徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP 45th

直言

Chokugen

安富祖 久明(あふそひさあき)(一般社団法人徳洲会副理事長(東京都、大阪府)

直言 生命いのちだけは平等だ~

安富祖 久明(あふそひさあき)

一般社団法人徳洲会副理事長(東京都、大阪府)

2018年(平成30年)4月30日 月曜日 徳洲新聞 NO.1131

患者さんからの「ありがとう」に
仕事への一層のやりがいを感じる
徳洲会の理念を共有し“医の心”を実践

私たちを取り巻く環境がいかに揺らごうとも、徳洲会の理念を共有し各施設で「医の心」(人命を救う博愛の道)を実践することが大切です。昨年来、国際社会では核の保有を巡って北朝鮮問題が、国際経済では「アメリカ・ファースト」に端を発した保護貿易主義の台頭が問題になっています。一方、国内では森友・加計問題での「忖度(そんたく)」や公文書の破棄・改ざんなど「公文書管理のあり方」が、また長時間労働による過労死をきっかけに「働き方改革」などがメディアをにぎわせています。

さらにスポーツ界では角界での暴力・傷害事件を契機に組織のあり方が問われ、レスリング界では「パワーハラスメント」が顕在化し、社会問題となりつつあります。教育界では「いじめ」の問題が後を絶ちません。医療界でも「患者取り違え」、「誤投薬」、「異型輸血」など医療事故が折に触れ報じられています。社会全体が、さまざまな問題で揺れているように思います。

私たちもまた、組織のあり方やリスクマネージメント、ハラスメントの防止、働き方改革などから教訓を得て、患者さんの安心・安全のため、職員が不安なく医療に専念できるよう、前進していかなくてはなりません。

リーダーたちの「直言」から夢・希望・情熱・覚悟を知る

新卒の皆さんは、社会人、医療人としての第一歩を踏み出しました。各施設の幹部たちの訓示、徳洲会の理念、医の倫理、患者さんの権利、医療安全など多くの話に触れるとともに、各部署での就業規則、職員の心得など行動規範、社会保険、互助会活動などについて説明を受けるなど、新入職者オリエンテーションをすまされたと思います。

私たちの理念は徳洲会の創設者である徳田虎雄・前理事長の原体験に基づきます。極貧農家の長男として徳之島という離島で育った前理事長は、小学校3年生の時、夜間の往診を断られ3歳の弟を亡くしました。その時の怒り、悲しみ、恐怖心から徳洲会の理念が生まれたのです。

それは骨肉腫に侵され、患者さんのつらさ、悲しさ、口惜しさを自ら体験し、志半ばで亡くなった岸和田徳洲会病院(大阪府)の井村和清(かずきよ)医師が残した言葉“3つの悲しみ”にも通じます。「どうしても治らない患者さんに何もしてあげられない悲しみ、お金のない貧しい患者さんが病気のことだけでなくお金のことまでも心配しなければならない悲しみ、病気をしている人の気持ちになって医療をしていたつもりでも、本当には病気をしている人の気持ちにはなれない悲しみ」がその言葉です。

ぜひ徳田・前理事長の『生命(いのち)だけは平等だ』、井村先生の『飛鳥(あすか)へ、そしてまだ見ぬ子へ』という著作を読んでいただくことを願います。

そして鈴木隆夫理事長はじめ各医療施設のリーダーたちの「直言」も毎週、読み込んでいただきたいと思います。そこには理念の継承と、リーダーの夢、希望、仕事への情熱と覚悟が述べられているからです。

初月給は人生で一度きり 両親や恩師へ感謝の意を

新卒の皆さんは患者さんを目の前にした時、入職前の知識や技術を生かせず、いら立ちを感じたことも多いでしょう。しかし、技術・技能を習得するうちに知識もまた生きたものとなり、喜びと充実感を覚えるようになります。また、患者さんから「ありがとう」の言葉をいただいた時、仕事に対し、なお一層のやりがいを感じると思います。

平澤興(ひらさわこう)先生(元・京都大学医学部教授で後に総長)は、著書『生きよう今日も喜んで』のなかで、「仕事には情熱と独創と実行が大事である。情熱とは仕事に対する興味と希望と喜びをもって全力的にぶつかることである。独創とは言いつけられた仕事をやるだけではなく寝ても覚めても考え、ひたすらに仕事に対して一層よりよきことを考え出すことである。与えられた仕事に命を懸けてよりよき道を見つけることである。実行とは覚悟を決め、肝を据えて、目標に向かって進むことである。情熱と独創と実行により人は成長する。人生に無駄はないのである」と書いておられます。

新卒の皆さんは4月に初月給を手にしましたが、人生に一度しかない嬉しい瞬間だったと思います。まずはご両親や恩師に感謝の気持ちをもってください。感謝の気持ちや肉体的、精神的、経済的な弱者への限りない思いやりが、人間の基本であり「医の心」の根底にあるからです。

皆で頑張りましょう。

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