
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
2026年(令和8年)10月26日 月曜日 徳洲新聞 NO.1566 3面
徳洲会感染管理部会はグループ病院・施設を対象に、感染症が流行しやすい9月から11月にかけて手指衛生キャンペーンを実施している。同キャンペーンでは、手指衛生を推進する標語をグループ病院から募集し、ポスターを作成・配布、院内・施設内に掲示し手指衛生遵守のための啓発活動を強化する。2014年から取り組んでいる。また、昨年度まではキャンペーン期間中を対象としていた手指衛生遵守調査を、今年度から通年で実施することを決定した。感染対策の質向上・強化が目的だ。
優秀賞に選ばれたさいたま記念病院では、受付カウンターにポスターを掲示。菅原SE(右)と中川副主任
応募のあった標語から優秀賞に選んだのは、さいたま記念病院の「守る手 治す手 きれいな手」という作品。四街道徳洲会病院(千葉県)の「推し活も、 手指衛生も、継続だ」を特別賞に選出した。今年度は1施設2点までの応募で、67病院から129点の応募があった。
野崎徳洲会病院(大阪府)、大隅鹿屋病院(鹿児島県)、鹿児島徳洲会病院のデザインにより、優秀賞と特別賞の2パターンのポスターを作成、グループ病院・施設に配布した。
優秀賞の標語で作成したポスター
ポスターには標語に加え「WHO(世界保健機関)手指衛生5つの瞬間」を記載。とくに手指衛生が求められるのは、①患者さんに触れる前、②清潔/無菌操作の前、③体液に曝露された可能性のある場合、④患者さんに触れた後、⑤患者さん周辺の物品に触れた後――の5つの瞬間だ。
同キャンペーンを担当している同部会北海道ブロック長の井畑理沙・札幌徳洲会病院感染管理室師長(感染管理認定看護師)は「応募作のなかから、部会長、副部会長、専門部会代表からなる執行部メンバーが投票により選出しました。医療従事者の手は、治療や看護、薬や検査、時には愛情など、さまざまなものを届けます。その手が、手指衛生されたきれいな状態で患者さんに届けてほしいという思いで、優秀賞を選出しました」と説明する。
選考基準は、内容が具体的であり手指衛生行動に結び付くもの、使用されている文言がわかりやすく的確であること、親しみやすく記憶に残るものであること、過去3年の標語に類似していないことだ。
特別賞のポスターには徳洲会体操クラブの選手が登場
一方、今回の特別賞は、21年の新語・流行語大賞にノミネートされた「推し活」という単語をうまく標語に取り入れた点が、“なじみやすさ”として高い評価を受けた。特別賞のポスターは、徳洲会体操クラブの協力を得て、杉野正尭選手(キャプテン)、北園丈琉選手(副キャプテン)、岡慎之助選手の写真を用いたデザインとなっている。
「部会から徳洲会体操クラブに打診したところ、米田功監督をはじめ選手の皆さんに快諾をいただき、新しいユニフォームで撮影してくれました。躍動感のあるポスターに仕上がったと思います。ぜひ多くの方々に推し活と同じ熱量で手指衛生も継続してほしいと思います」(井畑師長)
優秀賞の標語を考案したのは、さいたま記念病院情報システム課の菅原利雄システムエンジニア(SE)。「看護師さんが日頃、手洗いを頻繁に行っている姿を目にするなかで、ぱっとひらめいてできた標語です。優秀賞に選ばれ驚きました。手指衛生の啓発に少しでも貢献できればうれしいです」とほほえむ。
同院の中川加央里・看護副主任(感染管理認定看護師)は「院内から5つの標語が集まりました。大久保久美子・看護部長と話し合い、シンプルでわかりやすい菅原SEの標語を当院からの応募作(2作品)のひとつに選びました」と明かす。
手指衛生の実施状況の把握や改善のため、今年度から「手指衛生遵守調査」を通年化。手指衛生5つの瞬間に関して、グループ全病院で直接観察法と呼ばれる手法で調査を行う。
井畑師長は「感染対策の根幹である手指衛生は日常的に実施することが必要です。キャンペーンというスポットでの観察では一時的な改善にとどまってしまうため、通年で実施することにしました。継続的なPDCA(計画→実行→評価→改善)サイクルを構築し、手指衛生が習慣化する環境づくりが目標です。ぜひ待合室などにもポスターを掲示し、医療従事者だけでなく患者さんとともに手指衛生を実践できる病院を目指していただきたいです」と呼びかけている。
通年化にともない、調査の負担軽減を図り継続性を担保するため、病床規模別の調査数を設定した。