徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2020年(令和2年)6月29日 月曜日 徳洲新聞 NO.1242 一・二面

吹田病院 日本人間ドック学会の施設認定
バージョン4を徳洲会で初取得

吹田徳洲会病院(大阪府)は、日本人間ドック学会の「人間ドック健診施設機能評価バージョン4」の施設認定を取得した。同バージョンの認定を取得したのは徳洲会グループで初めて。これは人間ドックの質の向上と、継続的な改善が可能な施設を増やすことを目的とした機能評価で、3領域14項目140カ所について書面および実地で審査。同院は医師、看護師、検査技師、事務担当者でチームを組み、1年がかりで準備を進め、120カ所でA評価を受けた。今後は、審査を機に立ち上げたフォローアップ体制や保健指導体制などについて、さらに質を高めていく。

更衣室とは別に女性専用待合室を用意ワンチームで人間ドック健診施設機能評価取得に向け尽力した健診センターメンバー。左から岩本看護師、石川センター長、薫陸双葉看護師、琉・検査技師、浅井浩子・検査技師、吉川愛子事務員、新宅麻友事務員、鎌船・副センター長

同機能評価は、書面および実地で①理念達成に向けた組織運営、②受診者中心の良質な健診の実践、③継続的な質改善の取り組み――の3領域について審査。旧バージョンよりクリアしなくてはならない課題が増え、徳洲会では同バージョンの取得は吹田病院が初めて。4月25日に取得。

審査項目は多岐にわたり、同院では、この機能評価のため、石川健治・健診センター長(人間ドック健診専門医・指導医)、事務担当の鎌船敦・同副センター長兼国際医療支援室副室長(診療放射線技師)、岩本真里看護師、琉健二・臨床検査技師の4人が中心となり、2019年4月から約1年かけて準備した。具体的には各種マニュアルや書類の作成、フォローアップ体制や保健指導体制などの構築、BLS(一時救命処置)訓練実施など。

とくに苦労したのがマニュアル作成だ。血液検査、超音波検査、胸部X線検査、上部・下部消化管内視鏡検査、診察、受診者の呼び出しなど、健診センターで受診者さんが受けるすべての行為について、それぞれ学会が規定する基準に沿ったマニュアルの作成が求められ、「そこまで細部にわたるマニュアルの用意がなく、かなり大変な作業でした」と、メンバーらは振り返る。しかし、マニュアル化の過程で一つひとつの行為を再確認でき、「足りていない部分が明らかになりました。あらためて検査などを見直す意義は大きかった」と琉・検査技師。

健診センター内で急病人が出た際の対応もマニュアル化した。「健診センターは主に健康な方がいらっしゃることから、これまでセンターとしてBLSは訓練してきませんでした。今回の受審で、そこまでの配慮が必要だと気付かされました」(岩本看護師)。

また、同院の19年度の人間ドック受診件数2183件のうち、海外からの受診が609件と全体の約3分の1に及ぶため、同院国際医療支援室とも連携を図りながら、健診センターで必要な外国語会話集なども作成。

更衣室とは別に女性専用待合室を用意更衣室とは別に女性専用待合室を用意

精密検査が必要な受診者のその後を追跡するフォローアップや、メタボリックシンドローム(代謝症候群)の患者さんに対する保健指導の体制もほぼゼロからの構築だった。岩本看護師は人間ドック健診情報管理指導士(人間ドックアドバイザー)講習会を受講し、これらについてもマニュアルを作成。何度も改変を重ねながら、自院の状況や学会の規定に見合うものをつくってきた。

「この機能評価では改善は必須です。1年間、マニュアルだけでなく随所で、必要と感じた都度、改変を重ねてきました。この点は、実地調査でサーベイヤー(審査員)にも高く評価されています」(石川センター長)

予約パック導入 待ち時間を解消

健診センター内は、女性専用エリアからトイレや各種検査室に行く動線を別に確保健診センター内は、女性専用エリアからトイレや各種検査室に行く動線を別に確保

今回の受審を通じ、大きく改善された点のひとつが、受診者の待ち時間解消。かつては、繁忙期には1人当たり最大45分前後の待ち時間があり、受診後のアンケートでもたびたび指摘された。同院ではこれを解消するため、ドックや健診・検診を「人間ドックで脳MRI検査が組み込まれたパック」、「人間ドックで子宮頸(けい)がん検診が組み込まれたパック」、「協会けんぽで上部消化管内視鏡検査が組み込まれたパック」など、検査内容ごとに細かく分類した予約パックを作成。検査項目が多い人間ドックパックの受付時間を早めに、項目が少ない協会けんぽパックは遅めにずらすなどした。

加えて、その後の各検査の実施時間も重ならないよう綿密に計算して予約パックごとのタイムラインを引いた。

これにともない、スムーズな動線となるよう検査室も一部場所を変更、内視鏡センターや産婦人科、乳腺外科、PET(陽電子放射断層撮影)センターなど関連する他部署とも連携を取りながら、徹底的な効率化を図った。「たとえばエコー検査は時間がかかりますが、それをどこのタイミングで行うかは、これまでスタッフ個人の経験と勘に頼っていました」と石川センター長。この予約パックの導入により、熟練スタッフでなくても予約の受け付けができるようになった。

同パックが機能するかスタッフが健診センター内を実際に歩いて動線を確認しつつ、10回以上にわたって改変してきた結果、センター内の各検査での待ち時間はほぼ解消され、「アンケートでも待ち時間に関するご指摘は、ほぼなくなっています」と石川センター長は胸を張る。

アンケートを回収するタイミングも変更した。従来は、結果を送付する際にアンケートを同封し返送してもらっていたが、回収率は24%にとどまっていた。これを受診後すぐに記入してもらうことで、回収率は90%にまで上昇。それだけでなく、「センター内が寒かった」など従来の回収方式では得られなかった具体的かつ新鮮な意見が聞けるようになった。寒さ対策としては、温度管理表を作成して1日3回チェックし室温を一定に保ったり、ガウン貸し出しの声がけをこまめに行ったりして対応している。

オンリーワン&ナンバーワンへ

同院が同機能評価受審に向け動き出したきっかけは、石川センター長が19年2月に同院に着任した際、「ナンバーワン(グループでメディカルツーリズムの人間ドック件数1位)&オンリーワン(日本人間ドック学会バージョン4の施設認定を徳洲会グループで初取得)」のふたつの目標を掲げたからだ。

同院はもともと疾患の治療だけでなく予防医療にも注力しており、19年度には人間ドックに加え、協会けんぽ生活習慣病予防健診や企業健診、市民健診・検診など、合わせて年間約7000人の受診者に健診や検診を提供してきた。

同機能評価の取得にあたっては多忙を極めたが、「選ばれる施設になりたいと皆で力を合わせました。ひとつの目標に向かってワンチームになれたことが、いちばん良かったと思います。忘れられない一年になりました」と鎌船・副センター長は目を細める。

今後は受審を機に始めたフォローアップや保健指導について、さらに実施数を増やしていく考え。「現在は人間ドック受診者の18・3%の方に保健指導していますが、今年度中に25%、5年後には半数の方に運動、食事、その他の生活改善に向けたアドバイスをすることを目標にしています」と岩本看護師は意欲を見せる。また、健診の質向上の指標としては日本総合健診医学会の優良認定もあり、「そちらも狙っていきたい」と鎌船・副センター長。

人間ドックと協会けんぽや企業健診では、受診者の健康に対する関心やニーズが大きく異なることから、石川センター長は「将来的には両者の受診場所を分離していきたい」と抱負を語っている。

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