徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

直言

Chokugen

高砂西部病院(兵庫県) 院長
新保 雅也(しんぼまさや)

直言 生命 いのち だけは平等だ~

新保 雅也(しんぼまさや)

高砂西部病院(兵庫県) 院長

2021年(令和3年)11月08日 月曜日 徳洲新聞 NO.1312

回復期リハビリ病棟と地域包括ケア病棟
地域のニーズや自院の能力に合わせ開設
10年ぶりに医療機能評価受審し行動変容

2020年4月に新型コロナ感染者が当院職員から出ました。徳洲会グループ職員としても初めてで、風評被害もあり、つらい思いをしました。職員2人の感染だけで広がることはありませんでしたが、濃厚接触者として何人も休む必要があったため、業務に支障を来し、グループからの応援でしのぐことができました。半年後にも職員1人から出ましたが、その時もすぐに終息しました。


周辺の市民病院や県立病院が軽症から重症までコロナ患者さんを診る地域性などから、当院は常勤医数の関係もあり、直接的に、コロナ患者さんを診る病院としてではなく、コロナ患者さんを診る県立病院の救急輪番を代わりに担うことなどで、間接的にコロナ対応をすることにしました。


ただ新型コロナ第4波では本来の対応病院もあふれたため、当院も救急車内4時間待ちのSpO₂(酸素飽和度)70%台の高齢患者さんを保健所の依頼でイレギュラーに受け入れたり、別の患者さんを兵庫医科大学までネーザルハイフロー(高流量鼻カニュラ酸素療法)付きで救急車により搬送したりしたこともありました。第5波では、やや軽症の高齢患者さんを受け入れましたが、ほとんど問題なく転院されていきました。


振り返ってみると、もう少し直接的に、コロナ対応ができた可能性もありますが、通常診療をそのまま行いながらのコロナ対応はまず不可能で、通常診療をかなり制限した場合でも、イメージが描けず、困難と判断しました。

兵庫県から長年の救急医療 貢献に対して表彰を受ける

当院から15分も救急車を走らせれば、常勤医240人を抱える病院にたどり着く地理的条件下、当院の救急受け入れは年間2000件強、断り率は約2割弱で、オール受け入れは厳しい状態です。月2回程度の地域の輪番体制、そのうち1回は高砂市消防本部救急隊の研修となっています。研修日は私が必ず直接対応し、前月からの搬送された患者さんの転帰をフィードバックしたり、隊員からいろいろ情報を入手したりしています。外来看護師は救急患者さんの帰宅後、翌日以降に電話連絡を入れ、その後の状態の確認を行います。滅多にありませんが、緊急性のある場合は、すぐに私たちに連絡、ない場合は月1度の報告となります。


今年9月には県から救急医療貢献に対し表彰を受けました。徳洲会の理念には“生命だけは平等だ”がありますが、徳洲会草創期と現在では社会状況も変化し、その当時は瀕死の状態で救急車を呼ぶ状況も多かったでしょうが、現在は病院選定のため医療の入り口として救急車を利用することが多い印象です。


救急体制では当院は正直、誇らしく語れることもなく、むしろ当院にできることは何だろうと自問自答し、日々、四苦八苦しているのが実情です。そんななか、時間外で来院され入院加療した患者さんから、こちらが恐縮するほど感謝していただき、私と病棟宛てに、それぞれ丁寧なお礼状をいただきました。通常の急性疾患であり、当院としても取り立てて特別なことはしていたとも思えないのですが、当院のことをすべて良いふうに受け取っていただいたようです。クレームは、感情のコントロールが必要なことが多いものの、具体的な修正点を示唆してもらえる提案として受け入れています。一方、このような患者さんからの感謝は、私たちのモチベーションを押し上げてくれる上昇気流ととらえ、日々の業務の糧にしています。

インシデントレポート10倍超 カンファレンスも一段と多く

2月に日本医療機能評価機構の評価を受け、いろいろ手直しし、10月に合格通知が届きました。徳洲会ではJCI(国際的な医療機能評価機関)認証取得が多くなっていますが、当院にはハードルが高いことから約10年ぶりに同機構を受審しました。受審後の行動変容としては、医局の今年度のインシデントレポートが例年の10倍以上になり、またカンファレンスをより多く開催するようになったことです。


病床は、より地域のニーズや当院の能力に合わせ、昨年1月に回復期リハビリ病棟、今年10月に地域包括ケア病棟を開設し、これで急性期、慢性期、地域包括ケア、回復期リハビリと4種を有する病院になりました。華々しい話題はありませんが、地道に進んでいきます。


皆で頑張りましょう。

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