
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
2026年(令和8年)09月28日 月曜日 徳洲新聞 NO.1562 3面
視察団にCLTIへの吸着型血液浄化療法を説明する山内副院長(左)
大崎病院 東京ハートセンターは9月3日、米国から医師団の視察を受け入れた。同センターが取り組んでいる包括的高度慢性下肢虚血(CLTI)に対する吸着型血液浄化療法を見学し、臨床知見を得ることを目的に来院した。
CLTIは下肢動脈疾患(LEAD)が重症化し、難治性下肢潰瘍などをともなう病態で、下肢切断が必要となるケースもある。CLTIに対しては、血液中のLDLコレステロールやフィブリノーゲンを取り除いて末梢血液循環を改善し、難治性潰瘍の治療を目指す日本発の吸着型血液浄化療法(2021年3月に保険収載)がある。同センターの山内靖隆副院長が多数の症例を手がけてきたことから、今回の視察対象に選ばれた。
カリフォルニア大学サンフランシスコ校やメイヨー・クリニックなどから5人の教授が訪問。同療法が未承認である米国では、下肢切断回避に有用な治療法へのニーズが強く、情報収集のために視察先を探していた。
視察団の到着後、ふたりの患者さんの協力を得て、透析室で実際に吸着型血液浄化療法を行う様子を視察団が見学した。同療法は血液浄化装置の回路内に専用のカラム(筒状の吸着器)を組み込んで行う。山内副院長は同療法の仕組みや適応、治療の流れなどを説明した。
治療見学後は、山内副院長がこれまでに手がけてきた症例をもとに、血行再建術や吸着型血液浄化療法によるCLTI治療の取り組み・治療成績など紹介。質疑応答では、視察団から同療法の治療効果の評価方法や適応などについて質問が相次ぎ、山内副院長が一つひとつ丁寧に答えた。
山内副院長は「CLTI治療は国内では20年ほど前から本格化し、これまで日々進歩してきました。そうしたなかで登場した日本発の治療法が、ひとりでも多くの患者さんの救肢につながり、今回の視察の成果が全世界の医療の向上につながればうれしいです」と期待を寄せている。