徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2021年(令和3年)11月08日 月曜日 徳洲新聞 NO.1312 3面

関西・大阪ブロック
リハビリ部会が研鑽災害・コロナへ対応
学術大会をオンライン開催

関西・大阪ブロックリハビリテーション部会は10月24日、第14回学術大会を初めてオンライン形式で開催した。一般演題や災害とリハビリ職をテーマとする特別講演、新型コロナ対応をテーマとしたシンポジウムなど多彩なプログラムを実施。当日は同ブロック内のリハビリ職約130人に加え、徳洲会グループ内外からの視聴を可能とした。リハビリ職の養成校に通う学生や、他ブロックの徳洲会病院職員も参加し、情報・知見の共有を図り研鑽を積んだ。今回は近江草津徳洲会病院(滋賀県)と大垣徳洲会病院(岐阜県)が運営を担った。

多彩なプログラム実施

各病院をWEBで結びシンポジウム 学術大会の運営を担った近江草津病院と大垣病院のスタッフ

冒頭、大阪ブロック長の高橋和久・和泉市立総合医療センター(大阪府)リハビリテーション科室長(理学療法士=PT)が開会挨拶。「感染予防のため初のオンライン開催となりました。各施設からの発表を聞き、研鑽を積んでください」と呼びかけた。

一般演題は前半3題、後半3題の計6演題を実施した。はじめに発表したのは岸和田徳洲会病院(大阪府)の藤原志帆PT。大動脈弁狭窄(きょうさく)症のため大動脈弁置換術と冠動脈バイパス術を行った患者さんで、術後に低酸素血症を認めたことから「循環動態に留意しながら呼吸不全に対し運動療法を実施。低酸素血症の改善に寄与しました」と報告した。

次いで高砂西部病院(兵庫県)の山田邦彦PTは、同院回復期リハビリテーション病棟で受け入れたCOVID-19治療後の転院患者さんに関し、実施したリハビリ内容や入退院時の変化などを紹介。「回復期リハビリを経由することで、換気機能改善や運動耐用能向上が得られ、ADL(日常生活動作)が向上しますが、退院後も有酸素運動を継続し運動機能維持・向上が必要と考えます」とまとめた。

大垣病院の渡邉祥子PTは、右被殻出血により重度運動感覚障害や異常感覚を呈した患者さんの症例を発表。自己身体認識の低下を認めたことから、まひ側身体へのセルフタッチや機能訓練を組み合わせた治療プログラムを実施。「視覚・体性感覚や運動・感覚の統合を図ったことで身体認識が向上し、異常感覚の訴えは消失しました」と結んだ。

名古屋徳洲会総合病院の朝日奈優衣・作業療法士(OT)は半側空間無視(USN)を呈した患者さんに対し、トップダウンアプローチとボトムアップアプローチを併用し介入した症例を発表。具体的には、視運動刺激課題(PC課題)やMe-ntal Imagery課題(折り紙)などを行ったことでUSNの改善が得られた。

出雲徳洲会病院(島根県)の山野内美咲OTは、2019年に同院が導入したドライブシミュレーターを用いた自動車運転の評価や訓練の取り組みを発表した。「以前は机上検査のみでしたが、ドライブシミュレーターにより、総合的な判断や実践的な訓練が可能になりました」とアピール。

宇治徳洲会病院(京都府)の村上真由・言語聴覚士(ST)は、中咽頭(ちゅういんとう)がんに対する手術後に嚥下(えんげ)障害を発症した症例を発表。入院中、STが介入し間接嚥下訓練(食べ物を使わない訓練)を行い嚥下機能の低下予防に取り組んだ。胃瘻(いろう)を造設して退院後、自宅と通所リハビリで直接嚥下訓練(食べ物を使った訓練)を実施。「嚥下機能が徐々に改善、経口摂取が可能となり胃瘻閉鎖となりました」と報告した。

全ブロックを対象に 学術大会開催が課題

一般演題の後、徳洲会リハビリテーション部会の坂下竜也部会長(福岡徳洲会病院リハビリテーション室副室長、OT)が挨拶。

現在、リハビリ部会では全国規模の学術大会を行っていないことから、「関西・大阪ブロックの学術大会をモデルにし、今後、全ブロック対象の学術大会を開くことが課題です。ここまで一般演題を聞かせていただきましたが、いずれも素晴らしい内容です。積極的に学会での発表も行っていただければと思います。各自の成長につながり、それが徳洲会グループの成長につながります」とエールを送った。

続いて、岸和田病院リハビリテーション科副室長の古田宏PTが災害とリハビリ職をテーマに特別講演。同院は地域災害拠点病院の指定を受けており、古田副室長は日本DMAT(国の災害医療チーム)インストラクターなど災害医療にかかわる資格をもつ。また、これまでに実際の災害で、院内の災害対策本部やDMAT業務調整員としての活動歴を有し、厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部事務局参与としてクラスター発生施設への支援などを行った。

古田副室長は「災害発生時にリハビリは休止部門となる可能性が高いですが、一方で、医療知識や高いコミュニケーションスキルをもつ人材が多数存在するのがリハビリ科でもあります。災害医療に対しリハビリ職は多大な貢献ができます」と指摘。実際の活動を振り返りながら、リハビリ職が災害時にできることを紹介した。

最後に「コロナ感染症におけるそれぞれの病院での働き方」をテーマとするシンポジウムを行い、岸和田病院の堀雄介PTが重症対応、和泉医療センターの伏江誠PTが軽・中等症対応、東大阪徳洲会病院の宮下淳子PTが後方支援対応、近江草津病院の田村遼PTがクラスター対応について、各院のこれまでの状況や活動内容などを発表した。

閉会の挨拶で関西ブロック長の谷口篤史・高砂西部病院リハビリテーション科室長(PT)は「災害時や感染症への対応など、リハビリ職としてできることをわかりやすく発表していただきました。災害や感染爆発はいつでも起こり得ることです。今日学んだことを今後に生かしていければと思います」と締めくくった。

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