
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
2026年(令和8年)01月19日 月曜日 徳洲新聞 NO.1526 3面
傾聴を重視し、生活指導や薬物療法など最適な医療を提供する甲賀医長
茅ヶ崎徳洲会病院(神奈川県)小児科は、かぜやインフルエンザといった一般的な疾患の診療に加え、心身症などの原因となる思春期の子どもが抱える“心の不調”の相談先として重要な役割を担い、地域医療に貢献している。丁寧な対話を通じ、患者さんと家族が次の一歩を踏み出すきっかけにつながっている。
「最近、とくに思春期のお子さんで、頭痛や腹痛、吐き気といった症状を訴える心身症の方や起立性調節障害の方が増えています。背景に不登校の問題を抱えているケースも少なくありません」
こう話すのは同院で内科、小児科、在宅診療部を担当する甲賀健史医長だ。同院の小児科では、心理的な負荷に起因する心身症の相談が増加傾向にあるという。甲賀医長は「最初から精神科や心療内科にかかることにハードルを感じる方が多く、そういった方々の受け皿、最初の窓口になることが私たちの役割のひとつです」と、小児科医としての立場を説明する。
診療では、まず患者さんと親御さんの話をじっくりと聞く「傾聴」を基本に、夜更かしを避けるといった生活指導や、必要に応じた薬物療法を組み合わせ、一人ひとりに合ったアプローチを探る。そのなかで甲賀医長が最も大切にしているのが「傾聴」だ。「病院に来るには、皆さん大きな勇気が要ったと思います。だからこそ、『病院に来てよかった』と少しでも感じて、何かひとつでももち帰ってもらえるよう、話し方や聞き方をつねに意識しています」と甲賀医長は温かい眼差しで語る。
話を聞くだけで気持ちが整理され、次の行動へのきっかけになることも多い。学校に行けず、引きこもりがちだったお子さんが、月に一度の診察を「外出するきっかけ」にしているというエピソードもある。患者さんと、じっくり対話することが診察の要であり、その時間が、本人や家族にとって前に進むための大切なきっかけとなっている。