徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2020年(令和2年)1月1日 水曜日 徳洲新聞 NO.1217 二面

グループ予想図
包括的がん治療を積極推進 先端医療センター開設

先端医療センターの完成予想図(手前の赤線で囲んだ建物) 先端医療センターの完成予想図(手前の赤線で囲んだ建物)

医療法人沖縄徳洲会(沖徳)は2020年、湘南鎌倉総合病院(神奈川県)の本館南西側の敷地に先端医療センターを開設する。19年5月に地鎮祭を行い、順調に工事が進んでいる。同センターは徳洲会グループ初となる陽子線治療装置を導入するなどし、高度がん医療に取り組んでいく。

同院の篠崎伸明院長(沖徳副理事長)は「私たちの目指す〝包括的がんセンター〟は総合病院をベースに、患者さん一人ひとりのニーズに合った治療を提供します。湘南鎌倉病院で行う標準治療(外科治療、化学療法、放射線治療)を推進しながらも、先端医療センターでは、より高度な先端的医療を取り入れ、患者さんに新たな治療選択を提供していきたいと考えています」とアピールする。

同センターは地上4階地下1階建て。目玉となる陽子線治療装置やBNCT(ホウ素中性子捕捉療法)装置は1階に配置する。

「『がん難民』の方々の受け皿でありたい」と篠崎・副理事長 「『がん難民』の方々の受け皿でありたい」と篠崎・副理事長

陽子線は体表面から深い位置でエネルギーが急速に高まり、その後、急速に低下。狙った病変に強い線量を効率良く集中照射できることから、他の正常組織へのダメージを軽減できるのが特徴だ。18年4月の診療報酬改定で保険適用が拡大し、頭頚(とうけい)部がん、骨軟部がん、前立腺がん、小児がんの一部が保険診療となった。

一方、BNCTは、がん細胞に取り込まれやすいホウ素化合物を利用した治療法。ホウ素化合物を静注し、中性子を照射すると反応してα線が発生、がん細胞を内部から破壊する。国内では現在、臨床試験が行われている段階だ。

地下1階と地上1階にはPET(陽電子放射断層撮影)検査装置や、PET検査の診断薬を作製する設備を導入。PET検査装置は、がんの診断だけでなく、種々の病気の治療効果の判定や、治験参加者のスクリーニング(選別)などにも活用する。ほかにPETを用いた創薬研究・支援に取り組む計画もある。

2階にはCT(コンピュータ断層撮影)、MRI(磁気共鳴画像診断)、マンモグラフィー(乳房X線撮影)、内視鏡室などを備えた健診センターを設置。将来的には遺伝子診断も取り入れる。3階には医薬品・医療機器開発の第Ⅰ相試験(フェーズⅠ)などを行う研究施設、外来化学療法室を配置。4階は幹細胞などを用いた再生医療設備を入れる。

“がん難民”の受け皿に

このほか篠崎院長が期待を寄せるのがRI(放射性同位元素)内用療法だ。これはRIを組み込んだ薬剤を、がん細胞に選択的に取り込ませ攻撃する治療法。とくにα線核種を用いた同療法は、放射線のエネルギーが強く、がん細胞に大きなダメージを与えることができ、飛程距離が短いため他の細胞への影響を抑えられるなどメリットがある。臨床・研究の両面から同療法に取り組む。

同センターは、徳洲会が掲げる「救急を断らない」と同様に、「がん患者さんを断らない」が基本方針。

篠崎院長は「がん患者さんの高齢化が進むなか、より身体に優しい医療が求められています。そのために新しい医療を他に先駆けて導入するのは、大きな意義があります。標準治療を終え、治療の選択肢がなくなった『がん難民』の方々の受け皿、高血圧や心疾患、認知症など多様な疾患を併発しているがん患者さんの受け皿として、保険診療、先進医療、臨床研究など、さまざまな切り口で、治療の選択肢を提供していきたい。総合病院の強みを生かし、コメディカルを含めたチームで対応していきます」と意欲的だ。

同センター以外にも徳洲会は、がん医療に注力している。なかでも放射線治療では現在、トモセラピーを湘南鎌倉病院、羽生総合病院(埼玉県)、野崎徳洲会病院(大阪府)、和泉市立総合医療センター(同)、南部徳洲会病院(沖縄県)が導入しているほか、現在、計17病院で放射線治療を実施。

20年はさらに、岸和田徳洲会病院(大阪府)がトモセラピー(ラディザクト)、南部病院がグループ初となるサイバーナイフの導入を予定している。

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