
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
2022年(令和4年)06月20日 月曜日 徳洲新聞 NO.1343 2面

大動脈の血管壁は内側から内膜、中膜、外膜の3層から成っており、大動脈解離は何らかの原因で内膜に亀裂が生じ、血液が流れ込んで中膜のところで内膜側と外膜側にはがれてしまった状態を指す。このスペースを偽腔といい、流れ込んだ血液はそのまま偽腔内で固まり、自然にふさがることもあるが、偽腔の先のほうで内膜側に穴が開いて再び真腔側に還流する場合もある。薄くなった外膜が破れることもある(大動脈破裂)。
「破裂してしまうと緊急手術しても間に合わず、救命し得ないことが多くあります」と葉山ハートセンター(神奈川県)の廣江吉隆・循環器内科部長。破裂しないまでも、解離場所が心臓に近い(上行大動脈)と心タンポナーデを合併し、心停止の危険性が高く、緊急手術を要する。一方、解離の部位が心臓より遠い(下行大動脈)場合は、まず薬物により降圧・鎮痛して急性期を脱することに全力を尽くし、その後、手術の必要性を検討する。
生命にかかわることもある危険な疾患だが、予兆をつかむことは難しく、そのぶん、解離後の対応が肝要となる。「解離すれば胸部、背部、腰部などに激烈な痛みを感じますから、すぐ救急車を呼んでください」と廣江部長。裂け目が広がると痛みの出る箇所が変わったり、時に一瞬痛みが引いたりもするが、危険な状態に変わりない。予防法は生活習慣病対策で、とくに血圧管理が重要だ。