徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

直言

Chokugen

南部徳洲会病院(沖縄県) 院長
服部 真己(はっとりまさき)

直言 生命 いのち だけは平等だ~

服部 真己(はっとりまさき)

南部徳洲会病院(沖縄県) 院長

2025年(令和7年)09月16日 火曜日 徳洲新聞 NO.1509

沖縄県初となる陽子線治療施設を含む
先端医療センターと将来的な新築移転
構想を実装し徳洲会の未来を現場力で切り拓く

8月1日、徳洲会本部と8時会オンライン中継がありました。東上震一理事長はじめ執行理事の先生方からの話を直接拝聴する良い機会であると職員に伝え、多くの職員が出席しました。この8時会では当院の積極的な姿勢を称えていただき、とても嬉しく思いました。また新たな展望も披露していただき、当院は職員一丸となり、これからも徳洲会の理念、原点を色濃く継承しつつ、充実・発展していくよう、これまで以上に精進していく覚悟です。

まず手術室増築とPET-CT導入 当院のさらなる飛躍に欠かせず

当院は沖縄県初となる陽子線治療施設を含む先端医療センター構想と、増改築・新築、将来の移転まで視野に入れた大プロジェクトに取り組んでいます。8時会では当院に期待をかけていただき、光栄に思う一方、沖縄ブロック担当理事で中部徳洲会病院総長の伊波潔・専務理事から「この規模を語るなら利益率は15%を超え18%を維持し、20%にも届くくらいの体力・実績がなければ話にならない」と厳しくも温かい叱咤を賜りました。私は即日、これを全職員と共有し、判断と行動の“物差し”にしました。直近6、7月は主要指標でブロック上位に達しましたが、内容はなお途上で、ここからが本当の変革期スタートです。

当院がさらに成長するためには、まず手術室増築とPET-CT導入に着手したいと考えています。現行の人員でも手術件数の増加と、悪性腫瘍診療の質向上を同時に狙える対策から始め、収益構造と診療体制の双方を底上げします。手術室では各工程を見直し、スリム化とスピードアップに着手して麻酔稼働も強化し、増室効果を最大化します。PET-CTについては、病期診断と治療方針決定の精度を押し上げるよう計画しています。沖縄は慢性的にPET-CT不足であり、検査待機期間が長くなっています。このため、当院が地域のがん診療の広域連携ハブになることを目指します。島嶼地域の医療アクセス格差の縮小にも資する取り組みとして位置付け、段階的に拡張します。がん診療でのPET-CTの有用性は、近年、ますます重要になってきており、早期導入を願っています。

全国的に人口構造の変化を見据えた医療提供体制の再編が進み、「治す医療」と「治し支える医療(・介護)」の機能分化と連携が強く打ち出されています。私たちの地域でも例外ではありません。それでも沖縄は人口減少が始まっている他県とは異なり、2040年までは医療ニーズが増加を続けると試算されており、救急出動・搬送は過去最多を更新、とくに高齢の方の搬送と構成比率は一貫して増加傾向にあります。沖縄では医療提供体制の再編・改革が拙速に過ぎると、現状とバランスを取るのが難しいところがあります。

患者さんが「詰まらない」よう 地域動線をつくり成果を最大化

こうしたなか、近隣の大規模急性期病院の一部は、高齢者救急の受け入れ継続に慎重な姿勢を示し始めています。受け皿の縮小は、地域医療の逼迫につながります。このため当院は“生命だけは平等だ”の徳洲会の理念を堅持し、従来通りの救急体制を維持する考えです。同時に、地域連携を一段と強化します。具体的には、下り搬送を滞らせないベッドコントロールの可視化・専任化、移送手段(救急車・民間救急車・介護タクシーなど)の計画的な増加、回復期・在宅へのスムーズな橋渡しを担う調整機能の拡充です。患者さんが「詰まらない」地域動線をつくり、現場の負担を軽くしながら成果を最大化します。それが私たちの役割です。理念と実装は一体なのです。

今、病院は厳しい逆風のなかにあります。直近の調査では医業赤字の病院が約7割、経常赤字も6割を超えるとの報告があります。だからこそ、少数精鋭で真摯に医療を積み重ねてきた徳洲会の持続力は、社会的な意味を増しています。私たちは、さらに安全で、感染・褥瘡・身体抑制がないよう目標を高く設定し、「人が少なくても質で勝つ」徳洲会ならではの現場運営をデータで示していきたいと考えます。

構想は夢ではなく工程表に、標語は日々の行動に──。手術室増築とPET-CT導入を先行投資として、沖縄から徳洲会の底力をより鮮明に証明します。当院は患者さんに安心と最新・最善の手厚い診療を、職員・仲間たちには成長する実感とやりがい、未来を届けられる存在になることを目指します。

皆で頑張りましょう。

PAGE TOP

PAGE TOP