
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
2025年(令和7年)05月19日 月曜日 徳洲新聞 NO.1492 1面
「ひとりでも多くの患者さんを助けたい」と優秀演題賞を受賞した中山医長
千葉西総合病院の中山泰介・心臓血管外科医長は第17回日本ロボット外科学会学術集会で、「DaVinciを用いた左房内腔からの左心耳縫合閉鎖の検討」をテーマに発表し、優秀演題賞を受賞した。同学術集会は栃木県で3月7日から2日間開催。
左心耳縫合閉鎖は、心房細動による血栓を原因とする心原性脳梗塞を予防するために行う手術。左心房にある袋状の左心耳という部位に血栓が生じやすいことから、手術で閉鎖して血栓を予防する。
「手術では血流が残らないよう左心耳を完全に閉鎖するのが重要です。心臓の外側からアプローチする方法と、内側からアプローチする方法があり、これまで前者の成功率が高いという報告がありました。一方で、より低コストで他の僧帽弁などの弁膜症手術に併施されるのは後者であり、手術支援ロボットのダヴィンチを用いることで、良好な視野での手術が可能ですが、今まで研究報告がありませんでした。そこで今回、ダヴィンチを用いた内側からの二重縫合閉鎖を、閉鎖方法の変遷に触れながら検討を行い、従来型の閉鎖方法と比較検討を行いました」(中山医長)
同院で外科的に左心耳縫合閉鎖を行った計100症例を対象に検討。結果、ダヴィンチによる内側からの二重縫合閉鎖は、閉鎖方法の工夫によって、その閉鎖成功率が上がることがわかった。また今回の検討では、症例数の関係で有意差はなかったものの、外側からのアプローチとも遜色ない結果を残すことが可能であると示唆した。
「これまでにないテーマだったことや、まとまった症例数で検討できたことなどを評価していただいたのだと考えています。日常診療のクリニカルクエスチョン(臨床的疑問)に対し、仮説を立て検証を行い、患者さんに還元してひとりでも多く助けられるよう、これからも尽力していきたい」と抱負を語っている。
同院は胸腔鏡を用いた外側からの左心耳閉鎖手術の件数も全国屈指。中山医長は、低侵襲心臓手術センターの不整脈班リーダーとしてチームを引っ張っている。