
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
2025年(令和7年)03月24日 月曜日 徳洲新聞 NO.1484 2面
生駒市立病院(奈良県)は2月9日、院内の講堂で「生駒市立病院のこれからを考える」ワークショップ「まとめ会」を開いた。6月に開院10周年を迎えるにあたり、生駒市と共同で企画した取り組み。同院の今後10年を見据え、昨年9月から3回にわたり議論してきた課題や解決策を、ワークショップ構成メンバーの市民らが総括した。会には遠藤清院長と小紫雅史市長も出席した。
自院の今後について考えを示す遠藤院長
各発表に丁寧にコメントする小紫市長
ワークショップは事前に参加メンバーを募り、9月に1回目を開催。地元の一般の方や医療・介護従事者、生駒市や生駒病院の関係者ら約30人が参加し、11月まで計3回行い、同院の今後10年を見据え、長所、課題と解決策などを協議した。
その総括として、まとめ会を開催。WEB配信も行うなか、「PR」、「医師確保」、「高齢者・認知症」、「診療科の充実」のテーマごとに分かれた4グループが「病院ができること」、「市ができること」、「市民ができること」の視点で意見をまとめ発表した。
たとえば、「PR」では、病院ができることとして「医療講演など平日に行うイベントに興味があっても参加できない方もいるため、後で録画が見られるようなアーカイブなどがあるといい」、市ができることには「市役所内で連携し広報の強化を」といった声が寄せられた。
また、「医師不足」では、市民ができることに「かかりつけ医をもつことで不要な受診を減らす」、「救急車の適正利用」といった意見が示された。
その後、ワークショップの運営をサポートしてきたワーク・ライフバランスの小室淑恵社長が、トークセッションを行った。「人口減時代に生きのこる戦略とは?~人生100年時代に活躍するシナジーを起こす~」と題し、医療を含む地域づくりで大事な視点を解説した。
最後に、遠藤院長と小紫市長が挨拶。遠藤院長は「院長就任時から掲げる“正しい病院”を今後も目指します。正しさにもいろいろありますが、噓をつく病院にはしたくないです」と、あらためて決意表明。
そのうえで「AI(人工知能)やロボットの活用が加速化し、今とは劇的に異なる世の中が恐らく10年たたずに訪れると思います。それに対応する病院、地域医療を目指していきたい」と展望し、「とはいえ、目先のことも大事。皆さんの意見は私の考えと似ているので、今後も関心をもって当院を見てください」と締めくくった。
小紫市長は「10年先を見据えるのは難しいですが、短期に何をすべきか、状況が変わればアップデートしていくことを共有することに意味があると思います」と、ワークショップの意義を強調。今後、地域医療を防災の側面からも検討する考えを明かした。
終了後、参加者からは「新たに知ることが多く、貴重な経験になりました。以前、深夜に電話して受診したことがあり、その時の対応がとても良かったです。今後も頑張っていただきたい」といった声が聞かれた。
同院の持田幸久事務長は「病院に一般の方が来て話し合う機会は少ないと思いますし、何より、私たちには思いつかないアイデアが生まれるので、良い機会になりました」。6月には生駒市内で開院10周年記念イベントを予定。ワークショップで寄せられた意見をもとに、同院は今後の方向性を示す予定だ。