徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2019年(平成31年)1月1日 火曜日 徳洲新聞 NO.1166 二面

グループ予想図
高精度の診断・治療に貢献
AIが拓く未来医療

「AI技術を積極的に導入していきます」と尾﨑社長 「AI技術を積極的に導入していきます」と尾﨑社長

「2019年は医療の分野でAI(人工知能)の開発が、よりいっそう進展する年になり、近いうちに実用段階を迎えるAI技術も登場してくるでしょう。AIは医療資源やマンパワーが乏しい離島・へき地の医療の質向上に資する大きな可能性を秘めています。このため徳洲会グループはAI技術を積極的に導入していきます」。こう話すのは、徳洲会インフォメーションシステム(TIS)の尾﨑勝彦社長だ。

AIは、人間の神経細胞の仕組みを模したディープラーニング(深層学習)と呼ばれる機械学習の技術の登場により、近年、劇的な進化を遂げている。

2015年2月、AIは画像認識に関し人間の精度を超え、翌16年3月には囲碁に特化したAIである「AlphaGo(アルファ碁)」が、囲碁の世界チャンピオンと五番勝負を行い4勝1敗と圧勝。それぞれAI技術の進展を見せつける出来事となった。

もちろん、人間に勝つことそれ自体は、全体として見れば通過点に過ぎない。精度や性能を高め、ビジネスとして成り立たせながら、企業活動や社会生活のさまざまな場面で恩恵をもたらす実用可能なAIの実現が目標だ。すでにインターネット検索エンジンや音声認識のアシスタントなど身近なものから、金融機関の融資審査、企業のマーケティング活動や製品検査、物流最適化など多岐にわたる領域で実際にAIの活用は始まっている。

がんが疑われる部位があると内視鏡画面上にマーキングされ、がん発症の確率も表示(画像提供:多田智裕AI メディカルサービス会長) がんが疑われる部位があると内視鏡画面上にマーキングされ、がん発症の確率も表示(画像提供:多田智裕AI メディカルサービス会長)

こうしたなか、研究段階ながら医療の分野では画像診断にAIを活用する動きが先行して進んでいる。徳洲会グループも18年、消化器内視鏡のAI画像診断支援システム開発会社「AIメディカルサービス」とともに、同システムの共同研究を開始。同システムは画面内に、がんの疑いがある部位が映り込むと、画面上に四角形の枠線でマークし、がんである確率を表示するという仕組みだ。現在、湘南鎌倉総合病院(神奈川県)、湘南藤沢徳洲会病院(同)、岸和田徳洲会病院(大阪府)が共同研究に参画。今後、参画施設を増やしていく計画だ。

同社が18年に発表した研究成果によると、6㎜以上の胃がんを98%と高い精度で発見し、1画像の診断にかかる時間はわずか0.02秒。

その後の改良により、リアルタイム診断が可能となり、食道がん、大腸がんにも対応。現在は実用化に向け、プロトタイプ(原型機)での試験を続けている。

このような内視鏡画像の診断支援に加え、徳洲会は19年、医療機器などを製造する大手企業と、胸部X線画像やCT(コンピュータ断層撮影)、MRI(磁気共鳴画像診断)など画像診断へのAI活用を、共同研究として取り組んでいく計画もある。

徳洲会グループは離島・へき地病院に対し、CTやMRIなどを積極的に導入し、都市部並みの医療提供を心がけてきた。「近い将来、内視鏡の診断支援や各種画像診断のAIが実用化されれば、専門医がいない施設でも、画像診断のアシスト機能により精度の高い診断が期待できます」(尾﨑社長)。

TISは、すでに技術が確立しつつある画像診断のようなAIに関しては、外部サービスを活用する考え。一方、未確立の技術に関しては自前で開発に取り組んでいく計画だ。

具体的には「Aⅰ(アイ)カルテ構想」の実現を目指す。これは、電子カルテに記載した患者さんの診療情報や画像、検査データに加え、文献データなども総合的に分析し、最適な診断や治療選択を支援するというもの。

「たとえば“頭が痛い”というカルテ中の言葉を“頭痛”に変換するなど、“カルテ文言の構造化”を行うことで、ビッグデータの統計処理が容易になります。こうした技術を応用することで、電子カルテに情報を記載するほど鑑別診断が絞り込まれ、診断をサポートする機能などの搭載につながります」と構想を明かす。

徳洲会グループは、患者さんへの最適な医療提供に資するAI技術の導入を積極的に推進し、Aⅰカルテなど新たなツールの開発にも取り組んでいく。

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