徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP 45th

直言

Chokugen

梶原 正章(かじわらまさあき)(近江草津徳洲会病院院長(滋賀県))

直言 生命いのちだけは平等だ~

梶原 正章(かじわらまさあき)

近江草津徳洲会病院院長(滋賀県)

2018年(平成30年)11月5日 月曜日 徳洲新聞 NO.1158

健診やドックなど予防医療を充実
来年度には救急輪番制に参加予定
回復期強化し地域密着型ケアミックス病院へ

当院は滋賀県の湖南(こなん)地域にあり、ベッド数199床(一般155床、療養44床)の病院です。私は1996年に宇治徳洲会病院(京都府)に初期研修医として入職し、外科医として勤務してきましたが、2018年4月に近江草津徳洲会病院の院長を拝命しました。毎日ゆっくり考える暇もなく、病院の中で、あくせく働いています。

当院は現在14人の常勤医師が在籍していますが、残念ながら大きな病院と違い、できないことも多く、果たせる役割を考えていかなければならないと思っています。可能な限り緊急手術なども行っていますが、二次救急までを、できる範囲で取り組んでいく体制を敷いています。来年度には救急輪番制に参加予定で、急性期医療のなかでの役目を少しでも果たせるようにしようと考えています。

しかし、周辺には救急を積極的に受け入れている大きな病院が2施設と、大学病院などもあります。救急や、がん治療などでは、まだまだ太刀打ちできるような力量はなく、当院の強みを生かしていけるような方向に舵(かじ)を切る方針です。現在、ひとつの大きな柱となっているのは、予防医療としての健診や人間ドックなどです。周辺に大きな企業や大学があり、ニーズがあると思われるため、さらに充実させていきます。

地域包括ケアシステムのなか急性期後の在宅復帰サポート

日本は高齢化率が27%を超え、すでに「超高齢社会」に突入しています。当院の現在の入院患者さんの年齢構成を見ても、高齢者と言われる65歳以上の方が約9割、85歳以上に限っても全患者数の半数を占めています。

こうしたなか、もうひとつ、今後の当院の大きな機能として考えているのが、回復期の医療です。現在、一般病床のなかで地域包括ケア病床18床を運用していますが、これを段階的に増床し、来年度には地域包括ケア病棟の開設を計画しています。これにより、急性期の一般病床と回復期の地域包括ケア病棟、療養病棟を備えた地域密着型のケアミックス病院を目指します。

24時間対応の在宅医療を志向 訪問看護ステーション開設も

超高齢社会を乗りきるために、国が進めている地域包括ケアシステムという仕組みのなかで、当院のような200床未満の病院がもつ使命は、急性期後の在宅復帰を支援する医療の提供であると考えます。また当地域で当院独自の特色を打ち出せるのが、在宅医療にほかなりません。

私が思い描いているのは、在宅医療を志向する診療所と連携しながら、24時間対応の在宅医療を提供していくシステムです。そのためにはオンコール体制を担える医師が3人必要です。

また、現在、当院には訪問看護師はいますが、訪問看護ステーションがありません。そこで、訪問診療と連携し、24時間対応で動ける訪問看護ステーションを開設したいと考えています。当初は無理だと思いますが、将来的には10人程度の訪問看護師を擁する規模にしていくことが目標です。

医師も看護師も簡単には確保できないでしょうが、少しずつ大きくしていきたいと考えています。病院のベッド数は199床でも、もっと多くの方々を、在宅も含めケアしていくことができるはずです。

さて、古くから東海道と中山(なかせん)道の分岐点にある宿場として繁栄してきた草津市は、住み良さランキングで、近畿ナンバー1に選ばれています(17年、東洋経済新報社)。

最寄り駅の「南草津駅」は、滋賀県の乗降客数ランキングのトップで、隣の「草津駅」は第2位です。草津市と隣り合う守山(もりやま)市、栗東(りっとう)市を含め湖南地域と呼ばれていますが、この3つの自治体は滋賀県の人口増加率のトップ3となっており、今も発展を続けている地域です。

このような環境下で当院は、まだまだ伸びしろがあると考えます。思い描くことが、なかなか進捗(しんちょく)しない現状にありますが、かのチャールズ・ダーウィンは次のようなことを言いました。「勝ち残ったのは強い種ではない。優秀な種でもない。変化した種だけが勝ち残ったのだ」。言葉を換えれば、成長とは変化することで、最後に勝ち残る種は、大きな種でも強い種でもなく、環境変化に機敏に対応した種だということです。

当院が、より良い方向に進んでいけるように、職員全員で力を合わせ、社会変化に対応してまいります。

皆で頑張りましょう。

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