徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2020年(令和2年)1月20日 月曜日 徳洲新聞 NO.1219 一面

名瀬病院 医療安全の向上に寄与
TeamSTEPPS講習会を初開催

名瀬徳洲会病院(鹿児島県)は昨年11月15日から2日間、チームとしてのより良い実践や患者安全を高めるためのツールと戦略を学ぶTeamSTEPPS(チームステップス)講習会を初開催した。“紙の鎖”をつくるグループワークなどを通じ、コミュニケーションやチームワークの勘所を学ぶことができ、医療安全の向上に資するものだ。同院の全職種を対象に、同じプログラムの講習会を2日間実施。初日に49人、2日目に42人の計91人が参加した。

“紙の鎖” グループワークなど実施

「職種間の情報共有やコミュニケーションが重要」と小田切部長 「職種間の情報共有やコミュニケーションが重要」と小田切部長

講習会を企画したのは名瀬病院の小田切幸平・産婦人科部長。小田切部長は講習会の冒頭、「コミュニケーションエラーは医療事故を誘発する可能性があります。また、医療機関は入退職にともなう職員の入れ替わりが多い職場ですが、そうしたなかでも、ひとりの患者さんを継続的に適切にケアしていく必要があります。職種間の情報共有やコミュニケーションが欠かせず、いかにチームとして動けるかがポイントとなります」と講習会開催の背景を説明した。

小田切部長は産科救急の講習会であるALSOやBLSOのインストラクターを務め、これまでに奄美群島などで開催。分娩(ぶんべん)にともなう肩甲難産や弛緩出血など緊急事態を切り抜けるには、職種間の情報共有・伝達が大事であることから、これら講習会のプログラムのひとつにTeamSTEPPSが含まれている。

これが参加者にチーム医療の大切さなどを感じてもらう有効な機会となっていることから、今回、産科領域に限らず名瀬病院の全職種を対象にTeamSTEPPSを集中的に学ぶ機会を提供するために開催した。

「患者さんのための安心・安全な医療の提供はもちろんですが、そこで働く職員にとっても安心・安全な職場環境を保つために有用な講習会になると思います」と小田切部長は呼びかけた。

名瀬病院の全職種を対象に実施 名瀬病院の全職種を対象に実施

次いで同院の松浦甲彰院長が開会挨拶で、「業務が忙しくなると他のスタッフと会話する時間も取りにくくなります。そのため忙しくなればなるほど医療安全の研修もあわせて行っていく必要があります」と開催の意義を説いた。

講師を務めたのは、亀田総合病院医療安全管理室の鈴木真室長(医師)。亀田京橋クリニックの三國和美助産師や、名古屋大学医学部附属病院医療の質・安全管理部の深見達弥副部長、日本医科大学付属病院の坂本ゆみ助産師、小田切部長はじめ名瀬病院のスタッフが進行をサポートした。

鈴木室長は、患者さんのICU(集中治療室)入室時間の短縮や、有害事象の発生減少などTeamSTEPPSの導入効果に関する海外の報告例などを紹介。チームでエラーを防ぐことの重要性を強調した。

続いて、職種の異なる者同士で7人ごとのグループに分かれ、「夜間に救急外来に右下腹部痛で患者さんが来院」、「虫垂炎の診断で手術」、「病棟に帰棟」と各場面を想定し、それぞれに関与する職種についてディスカッション。

さらに、「良いチーム/チームワーク」の条件についてもグループごとに話し合い、全体に向けて発表を行った。なかには「コミュニケーションが取れる、リーダーシップ、役割分担がしっかりできる」、「情報共有、目標統一、役割分担」などの回答が見られた。

同じグループのメンバーと力を合わせ“紙の鎖”を作成 同じグループのメンバーと力を合わせ“紙の鎖”を作成

鈴木室長は高度に有能なチームの特徴として①メンタルモデル(コミュニケーションを通じてチームメンバーで共有される認識や知識)を共有、②明確な役割と責任をもつ、③明確で高く評価される共通のビジョンをもつ、④行動した結果の管理、⑤強いリーダーシップ、⑥強い信頼感、⑦協力と調和、⑧資源(人的・物的)の適正化――などを列挙。

この後、チームワークを体験する“紙の鎖”のグループワークに取り組んだ。A4判用紙、セロハンテープ、ハサミを用い、短冊状に切った紙で輪をつくり、鎖のように次々につなげる。1分30秒間でつなげることができた輪の数を競うグループワークだ。計3回行う。1回目は条件を一切付けずに実施し、2回目は片腕(利き腕)だけを使い、3回目は声を出してもいけないというように徐々に制限を厳しくする。

単純なゲームに見えるが、チームワークやリーダーシップ、役割分担、コミュニケーションのエッセンスを体感するうってつけのグループワークだ。そのほか伝言ゲームなどのグループワークで情報伝達について学んだ。

参加者のひとりは「“紙の鎖”などのグループワークを行うことで、実践を通じてコミュニケーションについて学ぶことができました。また、同じ医療従事者といっても職種が異なると共通の理解や認識も異なるため、今日学んだことを参考にしながら、相手への伝わりやすさを気にかけて業務に取り組んでいきたいと思いました」と手応えを感じた様子だった。

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