徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

直言

Chokugen

棟方 隆(むなかたたかし)帯広徳洲会病院院長(北海道)

直言 生命いのちだけは平等だ~

棟方 隆(むなかたたかし)

帯広徳洲会病院院長(北海道)

2020年(令和2年)1月13日 月曜日 徳洲新聞 NO.1218

地域包括ケアシステムの構築へ貢献
“住みやすい自治体”づくり目指す
音更町医療・介護連携推進会議に参画

当院が位置する音更(おとふけ)町は広大な十勝(とかち)平野の中央部にあり、中心都市である帯広市に隣接、人口は北海道の町村で最多の約4万5000人を有しています。農業を基幹産業とし、小麦や小豆の作付面積・収穫量が日本一となっているほか、家畜改良センター十勝牧場は国内に12カ所ある家畜改良センターのなかでも最大規模を誇ります。当院は2001年6月に徳洲会グループ50番目の病院として新規開院し、18年半が経過しました。開院当初から一般外来や救急対応はもとより、高齢者施設との連携や在宅医療のバックアップ病院としての機能を重視し、14年秋には徳洲会グループで最初の地域包括ケア病床を開設。開院以来、地域に根差した病院づくりを目指してきました。

最重要課題は「医介連携」会長として組織形成に尽力

地域包括ケアシステムとは、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援を一体的に提供する仕組みで、団塊の世代が75歳以上となる25年をめどに、国が地方自治体にその構築を14年から求めています。このシステムは①医療・看護、②介護・リハビリテーション、③予防・保健、④生活支援・福祉サービス、⑤住まいと住まい方――の5つの構成要素があり、しばしば植木鉢と土と葉にたとえられることがあります。このシステム構築で最も重要な課題は、医療と介護の連携です。

厚生労働省は自治体の具体的な取り組みとして、①地域の医療・介護の資源の把握、②在宅医療・介護連携の課題の抽出と対応策の検討、③切れ目のない在宅医療と在宅介護の提供体制の構築推進、④医療・介護関係者の情報共有の支援、⑤在宅医療・介護関係者に関する相談支援、⑥医療・介護関係者の研修、⑦地域住民への普及啓発、⑧在宅医療・介護連携に関する関係市町村の連携――の8つの事業項目を挙げています。

国は14年にその構築を提唱しましたが、音更町の取り組みが遅かったため、16年春頃に、音更町保健福祉部を訪問して音更町の将来像をうかがい、当院もその構築に協力可能な体制を整えていることを伝えました。そのかいもあってか、18年6月に音更町医療・介護連携推進会議が発足。私が会長に任命されました。会の発足後に具体的方針を決める検討部会を組織。町内の主要な医療・介護関係者を中心に、当院勤務後に開業した医師やケアマネジャー、当院の現職員も数人入れさせていただき、帯広保健所の保健師もオブザーバーで加わっていただきました。

町民向け講演会170人参加 “顔の見える多職種連携”へ

発足後の最初の活動としては医療・介護事業所の一覧作成、入退院時の連携ルール確認、医療・介護の連絡票作成を行いました。その後、昨年1月に医療・介護関係者向けの口腔(こうくう)ケアに関する研修会を行い、10月には「音更町における訪問診療・訪問介護について」というタイトルで、町民向けの講演会も開催。私が司会進行を務めさせていただき、当院に勤務経験のある、おとふけホームケアクリニック院長の阿部郁代先生と木野東クリニック院長の後藤幹裕(みきひろ)先生には訪問診療、ちせ訪問看護ステーション代表理事の片岡順子看護師には訪問看護について講演していただきました。パネルディスカッションも催し、参加者からの質問に答えたり、今後の課題について検討したりしました。

町民約170人にご参加いただき、成功裏に終えることができました。講演後のアンケートでも「有意義な話を聞けて大変勉強になった」など好評でした。さらに連携を深めるために、タブレット端末やスマートフォンで利用可能な医療・介護多職種連携情報共有システムの運用準備を進めており、実践するための医療・介護関係者向けの研修会を予定しています。

訪問診療や介護を行う医療・介護機関の不足、高齢者住宅の整備、地域住民へのさらなる啓発活動など、抱えている課題は少なくありませんが、近い将来、医療・介護連携推進会議を通じ、“顔の見える多職種連携”をさらに進め、音更町とも協力しながら当地での地域包括ケアシステム構築を目指したいと考えています。結果として音更町が十勝管内で最も高齢者が住みやすい自治体として認識されれば幸いです。徳洲会グループが超高齢社会での街づくりに貢献できるよう、皆で頑張りましょう。

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