徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

直言

Chokugen

池原 康一(いけはらやすかず)石垣島徳洲会病院院長(沖縄県)

直言 生命いのちだけは平等だ~

池原 康一(いけはらやすかず)

石垣島徳洲会病院院長(沖縄県)

2020年(令和2年)1月20日 月曜日 徳洲新聞 NO.1219

離島・へき地医療は徳洲会グループの幹
理念に基づく行動で応援すること喜びに
「エースを送り出すのが本当の応援」との言葉

私が石垣島徳洲会病院院長を拝命してから、あっという間に3年が経過しました。その間、多くの方々の助けをいただき、少しずつ成長することができています。物心ともに応援をしていただいた方々には心から感謝申し上げます。

赴任後、当院にたくさんの問題があることに気付くとともに、前職場では恵まれた環境にあったと、感謝の思いがこみ上げてきました。先人たちの努力によって素晴らしい環境が整えられたのだと思います。同時に、これからは当院を改革し、より良い病院形成に努めなければならないと、決心したことを思い出します。

医師不足改善のため超規模・大規模病院と強固な連携構築

当院で改善すべき最優先事項は医師不足です。私の赴任前は常勤医師2人と研修医2人の合計4人。応援医師も少ない状態で、解決するには超規模・大規模病院との強固な連携体制の構築が必要と考えました。

まずは研修医の増員を図るため、徳洲会グループ以外の臨床研修指定病院と提携。奏功し、研修医の確保に成功しました。しかし、その間、常勤医は増えず、時間がかかると判断した私は、徳洲会グループ内の超規模・大規模病院を頼り、応援医師の増員を依頼。すると、応援医師が増えるにつれて患者数、業務量も増加し、経営的な安定に結び付きました。

ただし、その半面、多大な応援でやり繰りしている状況では、離島・へき地病院の職員は萎縮し、胸を張って仕事に臨むことができないとも感じていました。離島・へき地医療は徳洲会グループの根幹にもかかわらず、離島・へき地の職員が萎縮する状況は悲しいことです。これを解消するには、ふたつの問題を解決する必要があるという考えに至りました。

ひとつは応援する医師たちの意識(心)の問題です。徳洲会グループの理念への理解を深め、それをもとに行動することが必要です。送り出す側の病院と、受け入れる側の離島・へき地病院の院長の思いが職員に伝わり、行動となるように、意識のなかに根付かせることが大切です。つまり、応援することを喜びと感じてほしいのです。まさに、これこそが徳洲会グループの理念の実行に他なりません。

私の後輩に教わった言葉があります。「エースを送り出すのが本当の応援」。彼はそう言いました。確かに湘南鎌倉総合病院(神奈川県)の外科は、いつも忙しく、人員不足であるにもかかわらず、外科部長を厳しい状態にある病院に赴任させます。そして、徳洲会グループの理念を基礎とした病院を立ち上げるのです。

こうした取り組みを看護師や他の技術系、事務系、介護系の職種に至るまで徹底することが大事だと思います。

幸い、沖縄本島の超規模病院や、関西、福岡の病院から素晴らしく協力的な先生方が応援に来られます。このような奉仕の精神が大切です。私たち離島・へき地病院の職員および患者さんは、とても感謝しています。

大病院で磨いた知識・技術 離島・へき地の患者さんへ

もうひとつは経済的な課題です。素晴らしい先生方が応援に来院されるため、多くの患者さんを診ていただきたいと考えます。都心や大病院で磨いた知識・技術を、離島・へき地の患者さんに少しでも提供していただきたい。患者さんを集めるために医療講演などマーケティング活動を行い、応援医師が診療しやすいように準備しています。

しかし、離島・へき地では専門医の不在や、医療機器の不備などが原因で、診断・治療できないことも多々あります。当院では可能な限り、徳洲会グループの病院へ患者さんを紹介することを方針としています。紹介する患者さんの疾患は、多岐にわたります。

その結果、紹介患者を受け入れた病院では大きな経済的効果が得られています(その内容は1月18日開催の日本医療マネジメント学会第10回沖縄県支部学術集会で報告)。“離島・へき地の病院は、超規模・大規模病院の外来部門の側面を担っている”と捉えると、全力で応援できます。徳洲会はひとつなのです。

これまでは思いやりの精神だけで離島・へき地医療を継続してきた感がありますが、これからは医療経済的な視点ももちながら、離島・へき地医療を展開していくというのはいかがでしょうか。グループがひとつとなり、皆で頑張りましょう。

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