徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2017年(平成29年)12月25日 月曜日 徳洲新聞 NO.1114 一面

徳洲会
初の緩和ケアセミ
全国21施設から80人参加

徳洲会グループは11月3日、札幌徳洲会病院の講堂で第1回徳洲会緩和ケアセミナーを開催した。発起人は札幌南徳洲会病院(旧名称・札幌南青洲病院)の前野宏総長。同セミナーは、グループ内でがん医療を強力に推進する機運が高まり、緩和ケアの重要性が認識されてきていることから、緩和ケアに携わる職員のレベルの底上げを図るのが狙い。今後は定期開催し、部会の創設も視野に入れている。

“ホスピスのこころ”を共有

多職種80人が参加しレベルアップ 多職種80人が参加しレベルアップ

同セミナーは講演、グループ病院の事例紹介、職種ごとのグループワークなど盛りだくさんの内容で実施。全国21施設から医師、看護師、薬剤師、MSW(医療相談員)、リハビリテーションスタッフなど80人が参加し、研鑽(けんさん)を積んだ。

冒頭、前野総長は「現在グループ内で7病院が緩和ケア病棟をもち、それ以外の病院も緩和ケアチームを組んで孤軍奮闘していると思います。徳洲会ならではの全国的な助け合いや学び合いをとおし、絆を強めていきましょう」と挨拶した。

続いて前野総長が「〝ホスピスのこころ〟を大切にして歩んできた札幌医療生活協同組合の軌跡~緩和ケア病棟から地域緩和ケアへ~」と題し基調講演。“ホスピスのこころ”とは、患者さんも医療従事者も、いずれ死にゆく同じ弱さをもった人間として平等(対等)であるという考え。これは医療従事者同士の関係も同様で、医師もほかの職種も、それぞれが専門性をもって独立した存在として対等であるとアピールした。

“ホスピスのこころ”の重要性を訴える前野総長 “ホスピスのこころ”の重要性を訴える前野総長

さらに札幌南病院が在宅緩和ケアに力を入れてきた経緯を説明したうえで、現在計画している新築移転時に「地域緩和ケアセンター(仮称)」の創設を検討していることを明かした。これは札幌市地域全体の緩和ケアをサポートする総合的なセンターで、目的として①在宅緩和ケア専門の診療所、訪問看護ステーションにより、質の高い緩和ケアを地域で実践、②地域で過ごされている終末期患者さんのためのデイサービス、専門外来(リンパ浮腫外来など)を提供――などを挙げた。

次にホームケアクリニック札幌の下倉賢士MSWが「緩和ケアにおけるMSWの働き~悩み・苦しみのなかから見えてきたあり方」をテーマに講演。緩和ケアで重要なのが患者さんのもつ資源や成長する力を生かして苦痛や課題解決を図ることであり、ここに生活モデルをベースにアプローチするMSWが存在する意義があると説いた。

シンポジウムでは緩和ケア病棟をもつ千葉徳洲会病院、名古屋徳洲会総合病院、吹田徳洲会病院(大阪府)、和泉市立病院(同)、宇治徳洲会病院(京都府)、緩和ケアチームをもつ札幌東徳洲会病院、千葉西総合病院、湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)、福岡徳洲会病院、南部徳洲会病院(沖縄県)が、それぞれ自院の取り組みを発表した。

続いて吹田病院の馬場美華・緩和医療科部長が「終末期がん患者における生命予後の予測とそのケア」をテーマに講演。患者さんの希望を最大限取り入れるための意思決定支援を行うためにも、生命予後の予測が重要であるとし、代表的な予測指標や自身が代表者として携わった研究の内容を説明。予測できた結果を生かす際には患者さんのQOL(生活の質)を下げないように配慮することが大切と訴えた。

千葉病院の伊東理砂・看護師長は「当院におけるスピリチュアルケア」と題し講演。理解するよりも理解者になることを勧め、このために①反復(相手のメッセージを言語化して返す)、②沈黙(相手に時間を贈る)、③問いかけ(相手の希望・支えを聞く)――という対応が必要であると強調した。

緩和ケア部会創設も視野

最後に医師、看護師、コメディカルの3グループに分かれ分科会を開催。それぞれの立場で①各施設の緩和ケアの取り組みの現状と課題、②今後の徳洲会緩和ケアセミナーのあり方と緩和ケアを発展させるための取り組み――をテーマに、グループワークを行った。

コメディカルグループでは早期から介入したいが主治医からの指示出しとのタイミングが合わない悩みや、職種ごとの強みを語り合った。看護師グループでは急性期での緩和ケアの方法や教育体制のあり方などを話し合い、スケールメリットを生かした病院間交換留学の提案があった。医師グループではマンパワーの問題、研修医のうちに緩和ケアを経験させる重要性、チームアプローチなどについて情報交換を行った。どのグループも多職種連携の重要性を再認識する結果となった。

総括として、前野総長はあらためて“ホスピスのこころ”の重要性をアピール。さらに「緩和ケアに携わる仲間が集まれたのは大変良い機会でした。ここでつくった人脈を生かしグループの緩和ケアを盛り上げていきましょう」と語気を強め、セミナー定期開催や部会創設に意欲を示した。次回は2018年10月20日に札幌で開催予定。

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