
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
2025年(令和7年)05月19日 月曜日 徳洲新聞 NO.1492 3面
徳洲会放射線技師部会は4月12日、湘南鎌倉総合病院(神奈川県)会場とオンラインのハイブリッド形式で、全国学術大会を開催した。会場55人、オンライン63人の計118人が参加。ブロック別に予選会を通過した代表9人が、演題発表を行った。
(左から)関根部会長、吉弘・診療放射線技師、松岡・診療放射線技師、岩田・診療放射線技師、市来・診療放射線技師
全国から会場に55人、オンラインで63人が参加し他施設の取り組みを共有
冒頭、副部会長の鎌田博章・湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)放射線部技師長は「各ブロックからの選出で9演題の発表があります。他施設の取り組みを共有できる貴重な機会なので、有意義な時間にしましょう」と呼びかけた。
9演題の発表後、参加者による投票を実施。最優秀演題は札幌東徳洲会病院の松岡夢月・診療放射線技師による「頭頸部CTAにおけるモニタリング位置の検討および有用性の評価」が選ばれた。
頭頸部CTA(CT血管造影)の撮影方法は、施設ごとに異なるのが現状。同院では、頭尾方向撮影と台形クロス注入法を併用した撮影プロトコルを導入している。20人分の撮影データを検討した結果、頭蓋底レベルモニタリングを用いた頭頸部CTAは、診療に必要なCT値が十分に得られたと報告。「鎖骨下静脈の残存造影剤を減少させ、ストリークアーチファクトの低減や造影効果の向上が可能となることから、臨床的な有用性が示唆されました」と強調した。
優秀演題は茅ヶ崎徳洲会病院(神奈川県)の岩田剛・診療放射線技師による「MRCP 胆嚢、胆嚢管に対する撮像法」。従来の呼吸同期法と、息止めCubeを使用した撮像法で、胆嚢、胆嚢管のMRCP描出を比較した。
Cube撮像は、呼吸同期法と比べ撮像条件の変更が簡便であり、濃縮胆汁の描出に最適な条件設定が可能。20秒程度の息止めで、高分解能な濃縮胆汁の描出ができるが、息止めのできない患者さんに使用するには課題が残る。膵管や肝内胆管の描出は従来法に比べると不十分だが、「描出不良な胆嚢、胆嚢管の補足撮像として有用性は高いと考えます」と説明した。
奨励賞は武蔵野徳洲会病院(東京都)の吉弘実央・診療放射線技師による「ERCP検査時におけるX線TV用管球プロテクター使用時の空間線量測定と有用性の検討」。国際放射線防護委員会による、水晶体に受ける等価線量限度の引き下げにより、同院では内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)件数が増加。これに伴い内視鏡スタッフの被曝線量の増加も懸念された。
これに対し、管球プロテクターを導入した結果、被曝線量は少なくとも71%まで低減したが、隙間がある場合は最大で80%まで被曝線量が増大。「空間線量分布を透視室に掲示し、スタッフが最適な立ち位置に立つことで、個人の被曝線量を低減できると考えます」とまとめた。
部会長賞は徳之島徳洲会病院(鹿児島県)の市来優香・診療放射線技師の「AI画像診断の活用と症例」。同院には常勤の放射線科医師が不在で、遠隔画像診断の支援を受けている。
そこで2024年3月からAI(人工知能)画像診断を導入。胸部単純撮影による画像診断で、二次検診に至った事例もあった。4症例を紹介し、AI読影の有用性と診断の補助的役割を強調。「骨陰影との重なりなど、正確な解析が難しいケースも見られました。読影医不足による地域格差を減らし、業務量負担の低減も期待できます」と力説した。
最後に、部会長の関根聡・湘南鎌倉病院放射線部診療放射線技師長は「徳洲会は全国にたくさんの病院がありますが、地域ごとに切実な問題を抱えています。われわれの業務改善が、患者さんファーストの医療につながると考えます。演題発表で終わりではなく、グループで共有し、患者さんに還元していきましょう。グループが大きくなっても、隣の顔が見え、助け合える関係でいたいと思います」と訴え、閉会した。