徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2022年(令和4年)03月07日 月曜日 徳洲新聞 NO.1328 4面

新型コロナ
徳洲会グループの介護施設
関連病院と協力し対応懸命

緊急リポート第4弾
強い感染力をもつオミクロン株により、新型コロナウイルス第6波は医療だけでなく介護の現場にも今まで以上に大きな影響を及ぼしている。高齢者がともに生活を送る施設では、病院などに比べ医療や人的資源が少なく、入所(居)者さんや職員が感染、あるいは濃厚接触者となると、混乱を来しやすい。徳洲会グループの介護施設でも施設内感染が発生するなど、厳しい状況にあるが、各施設は関連のグループ病院や地域の医療機関と連携し、懸命に対応している。

ゾーニングの訓練を行う様子(老健かまくら) 神奈川県の臨時医療施設内で歯磨き介助を行う介護職員(左)

徳洲会グループは現在、全国に79の介護施設を展開している。内訳は介護老人保健施設(老健)38、特別養護老人ホーム(特養)13(うち地域密着型特養2)、介護療養型医療施設2、介護医療院1、介護付有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護)5、グループホーム15、小規模多機能型居宅介護1、短期入所生活介護事業所4。これら以外に、介護施設には指定されていない高齢者向け住まいとして、サービス付き高齢者向け住宅と住宅型有料老人ホームを2施設ずつ運営している。

昨年7月に徳洲会グループの介護施設で初めて新型コロナ対策のシミュレーション訓練を実施した老健かまくら(神奈川県)で、感染対策を担当する櫻井万寿子・看護主任は「施設内で陽性者が出た時、ゾーニング(区域分け)などシミュレーション訓練の成果が生きました。ただ現実にはシミュレーションと異なることもあるため、マニュアルの見直しなど対応力を高めていきたい」と力を込める。

職員には1都3県の高齢者施設・介護サービス従事者を対象に日本財団が行う無料PCR検査で週1回の検査を行い、感染の早期発見に努めている(対象地域の他施設も同様)。陽性者が出た場合にはゾーニングを行い、隔離エリア(レッドゾーン)内ではPPE(個人防護具)を着用、陰性確認まで全エリアでN95マスクを着用する。

呼吸状態が顕著に悪い患者さんなどリスクが高い場合は、関連病院の湘南鎌倉総合病院が運営管理するコロナ専用臨時医療施設に入院。また訪問診療で抗体カクテル療法や内服薬の処方を行うなど連携して対応している。

同臨時医療施設に対しては、徳洲会グループの介護施設がスピーディーに支援を展開。同院から要請があった2日後にはローテーションで介護職員が応援に入り、PPEの着脱方法など感染対策を学んだうえで、レッドゾーンで清拭や食事介助など患者さんの生活支援を実施。2021年に開始し第6波でも県下の特養逗子杜の郷、特養かまくら愛の郷、老健リハビリケア湘南かまくら、老健ゆめが丘の4施設が支援を実施している。

特養かまくら愛の郷、老健リハビリケア湘南かまくら、特養逗子杜の郷の3施設の事務長を兼任する櫻井健一事務長は「支援に入った介護職員は応援業務を通じて感染対策のスキルを身に付け、施設に戻ってからも、その経験を生かして感染対策に大きく貢献しています」と強調する。

防護服を着て入所者さんに対応するスタッフ(特養小坂の郷)

感染した職員が隔離解除基準を満たして職場復帰する際には、同院で抗原定量検査を行うなど、施設と病院は相補的な関係にある。

特別養護老人ホームかつらはらの内山トミ子施設長は「以前、施設内で陽性者が出た時には、関連病院の湘南藤沢徳洲会病院から医師や感染管理認定看護師が来られ、職員・利用者さんを含めた濃厚接触者に対するPCR検査を行っていただきました。入院治療を要するケースでは入院も引き受けていただいているため、とても心強いです」と関連病院との緊密な連携をアピールする。

培った関係性が生きる

ゴーグルなど関連病院からの物品供給で入居者さんと職員を守る(グループホームあんしん)

特養小坂の郷(静岡県)は、2月上旬から断続的に職員と入所者さんが感染。事態が収束した3月4日までに入所者さん11人、職員9人が陽性となった。鈴木千春・看護介護部長は「ひとり感染者が出ると毎回50人規模でPCR検査を行うなど混乱を来しました」と振り返る。

同施設をバックアップしたのが関連病院の静岡徳洲会病院だ。陽性の入所者さん全員を受け入れたり、防護服や手袋など感染を防止するための物品を供給したりした。同院の山之上弘樹院長が嘱託医として、ふだんから入所者さんの健康管理や療養上の指導を行っていることもあり、連携はスムーズだったという。

「各入所者さんの基礎疾患も把握されているので、本当に心強かったです」(鈴木・看護介護部長)。同院や同じ県内の榛原総合病院に在籍する感染管理認定看護師からゾーニングや防護服の着脱法などアドバイスを仰いだ。

グループのスケールメリットも奏功した。徳洲会グループ介護部会のネットワークを生かし、日頃からコロナに関する情報を共有。県外の状況や他施設の取り組みなど参考にしたという。鈴木・看護介護部長は「当施設単体では乗りきれなかったかもしれません。徳洲会のネットワークのすごさを実感しました」。

特養久宝寺愛の郷(大阪府)では、2月11日に最初のコロナ陽性者を確認、利用者さん9人、職員2人のクラスター(感染者集団)が発生した。

同施設は陽性者が発生して、すぐに関連病院の八尾徳洲会総合病院に連絡したが、地域の中等症の入院を優先し病床が逼迫していたため、搬送ができなかった。しかし、同院はすぐに検査の受け入れ、物資の提供などによりサポート。3連休明けの14、15日には医師と薬剤師、看護師が同施設を訪れ、抗体カクテル療法の適応を判断し6人に実施した。

木口良章施設長は「初めての経験だったので、対策マニュアルで決めていた感染対策が、オミクロン株に対しても正しいのか不安がありましたが、感染管理認定看護師に施設まで確認に来ていただけたのは心強かったです。また、病院側の判断で医師の訪問など対応していただけたのも助かりました」と謝意を示す。「すぐに検査できたことで、感染経路が判明し、必要な対策を講じることができました。これからも関連病院との情報共有、連携強化を進めていきます」と抱負を語る。

迅速対応で影響最小限に

中部徳洲会病院の医師や看護師と終息に向けミーティング(老健おきなわ徳洲苑)

グループホームあんしん(福岡県)は1月下旬、入居者さん2人、職員2人が感染。その後、さらに入居者さん4人、職員1人が感染した。この間、濃厚接触者を含め職員の欠勤が相次ぎ、ケア体制は、ほぼ半減。入浴を清拭とドライシャンプーに変更したり、感染予防の観点からもレクリエーションを中止したりするなど業務の調整を余儀なくされた。

食事も、職員と入居者さんが一緒に調理したり、食べたりするスタイルをやめ、さらに昼食は外部業者のサービスを利用した。「入居者さんの楽しみを制限することとなり、本当に心苦しい思いでした。食事も残食が増えました」(久保タケ子施設長)。

同施設は2月19日に通常運営を再開。影響を最小限にとどめたのは、関連病院の二日市徳洲会病院をはじめ福岡徳洲会病院、地域のグループ外病院との連携だった。久保施設長は「最初に(感染者が)わかった時、夜間にもかかわらず二日市病院のスタッフが5人も駆け付けてくださいました。物品の供給、検査の実施など随時サポートしていただきました。福岡病院にも検査対応やアドバイスをいただくなど、グループホームでできることが限られるなか本当に助かりました」と感謝している。

老健おきなわ徳洲苑(沖縄県)は、利用者さんには入所前の検査、職員には体調の異常があれば昼夜問わず部署長への連絡を徹底。関連病院の中部徳洲会病院の感染管理認定看護師とは、いつでも連絡を取れる体制を築いている。

同施設では昨年12月27日、最初のコロナ陽性者を確認し、すぐに同院に搬送。同院から感染管理認定看護師が同施設を訪れ、ゾーニングやPPEの着脱法、廃棄物処理の手順など指導を行った。翌日には同院の医師も含め今後の対策について話し合い、さらに毎日のZoom会議やグループLINEを活用した情報共有も実施。最終的にクラスターは利用者さん8人、職員2人で終息した。

同施設のジョンソン美智子・看護師長は「陽性の利用者さんはすべて入院でき、かつ薬剤師やドクターカー隊員などコロナ対策本部メンバーに1週間応援に来ていただきました。保健所とのやり取りや当施設と病院の間に入って調整などしていただけたので、とても助かりました」と述懐。

「沖縄県は、まん延防止等重点措置の適用が解除され、徐々に新規感染者が増えています。何か異常があれば早めの相談、対策を心がけます」と気を引き締めている。

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