徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

直言

Chokugen

安富祖 久明(あふそひさあき)(一般社団法人徳洲会副理事長(東京都、大阪府))

直言 生命いのちだけは平等だ~

安富祖 久明(あふそひさあき)

一般社団法人徳洲会副理事長(東京都、大阪府)

2018年(平成30年)12月24日 月曜日 徳洲新聞 NO.1165

“生命だけは平等だ”の理念の下
仲間たちとともに地域医療に邁進
「医の心」の共有を約束し北谷病院引き継ぐ

ある日突然、大学の先輩である北谷(ちゃたん)病院(沖縄県)の金城進(きんじょうすすむ)院長から「相談があるので時間をつくってもらえないか」とのお電話をいただきました。すぐにお会いしたところ「病院の経営は悪くないのだが、後継者がいなくて困っている。この地域の医療と職員の雇用を継続していただけないだろうか。中部徳洲会病院に引き受けてもらえると地域住民の皆さんも職員も安心することでしょう」とのことでした。

週に4、5日の当直と毎日の早朝回診、外来診療および病院経営に励んでおられる金城院長に敬意を表すとともに、「金城先生の思いを必ずや鈴木隆夫・徳洲会理事長に正確にお伝えいたします」と約束しました。金城先生と鈴木理事長は米国留学時代からの旧知の間柄ということもあって、その後、徳洲会グループ入りの交渉もスムーズに進み、この12月1日をもって医療法人湯池(とうち)会北谷病院は医療法人沖縄徳洲会北谷病院に生まれ変わり、再スタートしました。「信頼される病院」、「活力のある病院」をモットーに、「やさしい医療」を37年間実践されてこられた金城先生、職員の皆さん、ありがとうございました。引き続き、よろしくお願いいたします。

鈴木理事長の講演から将来ビジョン読み取る

今年最後の徳洲会医療経営戦略セミナーで鈴木理事長は「徳洲会の歩みと将来構想~経営手法と実践~」と題し講演されました。まず、徳洲会の原点は“生命だけは平等だ”、「いつでも、どこでも、だれでもが最善の医療を受けられる社会の実現」、「離島・へき地での医療貢献」の実践にあると話され、徳洲会45年の歴史のなかで未曾有の出来事であり、組織的危機でもあった5年前の事件(公職選挙法違反に端を発し、メディカルサービス法人との利益相反、家族支配などに対し社会的批判を受けた)に触れられました。

その後、徳洲会創設者の徳田虎雄・前理事長に敬意を払いつつ、超人的なひとりの人間による運営から組織的運営に体制を変革。徳洲会グループのガバナンス(統治)については、一般社団法人徳洲会(社徳)の社員は各法人であり、また法人ごとに理事会、社員総会があることなどについて、相関図を示しながら、わかりやすく説明されました。組織の意思決定は、どのように行われるべきかがよく理解できます。

ガバナンスで大切なことは、全病院が共通の言語(患者情報・ヒト・モノ・カネの流れなど情報システムを統一化し、質・安全・診療・看護・改善などは共通の基準を設ける)で話すことであると説明。

また、医療機関を傘下に置く21法人(2011年4月時点)の再編を推進中で、今後は4法人に集約。さらに第三者機関の外部監査法人により、組織の透明性・客観性が高まり、ガバナンスやコンプライアンス(法令順守)の強化につながっているとの説明がありました。この5年間で4病院新設、11病院建て替え、2病院の指定管理引き受け、3病院のグループ入り、5老健(介護老人保健施設)新設など事業を遂行できたとの報告がありました。

講演では「生き残りをかけて」、「院長の役割」、「徳洲会のブランド:量、質とも日本一を目指して」、「弱さを見せ合える組織づくり」、「未来に対する挑戦」などの話もありました。

理念実現には基本姿勢と強固な経営基盤が不可欠

昨年度は医業収益が3%しか伸びず、懸念事項として意識されました。12項目の増収対策、コスト削減計画が功を奏し、今年度は4~10月の累計で、収益は前年比5.6%増、税引き前利益は同12.4%増と増収増益となり、その後も順調に推移しています。

来年は消費増税、働き方改革の推進による経費・人件費の上昇、受診抑制、金利上昇など“見えざるリスク”などに対し、さらなる経営対策が必要です。

私たち徳洲会は、この45年間で多くの先達、また社会からさまざまなことを学びました。「洗練された基本的動作・姿勢がしっかりしている人・組織は清々しく、逆境に強い」というのもそのひとつです。つねに原点を見つめ、“生命だけは平等だ”の理念の下、身体が傷ついた人、精神を病んだ人、経済的弱者に対する惻隠(そくいん)の情を基本姿勢とし、医療技術と診療態度の向上に、さらに磨きをかけていきたい。皆で頑張りましょう。

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