直言

Chokugen

医療法人徳洲会 副理事長
湘南鎌倉総合病院(神奈川県) 院長
小林 修三(こばやししゅうぞう)

直言 ~ 生命 いのち だけは平等だ~

小林 修三(こばやししゅうぞう)

医療法人徳洲会 副理事長 湘南鎌倉総合病院(神奈川県) 院長

2026年(令和8年)10月26日 月曜日 徳洲新聞 NO.1566

地域に根差しながらも世界とつながり
最高水準の医療と人に寄り添う医療を
2年半後には800床となり世界へ一段と飛躍

当院は669床を有するがん診療連携拠点病院として、高度ながん診療を行う急性期病院です。医療が急速に進歩する時代にあって、新しい治療を生み出し、それを必要とする世界の人に届けることもまた、“生命だけは平等だ”の理念の実践です。現在、徳洲会は病院数日本第3位、96の病院を有し約5万人が働く組織です。今こそ世界に羽ばたく時です。徳洲会は国際化を目指し、さらに研究などアカデミアへの活動も積極的です。

BNCTが4月に照射をスタート 末期がん治療に対し大きな成果

当院では今、さまざまな先端医療への挑戦が始まっています。再生医療は人への応用開発に15年かかりましたが、今年の再生医療学会で当院の検証的自由診療という方式が、今後進むべき道として賛同されました。法に基づいて、当院の細胞調整室で生成された高純度のエクソソームを用いた変形性膝関節症への本邦初の特定臨床研究を開始し、NHKをはじめ多くのメディアで紹介されました。腎臓病への応用や薄毛に対する試みも始めています。また、国内初となる遺伝子改変ブタ腎移植の企業治験の実施も発表しました。当院は民間病院でありながら医学研究も盛んであり、14件の科研費、1件のAMED研究費も採択されています。当院の腎移植件数は年間50件に迫り日本7位、神奈川県1位となっています。当院では一般救急総合外科をつくり、彼らを中心に多くの専門外科が協力し、より高度な外科手術を行う体制も整えました。月間1,000件を超える手術、全身麻酔率も70%となっています。来年度、当院では初期研修医から3人の進学を含め計8人の外科専攻医が入ります。がん医療でも陽子線治療やBNCT(ホウ素中性子捕捉療法)、前立腺へのPSMA治療など、従来とは異なる新しい治療に取り組んでいます。

当院はIAEA(国際原子力機関)のアジアハブ病院として認定されています。世界に2台、ヘルシンキと当院にある新型BNCTは、すでにこの4月から人に照射され、末期がん治療にも驚くべき効果を上げています。さらに、米国オハイオ州立大学と連携し、心臓治療、放射線腫瘍、移植などの臨床分野で人材交流、教育、共同研究を進め、世界に向け新しい医療を発信する病院を目指しています。日本の病院が海外から学ぶだけではなく、日本から世界へ医療を発信しましょう。タイのバンコク国際病院では看護師が英語でカルテを記録しています。徳洲会ではDX化も加速しています。インドネシア・ベトナム・カンボジア・タイ・バングラデシュ、そしてタンザニアで病院建築や医療協力も進んでいます。徳洲会の全病院から優秀な若者が世界に飛び出すことを願っています。

国際未病医療センターを開設 タイで音楽療法用いた試みも

神奈川県知事の支援で、当院に国際未病医療センターが開設されました。「未病」の段階から健康寿命を延ばすという考え方です。その取り組みの一つが音楽療法です。すでに多くのエビデンスがある音楽が、心身の健康にどのような効果をもたらすのか、横浜国立大学と共同研究を実施しています。この活動はトヨタ財団からも支援をいただき、バンコクの医療機関で音楽療法を用いた未病改善の取り組みを展開しています。また、県からの委託事業として中井やまゆり園など障害者支援医療にも積極的です。これらは私の院長就任時のマニフェスト「弱者を置き去りにしないで先端医療をやる」の一つで、県との協力で「いのち輝くともいき」活動も実践しています。

当院は地域に根差しながら世界につながり、世界最高水準の医療と人に寄り添う医療を同時に実践する病院にしていきたいと思います。院長就任時、赤字計画で預けられた当院は、全職員の一致協力により、この7月、44億円と過去最高益になりました。「意義があるなら利益にならない対価のない研究についても行おう」という東上震一理事長の発言にもあるように、徳洲会は新たなステージに入りました。利益率上昇につながりにくい当院は、それでも初めて医業利益率10%となりました。この利益は新しい医療機器購入などに使われます。また、これまでの4棟に加え5棟目のE棟建築の設計(ウイメンズパビリオンと回復期病床・自由診療病床)が始まっています。2年半後には800床の病院となり、ますます世界に飛躍するでしょう。

皆で頑張りましょう。

PAGE TOP

PAGE TOP