変化として、ネーザルハイフロー(高流量の酸素投与)や人工呼吸器による管理を必要とする中等症以上の増加を指摘。今後も慎重なケアを継続する方針だ。

PAGE TOP

PAGE TOP