
直言
Chokugen

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直言 ~
鈴木 隆夫(すずきたかお)
一般社団法人徳洲会理事長(東京都、大阪府)
2019年(平成31年)1月1日 火曜日 徳洲新聞 NO.1166
2020年春の開校に向け、いよいよ今年は学校法人徳洲会・湘南鎌倉医療大学(仮称)の準備が大詰めを迎えます。18年12月に文部科学省の面談を経て地鎮祭を行い、本格的に建設工事が始まりました。
徳洲会グループの大学をつくることは、私にとって長年の夢でした。まず看護学部を皮切りに、放射線物理学部、公衆衛生学部、リハビリテーション学部、栄養学部、医療情報技術学部、医療経営学部へと夢は広がります。“生命だけは平等だ”の徳洲会の理念の下、「いつでも、どこでも、誰でもが最善の医療を受けられる社会」の実現を目指し、人種、国境、宗教を超えた“真実”を、将来の医療を担う若者たちと共有したい。大学のキャンパスを学生たちが誇らしげに歩く姿を想像すると、胸がふくらみます。
18年末、医療の第三者評価として世界で最も厳しいとされるJCI認証を岸和田徳洲会病院(大阪府)と福岡徳洲会病院が受審。前者はすでに認証を取得し、後者が合格すれば北海道、関東、関西、九州、沖縄の8つの拠点病院が、JCI認証取得病院となります。
元来、JCI認証は世界品質の医療を担保するもので、そこで求められる指標や基準は医療経営のツールとして、とても優れています。今後は一般社団法人徳洲会に品質管理部門を設置し、グループ全体の質の向上を図りたいと考えています。意思決定や報告ラインなど組織構造、業務過程や手順などプロセス、有害事象の減少や患者満足度の向上といったアウトカム評価など、グループ全体が共通する指標に基づき、医療の質を向上させる取り組みを開始します。
先日行った職員満足度調査では、都市部の病院から離島・へき地の病院に至るまでグループ職員の皆さんが、徳洲会の理念や使命、目標を理解し、今の仕事にやりがいを感じて高いモチベーションで職務を遂行していることを知り、非常に嬉しく感じました。
その一方で、待遇面やご家族への配慮に対し、否定的な意見が多いこともわかりました。また医療安全分野の意識や環境整備が未熟であることなど、組織としての課題が多く発見できた実り多い取り組みでした。これらの結果を真摯(しんし)に受け止め、ひとつずつ改善していきたいと考えています。
これまでの徳洲会は、いかに量をこなすかを重視するあまり、職場環境を軽視してきました。「仕事の報酬は仕事」という側面を保ちながら、無駄な業務やけじめのない働き方を見直していきます。
政府が推進する働き方改革を、最大の好機と捉え、幹部や職員の抜本的な意識改革を図り、今までの悪しき習慣から抜け出していく方針です。
そのためにはAI(人工知能)やRPA(ロボットによる業務自動化)など科学技術を積極的に導入することが必須です。武田薬品工業の「湘南ヘルスイノベーションパーク」を拠点に本格的なAI開発が今年度から始まります。
テクノロジーは利益追求や人減らしの道具ではなく、より多くの職員を単純作業から解放し、待合室のカウンター内や事務室から外に出すための手段です。検体検査部門の全自動化やCT(コンピュータ断層撮影)、MRI(磁気共鳴画像診断)、単純エコーの画像、病理画像の読影などテクノロジーによる代行が可能な業務はテクノロジーに任せ、医療者のみならず、より多くの職員を単純作業から開放することで、患者さんと向き合い、患者さんのそばに寄り添って、親切に応対する余裕が生まれるのです。
徳洲会が目指す「いつでも、どこでも、誰でもが最善の医療を受けられる社会」は、AIの活用によって都市部と離島・へき地の医療格差を縮小する大きな可能性を秘めています。
質・量ともに日本一の医療を提供する徳洲会でありたい。その道のりは誰も歩いたことがないほど遠く、試行錯誤を繰り返しながら、小さな成功体験を積み重ねることでしか成し得ない終わりなき旅路です。
皆で頑張りましょう。

直言 ~
福島 安義(ふくしまやすよし)
一般社団法人徳洲会副理事長
2019年(平成31年)1月1日 火曜日 徳洲新聞 NO.1166
新年、明けましておめでとうございます。今年は平成最後の年であり、新しい元号の始まる年でもあります。私たち徳洲会グループにとっても、新たな地平を拓く年になってほしいと願っています。現在の医療はひとりで行うものではありません。患者さんを中心に、チームで行う医療です。良い医療を提供するにはチームを構成する人々のコミュニケーションが、しっかりと取れていることが必須になるのです。
どんなに優れた能力をもつ人がいたとしても、チーム内のコミュニケーションが取れない状態であれば、良好な医療を提供することはできません。コミュニケーションを崩す最たるものはハラスメント(嫌がらせや相手を不快にさせる言動)です。今、さまざまなハラスメントが注目され、問題になっています。私たちのグループのコンプライアンス・ホットラインに通報される内容でも、最も多いのがパワーハラスメントです。
ハラスメントの撲滅は、ハラスメントを排除しようとする心から始まるように思います。その心を常にもってすればハラスメントはなくなります。良いチームをつくるために私たちのグループからハラスメントをなくす努力をしていきましょう。私たちは“生命だけは平等だ”の理念の下、「いつでも、どこでも、誰でもが最善の医療を受けられる社会」を目指し医療を行っているのですから。

直言 ~
安富祖 久明(あふそひさあき)
一般社団法人徳洲会副理事長
2019年(平成31年)1月1日 火曜日 徳洲新聞 NO.1166
明けましておめでとうございます。2018年末にふたつの嬉しいことがありました。ひとつは北谷(ちゃたん)病院(沖縄県)の徳洲会グループ入りです。44人の職員の皆さんが加わったことで、徳洲会の理念を共有する仲間が増えました。さらに慢性的に満床状態が続いていた中部徳洲会病院(同)のベッドコントロールの一助にもなります。
もうひとつは南部徳洲会病院(同)のJCI(国際的な医療機能評価)認証が更新できたことと、岸和田徳洲会病院(大阪府)が新たに同認証を取得したことです。
同認証の目的は患者さんの安心と安全を組織全体でハード、ソフト、システム面から、どう担保していくか。また、すべてのスタッフがチームとして活動して問題点を洗い出し、解決のため、どのような指標を立て実行するか。その結果、患者さんへの有害事象・警鐘事象の減少、予後の改善、患者満足度の向上が得られたかを国際基準で厳しく審査することです。
医療が高度化・緻密化し、患者さんのニーズや医療の多様化、また人口の高齢化などから、患者さん中心の医療を行うためにはチーム医療の推進が不可欠です。多くの医療従事者がフィードバックしながら最善の医療を提供する。これにはスタッフ間のコミュニケーションが非常に重要です。患者満足度、職員満足度の向上にもつながっていくからです。