徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2026年(令和8年)09月28日 月曜日 徳洲新聞 NO.1562 3面

第34回長崎救急医学会学術集会
「断らない」救急医療がテーマ
大会長に鬼塚・長崎北病院院長

第34回長崎救急医学会学術集会が9月5日、長崎県で開かれ、長崎北徳洲会病院の鬼塚正成院長が大会長を務めた。テーマは「『断らない』救急医療を目指して」。会場には186人の医療関係者らが参集。徳洲会ブースを設け、グループの概要やNPO法人TMAT(徳洲会医療救援隊)の活動を紹介する大型パネルを展示した。

演題数は過去最多の43演題

「救急は地域一丸となり取り組むべきです」と鬼塚院長 野中副院長は応需率増加に向けたアプローチを報告 徳洲会グループとTMATを紹介する大型パネルを展示

鬼塚院長は開会挨拶で「本学術集会の演題数は43演題と過去最多となり、スタートを例年より1時間早めました。テーマを『目指して』という柔らかい表現にしていますが、地域一丸となって取り組むべき内容だと考えます」と呼びかけた。

一般演題では、同院の野中孝一副院長が「当院における救急車受入件数と応需率の増加に向けたアプローチと実践」と題し発表。過去の救急断り理由を分析した結果、専門外、多忙、満床の3つがボトルネックであったと指摘した。

これに対し、従来のひとりの医師が初診から入院まで担う体制から、午前中にトリアージ(緊急度・重症度分類)医を置く分業制への移行や、早朝当番の設置、各診療科専門医の段階的な拡充、病床機能の変更などの改善策を説明。さらに、毎朝の新患カンファレンスや週1回の救急搬送検討会を通じて課題の検証を継続した結果、年間の救急受入件数は1,147件(2021年4月~22年3月)から1,682件(25年7月~26年6月)に増加し、応需率も83.6%から92.4%へ向上した実績を報告した(26年7月の実績は98%)。

特別講演では、長郷国彦・豊玉診療所所長(前・JCHO諫早総合病院院長)が「『断らない』救急医療を目指して」と題し講演。救急告示病院の経営課題として、24時間体制の維持にともなう人件費や労力の負担、高コストに対して診療報酬が追いつかない現状を挙げた。

そのうえで、持続可能な救急医療には自院の努力だけでなく、地域の病院間での役割分担や行政からの財政支援、地域全体での連携体制の構築が不可欠と強調。また、改定された診療報酬制度の活用や、救急受け入れを支える出口戦略の重要性を説き、病院経営と救急医療の両立に向けた具体的な姿勢を示した。

同学術集会を終え鬼塚院長は、「大会長を担うにあたり、徳洲会グループの理念に通じる『断らない救急』以外のテーマは考えられませんでした。特別講演では、断らない救急医療から病院経営に至るまで、まさに語ってほしいと考えていた視野の広い内容を講演していただき、感謝しています」と強調。

さらに、「長崎県の離島からの発表も含め多様な演題が集まり、多職種が活発に議論できる貴重な機会となりました。実行委員やスタッフのマンパワーを結集し、無事に順調な運営ができたことに感謝しています。今回得た学びを今後の医療・介護の現場や職員教育にも還元していきたいです」と手応えを示していた。

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