STORY1救急指定病院
Story1 Emergency designated hospital
Story1 Emergency designated hospital
救急医療において重要な役割を担う救急指定病院。
都道府県知事により告示、指定される医療機関で、重症度によって3段階の体制がとられています。
救急指定病院を中心とした救急医療では、近年、受け入れ困難なケースが増加するなど様々な問題も指摘されています。
救急指定病院は都道府県知事が告示し指定する病院で、消防法2条9項による1964年(昭和39年)の「救急病院等を定める省令(昭和39年2月20日厚生省令第8号)」に基づいています。
具体的な指定要件として次の4点が定められています。
これらの要件を満たした医療機関が、救急指定病院に指定されています。
都道府県ごとに作成される医療計画において、初期、第二次、第三次救急医療の3段階に分かれた救急医療体制が整備されています。初期救急(一次救急)とは、入院や手術を伴わない医療で、各都道府県で数ヵ所ずつ設置されている休日夜間急患センターや地域の病院や医院が交替で診療する在宅当番医などによって行なわれる物です。
耐えがたい苦痛を訴えて来院する患者様や、救急車によって搬送されてくる患者様の病状や緊急性を迅速に判断し、適切な診療を施します。
なかでも、生命の危機が迫る患者様については、救命を第一に対応。
必要によってはより高度な医療機関や専門的な医療機関へ紹介、転送するなどのニーズにも対応しています。
近年、救急患者の受け入れ先が見つからず死亡するなど、救急医療が機能しなくなっている傾向が見られます。 総務省消防庁の「救急搬送における医療機関の受け入れ状況等実態調査」によると、2009年(平成21年)に救急搬送された重症者のうち、約3%が4回以上医療機関に照会していました。中には11回以上照会したケースもあり、その多くが東京都、埼玉県、大阪府など都市部に集中しています。
救急医療が機能不全に陥っている要因として、安易な救急利用(コンビニ受診)の増加、高齢化による救急患者の増大、救急を担う医療機関の減少などが挙げられます。救急病院が減少することで患者が大病院に集中し、救急要請があってもベッドが空いていない、別の患者の処置中などで受け入れができないといった事態にもつながっています。
安易な救急利用については、症状により優先度を付ける「トリアージ」を行なう、時間外外来における緊急性の低い患者に対しては、通常の診療費に加えて時間外選定療養費の負担を求めるなどの対策を取る病院が出てきています。