
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
2026年(令和8年)09月14日 月曜日 徳洲新聞 NO.1560 2面
第28回日本褥瘡学会学術集会が9月4日から2日間、奈良県で開かれ、徳洲会グループはハンズオンセミナー、パネルディスカッション、一般演題、ポスターで計8演題を発表した。学術集会のテーマは「皆で取り組む褥瘡医療-変わるケアと変わらないケア-」。
徳洲会グループの褥瘡予防を紹介する磯辺WOC
業務効率に資する新製品などについて発表する富樫WOC
「WOCを中心とした組織体制が重要」と中矢WOC
家口PTは多職種連携下で踵部褥瘡が改善した症例を報告
鎌ケ谷総合病院(千葉県)の磯辺さやか皮膚・排泄ケア特定認定看護師(WOC)は、ハンズオンセミナーで「徳洲会グループの褥瘡対策連携活動と当院の予防ラウンドにおける産学連携品の活用事例」と題し発表した。
まず、徳洲会グループで取り組んでいる褥瘡対策の仕組みを紹介。褥瘡発生率調査を年2回実施し、全国各ブロックで課題や解決策を共有したり、各ブロック長が中心となり病院・介護施設共通の予防マニュアルを整備したりし、WOC不在の施設でもケアの標準化に努めていることをアピールした。
また、自院の取り組みとして、産学連携品を活用した褥瘡予防ラウンドも紹介。一施設の取り組みをグループ全体で共有し標準化することで、褥瘡対策の精度が上がったことも強調した。
庄内余目病院(山形県)の富樫弘美WOCは2演題を発表した。ハンズオンセミナーでは「洗い流さない洗浄料と保湿・保護ができるおしりふきを現場で使用した経験から」と題し、新しい洗浄料とおしりふきを1カ月間使用し、入院患者さんを対象に従来の排泄ケアと比較したところ、皮膚の状態を悪化させることなく1人当たりのケア時間を約4割短縮できたと報告。一般演題でも、両製品が日々行う褥瘡患者さんの排泄ケアの時短につながり、従来の方法と比べても質を担保できると報告した。
阪南中央病院(大阪府)の中矢逸美WOCは「看護師離職率の変化と褥瘡発生率の長期的な検討」と題し発表。WOC配置後は離職率が上昇した時期でも褥瘡発生率は低く保たれたとし、WOC中心の組織体制を築くことが重要と訴えた。
松原徳洲会病院(同)の家口輝・理学療法士(PT)は、サービス付き高齢者向け住宅の患者さんに、病院と同レベルの多職種連携体制で褥瘡ケアを行い、踵部褥瘡が改善した1例を報告。訪問診療医が褥瘡を評価し、薬剤師が外用薬を提案。PTも端坐位訓練やマットレスの提案などで複数が介入し、褥瘡改善につながったと発表した。
仙台徳洲会病院の江口かつら看護師は「手術室はかわったか?救命か皮膚か術中褥瘡予防への意識変容と課題」と題し、術中褥瘡の予防について発表した。術中褥瘡は、手術中の長時間の圧迫や手術特有の体位が原因で生じる褥瘡。江口看護師は、とくに救命が最優先される手術中では褥瘡ケアが後手に回りやすい現状を指摘し、自院では除圧方法など褥瘡対策の研修に取り組んでいることを説明した。
その結果、褥瘡予防の重要性は手術室スタッフの共通認識となっているものの、経験が浅いスタッフほど対策の取り組みが定着せず、研修などを改善することで術中褥瘡予防の質向上につなげる意向を示した。
山内病院(神奈川県)の山田桐絵・管理栄養士がパネルディスカッションで褥瘡治癒に向けた栄養管理を紹介。福岡徳洲会病院の穴井友恵WOCと三原恵理WOCがポスターで「ずれ・圧迫による褥瘡発生予防への取り組み」をテーマに発表した。