徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

直言

Chokugen

帯広徳洲会病院(北海道) 院長
竹之内 豪(たけのうちごう)

直言 生命 いのち だけは平等だ~

竹之内 豪(たけのうちごう)

帯広徳洲会病院(北海道) 院長

2024年(令和6年)12月09日 月曜日 徳洲新聞 NO.1470

一人でも多くの患者さんを救うとともに
医療安全を徹底し地域に頼られる病院に
将来はハートチームつくりTAVIを実現へ

私は山口県下関市に生まれ、大学は金沢大学に進学しました。医師を志したのは、子どもの時分に、よく面倒を見てもらった祖母を心不全で亡くしたからです。今、振り返れば循環器内科を専門に選んだのも、それが大きく関係していると思います。

初期研修は福岡徳洲会病院です。実家からそう遠くなく、見学した時に、研修医の先生方の雰囲気が良かったのが決め手でした。2009年に同院に入職し、忙しい毎日でしたが、上級医の先生方に、よく飲みに誘っていただき、そこでも医療に関するさまざまなことを教わりました。その時のことは私の大きな財産になっています。

“断らない医療”を日々実践 2度の循環器内科立ち上げ

2年次の地域医療研修では、鹿児島県の徳之島徳洲会病院に行きました。福岡病院という都市部の病院から徳之島病院に入り、大きなギャップを感じたのを思い出します。福岡病院では専門がきちんと分かれていますが、徳之島病院では総合力が求められます。「これが徳洲会なんだ」と実感しました。

当時、同院では福岡病院と札幌東徳洲会病院の研修医が地域医療研修を受けていたのですが、そこで札幌東病院の後平泰信先生(現・札幌外科記念病院院長)と知り合いました。後平先生は優秀で、ものの考え方など私にないものがあり、感化されることが多かったです。後平先生から「研修を終えたら札幌東病院の循環器内科を見に来ないか」と誘われ、見学に行ったところ、猛烈な勧誘を受け、後期研修は同院で行うことになりました。湘南鎌倉総合病院(神奈川県)心臓センター長の齋藤滋先生が、札幌東病院の循環器センター長を兼務されていたことにも強く魅かれました。齋藤先生の下で研修を受けることは、循環器の道を歩んでいくうえで可能性が広がります。また、症例が豊富なことも大きな魅力でした。

11年に同院に着任し、実際に循環器内科で後期研修が始まりましたが、当時はマンパワーが足りていなくて、いきなり、もの凄い負荷がかかってきました。当時の記憶は、日がとっぷりと暮れ、暗くなった病院の窓くらいしかありません。こんな日々が5年くらい続きました。その後、徐々に下に若い先生たちが入ってきて、診療体制も充実してきたのですが、22年に札幌徳洲会病院に循環器内科部長として異動となり、同院の循環器内科を立ち上げることになりました。

当時は、ほとんどの心臓カテーテル治療を私も含め2人の医師が、24時間体制で担当していました。徳洲会の“患者さんを断らない医療”を実践していたのです。こうしたなかで、反省すべきは医療安全管理の重要性を顧みなかったことです。今後、医師として医療安全の徹底を肝に銘じ、患者さんを診ていく所存です。

10月1日付で帯広徳洲会病院の院長職を拝命しました。当院でも私に課せられたのは循環器内科の立ち上げです。札幌病院での経験を踏まえ、一人でも多くの患者さんを救うとともに、私も含め職員全員が医療安全に万全を期し、地域に頼られる病院にしてまいります。徳洲会は、患者さんのためになっている良い組織です。私は徳洲会に育てられましたので、この帯広の地で恩返しをする機会をいただいたと思っています。幸いにも札幌病院で苦楽を共にした石川航平先生も一緒に来てもらい、大変心強いです。石川先生は医師6年目で、伸び盛りの先生ですから、まだ札幌病院で研鑽を積んでいたほうが良かったのではないかと思ったりもしますが、当院の循環器内科を早く立ち上げ、多くの患者さんに来ていただけるようにしてまいります。

急性期医療が手薄な当地域 循環器診療の出番は十分に

目下、医師をはじめスタッフのリクルーティングに注力しています。新たな設備の導入やカテ室の工事も行います。札幌東病院で一緒に仕事していた堀里美・看護部長もおりますので、頼もしいです。また、札幌東病院や神戸徳洲会病院消化器内科からの応援に感謝しています。当地では急性期医療が手薄になっているようですので、循環器診療の出番は十分にあり、行き先に困っている患者さんを診る使命感も湧いてきています。将来的には心臓血管外科の先生を含めたハートチームをつくり、TAVI(経カテーテル大動脈弁留置術)を施行することを夢見ています。

全職員一丸となって、皆で頑張りましょう。

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