徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP 45th

直言

Chokugen

中川 秀光(なかがわひでみつ)(野崎徳洲会病院院長(大阪府))

直言 生命いのちだけは平等だ~

中川 秀光(なかがわひでみつ)

野崎徳洲会病院院長(大阪府)

2018年(平成30年)1月22日 月曜日 徳洲新聞 NO.1117

ピアレビューが徳洲会の名を高め
さらに世界的に認知される組織へ
医療安全と日本一向き合うグループ目指す

2018年がスタート、今年こそは良い年であってほしいと願っています。昨年は当院を含め複数の病院がマスメディアに取り上げられました。医療上の事案は視聴者や読者の関心が高いために世間に浸透します。当院は心臓外科手術に関することがターゲットになりました。

報道を見た人は「また徳洲会か」という気持ちになったことでしょう。こうしたニュースは人から人に伝播し、世間から負の目が注がれることになります。今後、こうした報道がインターネット上で、面白おかしく書き変えられ、さらに広がる展開にならないことを祈るばかりです。

当院の例が世間から忘れ去られただろうと思われた頃、別の病院の報道があり、その際に当院の事案が再度並列して登場し、これに対して視聴者や読者の意見が多数寄せられたことに愕然(がくぜん)としました。しかもいまだ追及の対象になっていることに、事柄の根深さを再認識しました。この事案で当院が被った代償は大きく、一時、診療状況が悲惨な状態に陥ったことは今でも心に深い傷として残っています。

医療安全への取り組みが大阪府から高評価受ける

心臓血管外科の事案が報道される以前の2014年11月から、当院では医療安全委員会を立ち上げ、医療に起因した原因不明の死亡例はもとより、死亡原因が明らかでない場合も委員会で検討し、医療安全に努めてきました。現在まで総数25例に及びます。これに対し医師から批判的な意見を聞くこともありましたが、その都度、医療安全と医療の質は別問題であると、辛抱強く説得しました。

今ではこのような医療安全委員会での対応に、徐々に抵抗感がなくなってきていると感じています。こうした努力が実を結び、マスメディアに報道された際に、大阪府の保健医療室医療対策課が、当院の取り組みを見た際「良くやられていますね。指導することはありません」と言われました。当院の医療安全に対する日頃の取り組みが評価されたのです。

個人的には、大阪府医師会の医事紛争特別委員会の委員になって約20年、対応した案件は100件以上、現在も責任者として医事紛争にかかわっています。また、大阪簡易裁判所・地方裁判所、堺簡易裁判所の調停委員になって15年近くになりますが、対応案件は50件以上になっています。このため休日は、医師の立場から対象案件の医療行為の正当性を明らかにすることに追われています。

そのほかに医療ADR(裁判外紛争解決)がありますが、弁護士が金銭で解決することが目的で、医療上の正当性を論じるうえで問題があり、医師会の医事紛争処理活動のほうが適しています。このような活動に従事することで病院に直接の利益をもたらすことは少ないのですが、回り回って利益をもたらしていると考えます。

医事紛争で裁判の証人に立ったり、調停で裁判官に助言を与えたりすることによって、徳洲会の名が検事や弁護士の間に広がり、徳洲会に対する印象を高める道に少しでもつながれば良いと日々考えています。

グループ病院で4月からピアレビューがスタート

4月から徳洲会グループ病院でピアレビュー(手術・手技に関する評価)が開始されます。昨年から脳神経外科の分野で試行され、少しずつ改善しながらやっと9診療科に展開することが可能になりました。開始までに不安な日々が続きます。まずメディカルクラークと診療情報管理士へのピアレビューの説明と、各々の役割についての説明が大切で、東京、大阪、福岡の3カ所で説明会を行う予定です。また、退院時アンケートの重要性があまり認識されておらず、回収率が低いのが気がかりです。

ピアレビューでは問題箇所を拾い上げ、現場に還元することが大切なため、問題点を検討するピアレビュー結果検討・改善委員会(副院長、看護部長、当該科部長・当該科師長からなる組織)の設置が求められます。

このような活動は医師をはじめとする医療従事者を責めるものではなく、最終的には助けになるものです。

現在、徳洲会では種々の医療安全、質の向上に取り組んでいますが、ピアレビューを含め、これらの活動は徳洲会の名を高め、徳洲会は世界的にさらに認知される組織になると考えます。日本一、医療安全と向き合っているグループと認識される日を目指し、皆で頑張りましょう。

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