徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

直言

Chokugen

医療法人徳洲会 常務理事
福岡徳洲会病院 院長
乘富 智明(のりとみともあき)

直言 生命 いのち だけは平等だ~

乘富 智明(のりとみともあき)

医療法人徳洲会 常務理事 福岡徳洲会病院 院長

2026年(令和8年)03月23日 月曜日 徳洲新聞 NO.1535

組織の成長のために次世代の育成を
徳洲会育ちが徳洲会発展の原動力に
グループ病院への応援を通じその必要性を痛感

当院は九州ブロック最大規模の病院で、常時、医師の応援要請を受けています。私は当院に入職して10年が経過、前半5年間は外科部長、後半5年間は院長としてグループ病院への医師の派遣にかかわってきました。この10年間を振り返り、グループ病院への応援のあり方を考えてみようと思います。

機構改革と職員たちの努力により 専攻医がグループ外や県外からも

応援医師の派遣を考える際、日本専門医機構による専門研修制度は無視できない問題でした。専門研修プログラム専攻医は単純な労働力ではなくなり、私たちには彼らを教育する義務が課せられました。グループ病院への応援派遣に際してもプログラムとの整合性を考慮する必要が生じました。急性期の診療機能充実には大学から医師を派遣していただくことがあるかもしれませんが、大学から派遣された医師はグループ病院へ長期の応援には行けません。これは、応援派遣の人材確保に大きな障害となりました。大学派遣ではなくても病院の機能充実のために雇用された専門医に、自院の勤務を調整しグループ病院の応援に出てもらうことも困難です。これらの先生方は各々の専門領域で膨大な診療件数を抱えており、とても他院の応援に行ける状態ではありません。

こうしたことは昨年、グループを挙げて外科応援医師を募集した時に思い知らされました。そこで、徳洲会のために働く人材は、私たち自身の手で育てなければならないとの思いを強くしました。

日本専門医機構による専門医制度も発足から10年が経過し、医療界に完全に定着した感があります。当院では初期研修医は毎年12人枠でフルマッチしますが、専攻医のリクルートには苦労していました。専門研修基幹プログラムは内科、外科、形成外科、麻酔科、救急科、総合診療科などがあり、制度開始から最初の3年ぐらいは、プログラム専攻医の入職者が毎年1人か2人で、酷い時にはゼロの年もありました。私が2020年に院長に就任した後、臨床研修の管理体制を見直し、卒後教育センターの中の管理部門を初期研修と専門研修プログラムに分け、それぞれに研修の管理とリクルートを行う専従職員を配置しました。職員たちの努力の結果、専攻医からも院内どころか、グループ外や県外から入職希望の問い合わせが来るようになりました。

もちろん、勧誘だけではなく、各プログラムに若い人が魅力を感じなければ相手にされません。当院の基幹プログラムをもっている診療科は、とくに、こちらからお願いはしなくても、自ら若い人にアピールするような診療内容と教育体制の充実に努力するようになっています。その甲斐あってか、26年度は全科合わせ11人がプログラム専攻医として入職予定です。

診療科として実力を向上させるには、新規治療の導入や、外部から新しい指導者を迎え入れ診療科のアップデートを図ることがあるかもしれません。私は徳洲会に入っていただく専門家の先生には、ぜひ、後継者の養成をお願いしたいと思います。また、病院の成長のためには大学から医師の派遣を受けることも必要でしょう。しかし、医師派遣と引き換えに、徳洲会病院が大学への人材供給源としての価値しか認められないような存在になってはいけません。徳洲会育ちの人材が徳洲会を成長させる力になれるよう、私たち自身も努力しなければなりません。

日鋼記念病院への外科応援体制 長期間持続できるスキーム発案

当院の外科は与論、沖永良部、山川、神戸、仙台など多くのグループ病院を支援してきました。とくに神戸には若手レベルではなく、部長とそのスタッフにより、月単位の応援を回しています。しかし、これだけの応援を同時に出していたので、さすがに当院も人材が尽きてきました。そこで、日鋼記念病院には自分で行くことにしました。

同院では26年3月末に外科の大学派遣医師が引き上げるため、徳洲会外科チームが引き継ぎます。当院の外科常勤2人に加え、全国のグループ病院から交代応援2人をいただき、4人体制でのスタートです。この外科応援体制は福田貢・副理事長の発案で、長期滞在の常勤医を核とし、そこに2週間交代の応援医師を絶え間なく送り、長期間持続できる応援体制とするのが目標です。今後のグループ病院支援の一つの“型”となるかもしれません。徳洲会の誇りにかけ、皆で頑張りましょう。

PAGE TOP

PAGE TOP