
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
2026年(令和8年)02月02日 月曜日 徳洲新聞 NO.1528 2面
特別養護老人ホーム逗子杜の郷(神奈川県)は12月9日、逗子消防署予防課職員を講師に招き、火災を想定した実戦的な防災訓練を実施した。同訓練は、形式的な避難手順の確認にとどまらず、施設の構造的特徴に基づいた現実的な防災戦略を構築することが目的だ。
実際に建物の図面を見ながらシミュレーション
消防署職員と施設内を歩き回り構造的特徴を確認
訓練では、建物の図面を用いた詳細なシミュレーションを実施。消防署職員は同施設の構造的特徴を解説しながら、火災が起きた際の避難方法を示した。
とくに注目したのは、二重の扉で区画された「特別避難階段」と、その「前室」の存在。不燃質の緩衝地帯である前室は、排煙設備や非常用照明を備え、煙の侵入を遮断する安全性の高い空間であり、一時避難場所として最適だ。また、建物全体が1〜2時間は火災に耐え得る耐火構造であり、内装にも有害ガスが発生しにくい素材が使用されていることなども共有した。
夜間帯の動きも考えた。勤務する職員数が6〜7人と限られ、車いすの利用者さんが多い同施設では、全員を即座に屋外へ避難させることは困難。そこで、耐火構造や防煙区画を活用した「一時待機」を避難の選択肢に含めることが、人命を守るための現実的な方法と示した。
また、出火時にはすぐに居室から出るのではなく、居室のドアを閉めて遮煙を徹底することが重要。避難の優先順位では、階段移動をともなう垂直避難ではなく、安全な別区画へ移動する水平避難や、特別避難階段の前室への避難を優先することで、移動の渋滞を回避し、救命の可能性を高めることを周知した。
田邉笑美子施設長は「これまでは全員を屋外に出さなければという不安がありましたが、建物の構造を理解することで、構造を信じて待機できるという心理的安心感につながりました」と総括。今後も、夜勤帯の初動体制強化や地域連携を深め、利用者さんの安全を守り抜くことを誓った。