徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

直言

Chokugen

庄内余目病院(山形県) 院長
寺田 康(てらだやすし)

直言 生命 いのち だけは平等だ~

寺田 康(てらだやすし)

庄内余目病院(山形県) 院長

2022年(令和4年)03月07日 月曜日 徳洲新聞 NO.1328

頼って来られる一人ひとりの患者さんに
最善の医療提供し徳洲会の理念貫き通す
土と触れ合える療養環境もつ新病院建設を

「SOS、急速潜航浮上せず」

今年も例年に比べて降雪の多い冬を迎えています。年明けの1月には国道7号線に吹き溜まりができ、2週間に2度も全面通行止めになりました。前例のないことです。

庄内地域にも、まん延防止等重点措置と、それに続く再拡大防止特別対策期間が設定されました。飲食店は夜9時までの時短営業ですが、ほとんどの店は閉じています。雪の夜は暗く人影の絶えた庄内町にも、新型コロナウイルス・オミクロン株感染は音もなく拡大し、町は陰鬱な雰囲気に包まれていました。

「井の中の蛙大海を知らず」世の中に遅れまいと井戸の中から見上げた空も、だんだんと小さくなっていく。嗚呼、どんどん井戸の底に沈んでいくのだ……。そんな状況下でも、当院の職員は意気軒高です。

地域で役割分担を意識すると 診る視線の高さに施設間で差

離島医療と僻地医療には大きな違いがあります。僻地医療は僻地とはいえ、その医療圏には基幹病院があり、東北ブロックでは、そのほとんどが公立病院です。徳洲会病院は成り立ちの経緯からして、その地域の基幹病院にはなっていません。また地域医療構想などを推進する行政の影響力も甚大です。

そんななかで、よく「地域の中での役割分担を」という言葉が投げかけられます。確かに地域の中で、一病院単独では、医療は成立しません。しかし、与えられた役割が、徳洲会が掲げる「いつでも、どこでも、誰でもが最善の医療を受けられる社会を目指す」から遠くかけ離れている場合、これは一大事です。基幹病院とされている病院の合同カンファレンスに症例を提示し、「90歳の高齢者に、その手技は必要ない」、「貴院の診療体制はどうなっているのか」などと糾弾され、怒髪天を衝き憤死しそうになった医師もいます。

地域の中で役割分担を意識すると、患者さんを診る視線の高さに施設間で差が出るのは仕方がないことなのでしょう。

しかし、地域の中で当院を頼って来られる一人ひとりの患者さんに、最善の医療を提供することこそが、徳洲会の理念を貫き通すことなのです。

オミクロン株感染拡大に対し 地域全体が決起し医療を守る

庄内二次保健医療圏にオミクロン株の感染が拡大し、「まん防」が発出されてから、地域の医療崩壊を防ぐために地域全体が立ち上がりました。庄内保健所の声掛けで、二次医療圏内の全病院の院長、感染対策担当者、酒田・鶴岡医師会、薬剤師会、2市3町の健康福祉課の行政担当者、山形県庁などが土日も含む毎朝9時からと、月・水・金の夕方4時45分からWEB会議で情報交換・情報共有を行っています。学校・保育園の休校・休園が相次いで起きてからは2市3町の教育委員会も加わりました。感染対策の地域ぐるみの取り組みとして、NHK山形放送でも取り上げられました。

全国に展開する徳洲会病院のなかでも、例を見ない地域の取り組みだと複雑な気持ちで感じ入っています。ふぅ~。

さて当院は数年後、新築移転を計画しています。当院は地域に貢献するという理念の下、地域に根差した医療の展開を運営の基本方針としてきました。

庄内町とも協議し移転候補地は同町内にあります。優良農地で、これから行政との手続きが始まります。

町民の期待は大きく、要望も多岐にわたります。庄内町の開業医の先生方の高齢化と後継者不足を背景にした外来部門の機能強化、高齢の方から強い要望がある健康推進センターの拡張、リハビリテーションの充実、車椅子に優しい院内の動線づくり、冬の天候を考慮した救急外来の機能拡張、感染対策ができる病棟計画など枚挙に遑がありません。最新の設備と医療機器を備え、業務のIT化を進めるのは言うまでもありません。

個人的には、全国有数の“米どころ” 、庄内の人たちが何よりも楽しみにしている「畑」、「田んぼ」仕事から、土と触れ合える療養環境がつくれたらなぁと思っています。

心配なのは病院建物のセンスです。近代的な洋風にするのか、和モダンにするのか、少し自信がありません。

地域の方々の嗜好、意見を聞いているうちに、気が付いたらお城みたいな病院ができた。「天守閣、一の丸、二の丸を備えたそれはそれは立派な病院での~」。祝・庄内余目城病院落成!

皆で頑張りましょう。

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